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海外拡大アクセス試験※(2006-05試験)4)、5)
HSCT後又は化学療法後の肝類洞閉塞症候群(SOS)患者を対象とした拡大アクセス試験(海外データ)
- HSCT:造血幹細胞移植
- 出典
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- 海外第Ⅲ相:HSCT後又は化学療法後のSOS患者を対象とした拡大アクセス試験(2006-05)(承認時評価資料)
利益相反:本試験はGentium社(現在はJazz社の子会社)のサポートにより行われた。 - Kernan NA, et al. Br J Haematol. 2018;181:816-827
利益相反:本論文の著者にJazz社の社員が含まれる。
- 海外第Ⅲ相:HSCT後又は化学療法後のSOS患者を対象とした拡大アクセス試験(2006-05)(承認時評価資料)
※拡大アクセス試験:代替治療薬の存在しない致死的な疾患等の治療のために、人道的見地から未承認薬等の提供を行うことで実施される試験
海外拡大アクセス試験(動画)
HSCT後又は化学療法後のSOS患者を対象とした拡大アクセス試験(海外データ)
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試験方法
目的 拡大アクセス試験の治験実施計画のもとでデファイテリオ®を患者に提供する。
HSCT又は化学療法を実施後のSOS患者(多臓器不全(MOF)の有無を問わない)に対する有効性、忍容性及び安全性データを収集する。対象 Baltimore基準*1、修正Seattle基準*2又は生検によりSOSと診断された患者1,206例
(投与例数:1,154例、有効性解析対象例数:MOF*3を伴う重症SOS患者571例、SOS患者1,137例、安全性解析対象例数:1,154例)用法・用量 デファイテリオ®は1回6.25mg/kgを1日4回、1回あたり2時間以上かけて静脈内投与(成人はⅣバッグ、小児患者はⅣシリンジにて)し、投与間隔は6時間ごととした(1日投与量:25mg/kg/日)。デファイテリオ®は5%ブドウ糖注射液で4mg/mLに希釈した。 治療期間 21日間以上、本剤に関連する重度の有害事象が発現せず、忍容性があれば、SOSの症状が回復するまで投与を継続した。 評価項目 -
(1)有効性
- 1)主要評価項目:HSCT後又は化学療法開始後100日生存率
-
2)その他の評価項目:
- 治験責任医師によりSOSの「寛解※4/再発なし」、「寛解/再発」、「改善」、「改善なし」と報告された患者数及び割合
- SOS診断からデファイテリオ®初回投与までの期間と100日生存率との関係
(2)安全性
解析計画 -
(1)有効性
SOS患者(MOFの有無を問わない)及びMOFを伴うSOS患者を解析対象集団とした。さらに2つのサブグループ(HSCT後SOS患者及び化学療法後SOS患者)を対象として、同様の解析を行った。
主要評価項目である100日生存率は、±7日の許容範囲のもので100日時点で生存している割合(点推定値)及び95%信頼区間を算出した。
-
(2)安全性
有害事象、重篤な有害事象、注目すべき有害事象について集計した。
さらに2つのサブグループ(HSCT後、化学療法後)、内因性要因(性別及びHSCTを受けた年齢)を対象として、同様の解析を行った。
-
*1:Baltimore基準※
ビリルビン≧2mg/dL
かつ以下の臨床所見のうち2項目以上に該当する
腹水(放射線検査又は身体検査)
ベースラインa)から5%を超える体重増加
肝腫大がベースラインより増大
a) 前処置1日目の体重(移植入院時の体重も使用可能)
※発症までの期間:規定なし -
*2:修正Seattle基準※
以下のうち2項目以上を満たす
ビリルビン≧2mg/dL
腹水(放射線検査又は身体検査)又はベースラインa)から5%を超える体重増加
肝腫大がベースラインより増大
a) 前処置1日目の体重(移植入院時の体重も使用可能)
※発症までの期間:規定なし -
*3:MOFの定義
以下の症状のうち1項目以上を満たす
