「貯蔵鉄に注目しましょう」|~鉄欠乏を見逃さないために~ 「貯蔵鉄に注目しましょう」|~鉄欠乏を見逃さないために~
ポイント鉄の役割・重要性
鉄は、生命活動に必須の元素です。
生体内では血液中だけでなく、細胞、組織内にも存在し、赤血球の酸素の運搬、エネルギー代謝、神経伝達物質の生成と機能、貯蔵鉄など、生体内でさまざまな機能を果たします。

身近な疾患である
鉄欠乏性貧血(IDA)とは

体内の「貯蔵鉄」が枯渇し、赤血球造血に必要な鉄が骨髄の造血系に供給されないため、酸素を運搬するタンパク質であるヘモグロビンの合成が低下した結果、貧血となった状態を指します。
原因
鉄の需要と供給バランスの乱れ
鉄需要の増大
過多月経(子宮筋腫など)、妊娠・授乳、消化管出血など
鉄供給の不足
鉄の吸収障害(自己免疫性萎縮性胃炎など)、食事からの鉄の摂取不足など
症状
動悸、息切れ、顔面蒼白などの貧血としての症状
さじ状爪、舌乳頭萎縮、嚥下困難など組織鉄欠乏による症状
異食症や疲れやすさ、作業量の減少など
診断
鉄欠乏性貧血の診断にはヘモグロビン値だけでなく、生体内の鉄動態の把握も重要です。
ヘモグロビン
g/dL
総鉄結合能(TIBC)
μg/dL
血清
フェリチン
ng/mL
鉄欠乏性貧血 <12 ≧360 <12
貧血のない鉄欠乏 ≧12 ≧360 or <360 <12
正常 ≧12 <360 ≧12

血清フェリチンで判定する
「貯蔵鉄」とは
(血清フェリチン値と
貯蔵鉄量の関係)

ポイント貯蔵鉄の役割
貯蔵鉄は、肝臓や脾臓、骨髄に貯えられ、鉄不足になった時に必要に応じて血液中に放出されて不足分を補います。
ポイント貯蔵鉄に目を向ける意義
鉄欠乏性貧血の治療後には、ヘモグロビン値が正常化した後に血清フェリチン値が改善します。
血清フェリチン値が改善していない状態で治療を中止してしまうと、貯蔵鉄が枯渇しているため、貧血が再発してしまう可能性があります。
再発防止のため、ヘモグロビン値だけでなく、血清フェリチン値の正常化を目指した治療を行うことが重要です。
検査項目
血清
フェリチン
12ng/mL未満 鉄欠乏
25~250ng/mL 正常値
500ng/mL超 鉄過剰
血清フェリチン(鉄貯蔵蛋白)は、体内の貯蔵鉄量の指標として有用であり、鉄欠乏性貧血の治療効果判定に役立ちます。
正常値
貯蔵鉄量の正常範囲:
200~2,000 mg
グラフ「正常値」
日本鉄バイオサイエンス学会 治療指針作成委員会編. 鉄剤の適正使用による貧血治療指針 改訂[第3版]. 響文社. 2015.

鉄欠乏性貧血の
治療について

鉄欠乏性貧血の治療は、原因となっている疾患の治療を行うとともに、
ヘモグロビン値を正常値まで回復させ、さらに貯蔵鉄が回復するまで治療を継続する必要があります。
経口鉄剤
外来患者の場合は、経口療法から始めるのが一般的。
投与終了時期の目安は、経口で貯蔵鉄が回復した時点、すなわち血清フェリチン値が正常化した時点。(経口で5~6ヶ月を要する。)
静注鉄剤
以下の場合は、はじめから静注鉄剤で治療を行う。
重・中等度の貧血の場合
鉄損失が多く経口での鉄補給では間に合わない場合
消化器疾患の場合 など
*鉄欠乏性貧血は治る疾患であり、輸血は不必要である。
日本鉄バイオサイエンス学会 治療指針作成委員会編. 鉄剤の適正使用による貧血治療指針 改訂[第3版]. 響文社. 2015.

静注鉄剤を投与するに
あたって

静注鉄剤は、投与前のヘモグロビン値と体重から必要な鉄量を推測して算出します。
総投与鉄量の計算式(内田らの式) 総投与鉄量の計算式(内田らの式)
内田立身, 他. 臨床血液. 1996; 37(2): 123-128.

鉄補充による貯蔵鉄
回復までの流れ

必要な鉄量を投与することで、赤血球鉄だけでなく、貯蔵鉄も正常化させることができます。
Iron Therapy with Special Emphasis on Intravenous Administration (Uni-Med Science) 2008; p27.

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