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ご監修
東京女子医科大学 小児科 准教授 石垣 景子 先生
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DMD治療の変化と早期発見の重要性
DMDは、小児期に最も高頻度に発症する進行性で重度の筋萎縮症です。ジストロフィン遺伝子の変異により、筋細胞膜の維持に重要な役割を担っているジストロフィンが欠損することにより発症します。
これまで、DMDに対する治療は、ステロイドやリハビリテーションなどの対症療法が中心であり、十分な進行抑制効果は得られていませんでした。しかし近年、国内初のエクソン・スキッピング作用を持つDMD治療剤としてビルテプソ®が承認され、一部の適応ながら、疾患の原因に働きかける治療が可能になりました。こうして治療選択肢が増えたことで、DMDの早期発見・早期治療が重要性を増しています。
DMDの診断契機
DMDの診断契機については、乳児期から小児期にかけて、ご覧のような機会があります。
もともとは、集団保育の中で歩容の異常、筋力低下に気づかれたということが多かったのですが、現在はアレルギーや感染時の採血で偶然に高クレアチンキナーゼ(CK)血症を指摘された例などが増えてきています。また、独歩や言語獲得の遅れなど発達の遅れや、神経発達症(発達障害)が疑われる方の中に、DMDが隠れていることがあります。
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DMDの初期症状
DMDでは、乳児期に運動機能の異常を指摘されることは多くありません。1歳6ヵ月を過ぎても「独歩」が獲得できていなかったり、1歳6ヵ月で歩いても「伝い歩き」から「独歩」まで半年以上あく場合があります。
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また、個人差はありますが、3歳〜5歳くらいになると、つまずきや転倒が多い、階段昇降が苦手、ジャンプができないなどの症状や、下腿肥大、Gowers徴候、動揺性歩行などが見られます。
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血液検査による高CK血症の発見
筋力低下や運動機能の異常がみられる場合、まずは血液検査で血清CKを測定してください。また、言語発達の遅れや、神経発達症(発達障害)が疑われて受診した場合も、一度は血清CKを確認してください。
血清CKは、感染や過剰な運動に伴って一過性に上昇することもありうるため、持続的に高いことを確認する必要があります。2週間以上あけて2回確認することが望ましいでしょう1)。
また、筋疾患でもASTやALTは高値を示します。ASTやALTが高値を示した場合は、肝疾患だけでなく筋疾患を鑑別に入れ、血清CKの測定をするとよいでしょう。
1)石垣景子, Prog. Med., 2020, 40, 1019-1024.
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DMDの場合には数千~数万U/Lの血清CKが持続することが特徴です。特に数万レベルのCK高値は、筋ジストロフィーの可能性が非常に高くなります。筋痛などのない、数千から数万単位の持続的な高CK血症は筋ジストロフィーの可能性が高く、男児ならジストロフィン異常症をまず考えるべきです。
このように、血清CKが高値の場合はDMDを疑い、専門施設へご紹介ください。
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DMD疑いの患者さんがいらっしゃいましたら、
専門医へご紹介ください。
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