臓器 項目 基準 腎機能 血清クレアチニン ベースラインa)の3倍以上 クレアチニンクリアランス又はeGFR ベースラインa)の40%以下 透析 必要とする 肺機能 酸素飽和度 90%以下 酸素吸入 必要とする 人工呼吸管理 必要とする a) 移植入院時
-
*4:寛解基準
- 総ビリルビン2mg/dL未満a)
- エントリー時又は投与中にMOF基準に該当した場合は、以下の全てに該当
臓器 項目 基準 腎機能 血清クレアチニン ベースライン又は年齢調整した基準値上限の1.5倍未満 クレアチニンクリアランス又はeGFR ベースラインの80%を超える 透析 必要としない 肺機能 酸素飽和度 90%を超える 酸素吸入又は人工呼吸管理 必要としない a) 選択基準として高ビリルビン血症に該当しなかった患者では、その他の症状(肝腫大、腹水、体重増加)の回復とする
-
-
患者背景
安全性解析対象集団
SOS患者
(MOFの有無を問わない)
(N=1,154)MOFを伴う重症SOS患者
(N=571)性別 男性 651例(56.4%)
312例(54.6%)
女性 503例(43.6%)
259例(45.4%)
年齢(歳) 平均値±標準偏差 19.3±20.0 20.0±19.6 中央値(範囲) 12.0(0~77)
13.0(0~69)
年齢分布 ≦16歳 691例(59.9%)
328例(57.4%)
>16歳 463例(40.1%)
243例(42.6%)
体重(kg) 平均値±標準偏差 45.4±31.7 48.0±32.6 中央値(範囲) 43.6(3.0~164.2)
49.4(3.9~134.5)
原疾患 急性骨髄性白血病 279例(24.2%)
150例(26.3%)
急性リンパ性白血病 279例(24.2%)
139例(24.3%)
神経芽腫 111例( 9.6%)
45例( 7.9%)
悪性リンパ腫 67例( 5.8%)
28例( 4.9%)
骨髄異形成症候群 53例( 4.6%)
27例( 4.7%)
その他 365例(31.6%)
182例(31.9%)
移植回数 1回 847例(73.4%)
430例(75.3%)
2回以上 167例(14.5%)
82例(14.4%)
不明/欠測 140例(12.1%)
59例(10.3%)
移植前処置
(抜粋)シクロホスファミド 582例(50.4%)
― ブスルファン 573例(49.7%)
― フルダラビン 349例(30.2%)
― 全身放射線照射(TBI) 292例(25.3%)
― メルファラン 264例(22.9%)
― GVHD予防薬
(登録時)あり ─ ─ タクロリムス 494例(42.8%)
250例(43.8%)
なし 318例(27.6%)
131例(22.9%)
―:未集計
HSCTサブグループ集団
SOS患者
(MOFの有無を問わない)
(N=1,000)MOFを伴う重症SOS患者
(N=512)移植の種類 同種HSCT 843例(84.3%) 450例(87.9%) 自家HSCT 155例(15.5%) 61例(11.9%) -
有効性
デファイテリオ®を1,154例に投与した(投与期間中央値:21.0日(範囲1~110日))。
HSCT後又は化学療法開始後100日生存率(主要評価項目)
SOS患者のHSCT後又は化学療法開始後100日生存率は57.8%(657例/1,137例、95%信頼区間:54.9%~60.7%)で、Kaplan-Meier推定生存率は61.1%(95%信頼区間:58.2%~63.9%)であった。
SOS患者におけるHSCT後又は化学療法開始後100日生存率:サブグループ解析
HSCT後
(N=1,000)化学療法後
(N=137)100日の生存a)
95%信頼区間b)(%)560例(56.0%)
(52.9〜59.1)97例(70.8%)
(63.2〜78.4)100日目のKaplan-Meier推定生存率
95%信頼区間c)(%)58.9%
(55.7〜61.9)77.8%
(69.8〜83.9)a)100日目±7日(Day93~107)のデータを使用 b)二項分布に対する正規近似 c)Kaplan-Meier推定量
MOFを伴う重症SOS患者におけるHSCT後又は化学療法開始後100日生存率:サブグループ解析
