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国内第Ⅱ相試験(FMU-DF-002試験)3)
HSCT後の肝類洞閉塞症候群(SOS)患者を対象としたオープンラベル試験(医師主導治験)
- HSCT:造血幹細胞移植
- 出典
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- 国内第Ⅱ相:HSCT後SOS患者を対象としたオープンラベル試験(FMU-DF-002)(承認時評価資料)
利益相反:本試験はJazz社より治験薬の無償提供を受けた。
- 国内第Ⅱ相:HSCT後SOS患者を対象としたオープンラベル試験(FMU-DF-002)(承認時評価資料)
国内第Ⅱ相試験(動画)
HSCT後のSOS患者を対象としたオープンラベル試験(医師主導治験)
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試験方法
目的 - 主目的
- 小児・成人におけるHSCT後SOSに対するデファイテリオ®の治療効果を評価する。
- 副次目的
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- デファイテリオ®のHSCT患者における安全性を評価する。
- SOS発症時の小児・成人におけるデフィブロチドの薬物動態について評価する。
対象 HSCT後35日までに黄疸(総ビリルビン≧2mg/dL)かつ、肝腫大、腹水、原因の説明できない体重増加(ベースライン※から5%を超える)のうち2項目以上を満たすSOS患者19例(うち、重症SOS*1患者:13例)。 ※前処置開始14日前から2日前までの最も前処置に近い日の値
用法・用量 デファイテリオ®は1回6.25mg/kgを1日4回、1回あたり2時間かけて静脈内投与した(1日投与量:25mg/kg/日)。投与間隔は原則6時間とし、次の投与との間隔は最低2時間、最長8時間とした。
デファイテリオ®は生理食塩液で希釈し、単独ルートで投与した。治療期間 投与期間は少なくとも21日間、又はSOS寛解までとし、最長投与期間はHSCT後100日までとした。 評価項目 -
(1)有効性
- 1)主要評価項目:SOS患者におけるHSCT後100日の生存
(HSCT後100日での生存率が30%を超えた場合に、SOSに対するデファイテリオ®の治療効果が認められたと判定できるとした) -
2)副次評価項目:
- SOS患者におけるHSCT後100、180日の生存及び生存期間
- 重症SOS患者におけるHSCT後100、180日の生存及び生存期間
- SOS患者及び重症SOS患者におけるHSCT後100日までのSOS寛解*2
- SOS発症後2日以内及び3日以降に治療開始のSOS患者におけるHSCT後100日の生存及び生存期間
- 1)主要評価項目:SOS患者におけるHSCT後100日の生存
(2)安全性
(3)薬物動態
解析計画 -
(1)有効性Full analysis set(FAS)を対象とし、以下の解析を行った。
- 生存率:
- Kaplan-Meier法を用いて算出した。
観察打ち切り例については、最終生存確認日を打ち切り日とした。
- 寛解:
-
HSCT後100日までのSOS寛解率を求め、寛解率の95%信頼区間を二項分布に基づく正確な方法を用いて算出した。寛解率について、累積分布図を作成した。
治験薬投与後1週から移植後100日までに1度でもSOSが寛解した患者の割合をSOS寛解率とし、初めて寛解した日を「寛解日」とした。
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(2)安全性 安全性解析対象集団を対象として、出血発現割合、有害事象プロファイル、重篤な有害事象、毒性による投与中止について集計した。
-
(3)薬物動態薬物動態パラメータを記述統計量で要約した。
-
(4)サブグループ解析
SOS発症後2日以内に投与を開始した患者とSOS発症後3日以降に投与を開始した患者に分類して解析した。
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(5)その他:総ビリルビンの推移図
FASを対象として、披験者ごとのHSCT後100日までの総ビリルビンの経時的推移図を作成した。
-
*1:重症SOSの定義
以下の多臓器不全(MOF)症状のうち、1項目以上を満たす
臓器 項目 基準 腎機能 血清クレアチニン ベースラインa)の3倍以上 クレアチニンクリアランス又は
eGFRベースラインb)の40%以下 透析 必要とする 肺機能 酸素飽和度 90%以下(1時間以上あけて2回連続) 酸素吸入 必要とするc) 人工呼吸管理 必要とするc) - a) 前処置開始14日前から2日前までの最低値
- b) 前処置開始14日前から2日前までの最高値
- c) 肺炎などの感染に起因する場合を除く
-
*2:SOS寛解の定義
総ビリルビン2mg/dL未満
かつ以下のMOF症状の消失
臓器 項目 基準 腎機能 血清クレアチニン HSCT後100日までにベースラインa)の
1.5倍未満又は年齢ごとの基準値上限未満クレアチニンクリアランス又は