全例
(N=571)HSCT後
(N=512)化学療法後
(N=59)100日の生存a)
95%信頼区間b)(%)285例(49.9%)
(45.8~54.0)247例(48.2%)
(43.9~52.6)38例(64.4%)
(52.2~76.6)100日目のKaplan-Meier推定生存率
95%信頼区間c)(%)51.9%
(47.6~55.9)49.5%
(45.0~53.8)72.9%
(59.6~82.4)a)100日目±7日(Day93~107)のデータを使用 b)二項分布に対する正規近似 c)Kaplan-Meier推定量
初回投与開始までの期間別のHSCT後100日生存率(その他の評価項目)
HSCT後に発症したSOS患者において、SOSの診断から投与開始までの日数ごとに、HSCT後100日生存率を算出した。その結果、初回投与までの期間が長い方が生存率が低下し、統計学的有意差が認められた(P<0.001、Cochran-Armitage test)。
SOS患者における初回投与までの日数別HSCT後100日生存率
初回投与までの
日数 a)SOS患者(N=1,000) 生存 死亡 不明 合計 b) 0c) 187例(60.3%) 113例(36.5%) 10例(3.2%) 310例(31.0%) 1 168例(58.7%) 100例(35.0%) 18例(6.3%) 286例(28.6%) 2 83例(66.4%) 39例(31.2%) 3例(2.4%) 125例(12.5%) 3 36例(46.8%) 38例(49.4%) 3例(3.9%) 77例( 7.7%) 4 30例(49.2%) 31例(50.8%) 0例 61例( 6.1%) 5 18例(50.0%) 15例(41.7%) 3例(8.3%) 36例( 3.6%) 6 8例(53.3%) 7例(46.7%) 0例 15例( 1.5%) 7 6例(31.6%) 13例(68.4%) 0例 19例( 1.9%) 8〜14 14例(31.1%) 31例(68.9%) 0例 45例( 4.5%) ≧15 10例(38.5%) 15例(57.7%) 1例(3.8%) 26例( 2.6%) a):SOSの診断からデファイテリオ®投与開始までの日数
b):生存+死亡+不明
c):19例は投与開始までの日数(初回投与日−診断日)が負の値のため、0日に含めた。MOFを伴う重症SOS患者:サブグループ解析
HSCT後に発症した重症SOS患者において、SOS又はMOFの診断から投与開始までの日数ごとに、HSCT後100日生存率を算出した。その結果、初回投与までの期間が長い方が生存率が低下し、統計学的有意差が認められた(P<0.001、Cochran-Armitage test)。
MOFを伴うSOS患者における初回投与までの日数別HSCT後100日生存率:サブグループ解析
初回投与までの
日数 a),b)MOFを伴う重症SOS患者(N=512) 生存 死亡 不明 合計 c) 0 d) 81例(51.9%) 72例(46.2%) 3例(1.9%) 156例(30.5%) 1 75例(55.6%) 55例(40.7%) 5例(3.7%) 135例(26.4%) 2 42例(61.8%) 26例(38.2%) 0例 68例(13.3%) 3 14例(35.9%) 24例(61.5%) 1例(2.6%) 39例( 7.6%) 4 12例(36.4%) 21例(63.6%) 0例 33例( 6.4%) 5 7例(41.2%) 10例(58.8%) 0例 17例( 3.3%) 6 4例(44.4%) 5例(55.6%) 0例 9例( 1.8%) 7 3例(25.0%) 9例(75.0%) 0例 12例( 2.3%) 8〜14 5例(17.2%) 24例(82.8%) 0例 29例( 5.7%) ≧15 4例(28.6%) 9例(64.3%) 1例(7.1%) 14例( 2.7%) a):MOFあり SOSの診断からデファイテリオ®投与開始までの日数 b):MOFの診断日も考慮し、SOS診断日とMOF診断日の遅い方を診断日として使用した。 c):生存+死亡+不明 d):19例は投与開始までの日数(初回投与日−診断日)が負の値のため、0日に含めた。
-
安全性
1,154例中248例(21.5%)で副作用*1が発現した。
主な副作用は、肺出血50例(4.3%)、胃腸出血35例(3.0%)、鼻出血26例(2.3%)、低血圧24例(2.1%)であった。重篤な副作用*2 肺出血41例(3.6%)、胃腸出血24例(2.1%)、肺胞出血、低血圧 各7例(0.6%)、胃出血6例(0.5%)、頭蓋内出血、出血 各5例(0.4%)、上部消化管出血、呼吸不全、鼻出血 各4例(0.3%)、腹膜出血、下部消化管出血、多臓器不全、くも膜下出血 各3例(0.3%)、心房粗動、心嚢液貯留、腹腔内出血、口腔内出血、直腸出血、硬膜下血腫、中枢神経系出血、出血性膀胱炎、血胸、血腫、カテーテル留置部位出血 各2例(0.2%)、凝血異常、播種性血管内凝固、心不全、洞性徐脈、心筋症、うっ血性心不全、吐血、血性下痢、腸出血、後腹膜出血、小腸出血、静脈閉塞性肝疾患、肺感染、処置による出血、栄養補給管合併症、肝血腫、アシドーシス、脳症、肝性脳症、脳出血、可逆性後白質脳症症候群、脳室内出血、急性腎不全、血尿、低酸素症、呼吸窮迫、喀血、胸腔内出血、皮下出血、静脈閉塞性疾患、出血性梗塞 各1例(0.1%) 投与中止に至った副作用 肺出血42例(3.6%)、胃腸出血22例(1.9%)、鼻出血7例(0.6%)、下部消化管出血、肺胞出血 各6例(0.5%)、頭蓋内出血、低血圧、カテーテル留置部位出血 各5例(0.4%)、胃出血、上部消化管出血 各4例(0.3%)、吐血、口腔内出血、腹膜出血、硬膜下血腫、出血性膀胱炎、出血 各3例(0.3%)、直腸出血、中枢神経系出血、くも膜下出血、血尿、呼吸不全、血胸、血腫 各2例(0.2%)、心不全、心嚢液貯留、うっ血性心不全、心筋症、腹腔内出血、下痢、血性下痢、腸出血、出血性食道炎、後腹膜出血、小腸出血、多臓器不全、カテーテル留置部位分泌物、栄養補給管合併症、眼窩周囲出血、アシドーシス、脳出血、脳室内出血、可逆性後白質脳症症候群、尿路出血、低酸素症、喀血、呼吸窮迫、皮下出血 各1例(0.1%) 死亡に至った副作用 肺出血11例(1.0%)、多臓器不全4例(0.3%)、頭蓋内出血、呼吸不全 各3例(0.3%)、肺胞出血、低血圧、出血 各2例(0.2%)、凝血異常、心不全、胃腸出血、腸出血、下部消化管出血、直腸出血、小腸出血、上部消化管出血、静脈閉塞性肝疾患、肺感染、処置による出血、アシドーシス、脳出血、腎不全、血尿、低酸素症、胸腔内出血、出血性梗塞 各1例(0.1%) - *1:治験薬との因果関係が「関連あり」、「おそらく関連あり」、「関連あるかもしれない」と判定された有害事象
- *2:死亡転帰を含む
HSCT後及び化学療法後別の有害事象及び副作用発現率
サブグループ HSCT後(n=1,017) 化学療法後(n=137) 有害事象 720例(70.8%) 90例(65.7%) 副作用 213例(20.9%) 35例(25.5%) 死亡に至った有害事象 361例(35.5%) 34例(24.8%) 死亡に至った副作用 28例( 2.8%) 3例( 2.2%) 重篤な有害事象 543例(53.4%) 55例(40.1%) 重篤な副作用 118例(11.6%) 15例(10.9%) 投与中止に至った有害事象 305例(30.0%) 23例(16.8%) 投与中止に至った副作用 127例(12.5%) 11例( 8.0%) 出血関連の有害事象 307例(30.2%) 32例(23.4%) 出血関連の副作用 174例(17.1%) 22例(16.1%) 低血圧関連の有害事象 120例(11.8%) 13例( 9.5%) 低血圧関連の副作用 20例( 2.0%) 4例( 2.9%) -
補足情報:除外基準
臨床試験による除外基準
海外拡大アクセス試験
(2006-05試験)抗凝固薬 出血のリスクを増大させる薬剤(デファイテリオ®投与前12時間以内のヘパリン又は他の凝固薬)を投与している 急性出血 臨床的に問題となる制御不能な急性出血がある 血行動態 血行動態が不安定 妊娠 妊娠している
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