eGFRHSCT後100日までにベースラインb)の80%を超える 透析 必要としない 肺機能 酸素飽和度 90%を超える(1時間以上あけて2回連続) 酸素吸入 必要としないc) 人工呼吸管理d) 必要としない - a) 前処置開始14日前から2日前までの最低値
- b) 前処置開始14日前から2日前までの最高値
- c) 少なくとも完全寛解を示す24時間前から安定して酸素を必要としない
- d) 非侵襲的陽圧換気療法を含む
-
患者背景
安全性解析対象集団
全SOS患者
(N=19)成人
(N=17)小児
(N=2)性別 男性 12例(63.2%)
10例(58.8%)
2例 女性 7例(36.8%)
7例(41.2%)
0例 年齢(歳) 平均値±標準偏差 45.6±19.0 50.5±13.0 2歳、7歳 中央値(範囲) 47.0(2〜68)
50.0(29〜68)
4.5(2〜7)
体重(kg) 平均値±標準偏差 58.1±19.8 63.2±13.6 11.2kg、19.8kg 中央値(範囲) 63.1(11.2〜87.5)
64.2(43.0〜87.5)
15.5(11.2〜19.8)
原疾患 急性骨髄性白血病 6例(31.6%)
6例(35.3%)
0例 急性リンパ性白血病 3例(15.8%)
3例(17.6%)
0例 悪性リンパ腫 3例(15.8%)
3例(17.6%)
0例 その他 7例(36.8%)
5例(29.4%)
2例*1 HSCT回数 1回 12例(63.2%)
12例(70.6%)
0例 2回以上 7例(36.8%)
5例(29.4%)
2例 移植の種類 同種HSCT 19例(100%)
17例(100%)
2例 自家HSCT 0例 0例 0例 移植前処置 ブスルファン 6例(31.6%)
6例(35.3%)
0例 全身放射線照射(TBI) 4例(21.1%)
3例(17.6%)
1例 その他 9例(47.4%)
8例(47.1%)
1例 HSCT施行から
SOS診断までの
日数(日)平均値±標準偏差 19.9±8.6 20.3±8.3 7.0日、26.0日 中央値(範囲) 18.0(7〜34)
18.0(8〜34)
16.5(7〜26)
SOS前治療 あり 18例(94.7%)
16例(94.1%)
2例 SOS発症時の
MOF※
※複数選択ありあり 10例(52.6%)
9例(52.9%)
1例 腎不全 血清クレアチニンa) 6例(31.6%)
6例(35.3%)
0例 クレアチニンクリアランス
又はeGFRb)2例(10.5%)
2例(11.8%)
0例 透析 1例( 5.3%)
1例( 5.9%)
0例 呼吸不全 SpO2≦90% 2例(10.5%)
2例(11.8%)
0例 酸素吸入あるいは
人工呼吸器6例(31.6%)
5例(29.4%)
1例 GVHD予防薬 あり 19例(100%)
17例(100%)
2例 タクロリムス 17例(89.5%)
16例(94.1%)
1例 なし 0例 0例 0例 - a) ベースラインの3倍以上 b) ベースラインの40%以下
- *1 若年性骨髄単球性白血病:1例
神経芽腫による二次性再生不良性貧血:1例
-
有効性
デファイテリオ®を19例に投与した(投与期間中央値:31日(範囲:3~59日))。また、21日以上投与を継続した患者は19例中12例(63.2%)であった。
SOS患者におけるHSCT後100日生存(主要評価項目)
SOS患者におけるHSCT後100日生存率は47.4%(95%信頼区間:24.4%~67.3%)であり、生存率の点推定値は事前に規定された閾値(30%)を上回った。
SOS患者におけるHSCT後100日、180日の生存及び生存期間(副次評価項目)
SOS患者におけるHSCT後100日生存率は、主要評価項目に記載した。SOS患者におけるHSCT後180日生存率は、31.6%(95%信頼区間:12.9%~52.2%)であった。生存期間中央値はHSCT後79日(95%信頼区間:45日~推定不能)であった。
SOS患者におけるHSCT後180日までのKaplan-Meier生存曲線
重症SOS患者におけるHSCT後100日、 180日の生存及び生存期間(副次評価項目):サブグループ解析
Kaplan-Meier法を用いて算出した重症SOS患者におけるHSCT後100日生存率は、38.5%(95%信頼区間:14.1%~62.8%)であり、HSCT後180日生存率は、23.1%(95%信頼区間:5.6%~47.5%)であった。生存期間中央値はHSCT後100日までで72日(95%信頼区間:37日~推定不能)、HSCT後180日までで72日(95%信頼区間:37~134日)であった。
重症SOS患者におけるHSCT後180日までのKaplan-Meier生存曲線
HSCT後100日までのSOS寛解(副次評価項目)
HSCT後100日までのSOS寛解率は、SOS患者19例中5例で26.3%(95%信頼区間:9.1%~51.2%)であった。
重症SOS患者におけるHSCT後100日までのSOS寛解率(副次評価項目):サブグループ解析
SOS寛解率
(95%信頼区間*)MOFの消失率
(95%信頼区間*)重症SOS患者(13例) 15.4%(1.9~45.4) 46.2%(19.2~74.9) *二項分布に基づく正確な方法により算出
SOS発症後2日以内あるいは3日以降に治療を開始したSOS患者におけるHSCT後100日の生存(副次評価項目):サブグループ解析
Kaplan-Meier法を用いて算出したSOS患者におけるHSCT後100日生存率は、SOS発症後2日以内に治療を開始した患者(14例)では57.1%(95%信頼区間:28.4%~78.0%)であった。一方、SOS発症後3日以降に治療を開始した患者(5例)では、20.0%(95%信頼区間:0.8%~58.2%)であった。
-
安全性
19例中10例(52.6%)に副作用*1が発現した。
主な副作用は、肺出血5例(26.3%)、鼻出血、呼吸不全 各3例(15.8%)、血尿2例(10.5%)であった。重篤な副作用*2 肺出血4例(21.1%)、呼吸不全3例(15.8%)、血胸、処置後出血 各1例(5.3%) 投与中止に至った副作用 肺出血3例、呼吸不全、血胸、縦隔出血 各1例 死亡に至った副作用 呼吸不全2例、肺出血、血胸 各1例 - *1:治験薬との因果関係が「関連あり」と判定された有害事象
- *2:死亡転帰を含む
19例中19例(100%)に有害事象が発現した。
安全性結果の概要
全体(N=19) 成人(N=17) 小児(N=2) 有害事象 副作用 有害事象 副作用 有害事象 副作用 発現例数(%) 19例(100%)
10例(52.6%)
17例(100%)
10例(58.8%)
2例 0例 重篤な事象* 14例(73.7%)
7例(36.8%)
14例(82.4%)
7例(41.2%)
0例 0例 中止に至った事象 6例(31.6%)
4例(21.1%)
6例(35.3%)
4例(23.5%)
0例 0例 死亡に至った事象 11例(57.9%)
3例(15.8%)
11例(64.7%)
3例(17.6%)
0例 0例 出血関連の事象 14例(73.7%)
10例(52.6%)
13例(76.5%)
10例(58.8%)
1例 0例 *死亡転帰を含む
主な有害事象(10%以上に発現)及び副作用
全体(N=19) 有害事象 副作用 発現例数(%) 19例(100%) 10例(52.6%) 高血圧 8例(42.1%) 0例 肺出血 5例(26.3%) 5例(26.3%) 血尿 5例(26.3%) 2例(10.5%) 低カリウム血症 5例(26.3%) 0例 鼻出血 4例(21.1%) 3例(15.8%) 呼吸不全 4例(21.1%) 3例(15.8%) 便秘 4例(21.1%) 0例 白血球数減少 4例(21.1%) 0例 皮膚剥脱 4例(21.1%) 0例 悪心 3例(15.8%) 0例 多臓器機能不全症候群 3例(15.8%) 0例 好中球数減少 3例(15.8%) 0例 急性腎障害 3例(15.8%) 0例 低血圧 3例(15.8%) 0例 血胸 2例(10.5%) 1例(5.3%) 血栓性微小血管症 2例(10.5%) 0例 嘔吐 2例(10.5%) 0例 発熱 2例(10.5%) 0例 過敏症 2例(10.5%) 0例 敗血症 2例(10.5%) 0例 肺感染 2例(10.5%) 0例 活性化部分トロンボプラスチン時間延長 2例(10.5%) 0例 血中ビリルビン増加 2例(10.5%) 0例 血中クレアチニン増加 2例(10.5%) 0例 高ナトリウム血症 2例(10.5%) 0例 高尿酸血症 2例(10.5%) 0例 低カルシウム血症 2例(10.5%) 0例 低血糖 2例(10.5%) 0例 不眠症 2例(10.5%) 0例 出血性膀胱炎 2例(10.5%) 0例 腎機能障害 2例(10.5%) 0例 口腔咽頭痛 2例(10.5%) 0例 皮膚乾燥 2例(10.5%) 0例 MedDRA/J ver.19.1により集計
-
補足情報:除外基準
国内第Ⅱ相試験
(FMU-DF-002試験)抗凝固薬 出血のリスクを増大させる薬剤を使用している
- アスピリンは治験薬投与開始7日前、ヘパリン、トロンボモデュリン、アンチトロンビンⅢなどの抗凝固、血栓溶解、血小板凝集抑制作用を有する薬剤は治験薬投与開始12時間前までに中止できない
- 外用剤及び通常のCVカテーテル管理、CVライン閉塞に対する溶解、間欠的又は持続透析に使用される場合を除く
急性出血 コントロールできない急性出血がある
(出血による血液喪失を補充するために24時間で15mL/kg以上の赤血球輸血を必要とする、あるいは量に関係なく肺や脳などの生命に危険を及ぼす部位からの出血)
血行動態 複数の昇圧剤を必要とするような血行動態が不安定、あるいは平均動脈圧(MAP)の維持が不能
- 昇圧剤を1剤使用している場合は少なくとも8時間MAPが安定していること
- 腎のための2~5μg/kg/minのドーパミン単独の使用はMAP測定なしに登録可
妊娠 - 妊娠中、授乳中、妊娠している可能性がある
- 避妊に同意できない
肝炎 ウイルス性劇症肝炎を合併している GVHD Grade Ⅳ※のGVHDを合併している ※Glucksbergによる分類法(一部改訂)
移植歴 造血幹細胞以外の臓器移植の既往がある その他 治験責任(分担)医師が本治験参加に不適当と判断した者(来院又は投与の遵守が困難と予想される場合など)
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