対象患者の選択

効能又は効果

肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)

効能又は効果に関連する注意

本剤は、重症又は重症化するおそれのある肝類洞閉塞症候群の治療に使用すること。

投与禁忌の患者及び注意事項

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 出血している患者(脳出血、肺出血、血胸、胃腸出血、吐血、重度の血尿等)[出血を助長するおそれがあります。]
  • 血栓溶解剤〔ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)製剤〈アルテプラーゼ(遺伝子組換え)、モンテプラーゼ(遺伝子組換え)〉〕を投与中の患者

本剤投与前24時間以内は血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤)を投与しないでください。

参考:SOS診断基準

成人SOSの診断基準と重症度分類(動画)

成人SOSのモデル症例の経過とともに診断基準・重症度分類について解説

成人SOSの診断基準と重症度分類(動画)

SOSの診断には一般的にSOSに特徴的な臨床症状や臨床検査値異常を用いた診断基準が用いられます(表1~表3)。

表1. SOSの臨床的診断基準

診断基準名 診断基準 項目
Seattle基準 HSCT 30日後までに、次の項目のうち少なくとも2項目を満たす
  • 黄疸
  • 肝腫大及び右上腹部痛
  • 腹水及び/又は原因不明の体重増加
修正Seattle基準 HSCT 20日後までに、次の項目のうち少なくとも2項目を満たす
  • 高ビリルビン血症(ビリルビン値>2mg/dL)
  • 右上腹部痛を伴う肝腫大
  • 急激な体重増加(>2%)※1
Baltimore基準 HSCT 21日後までに、2mg/dL以上の高ビリルビン血症と次の項目のうち少なくとも2項目を満たす
  • 有痛性肝腫大
  • 腹水
  • 体重増加(≧5%)※2
  • ※1:ベースライン値から2%を超える増加
  • ※2:ベースライン値から5%以上の増加

表2. 欧州造血細胞移植学会(EBMT)による成人SOS診断基準

診断基準 項目
Classical SOS(21日以内の発症) 2mg/dL以上の高ビリルビン血症を認め、次の3項目のうち少なくとも2項目を満たす
  • 有痛性肝腫大
  • 体重増加(>5%)
  • 腹水
Late-onset SOS(21日を超えて発症) 次の3項目のいずれかに該当
  1. ①>21日にclassical SOSの診断基準を満たす
  2. ②組織学的にSOSの診断が確定
  3. ③以下の4項目のうち少なくとも2項目を満たし、頸静脈カテーテル検査や腹部エコーの所見がSOSに合致する
  • ビリルビン≧2mg/dL
  • 有痛性肝腫大
  • 体重増加(>5%)
  • 腹水
  • ※ ベースライン値から5%を超える増加
  • 転載:日本造血細胞移植学会編 造血細胞移植ガイドライン SOS/TA-TMA p.3(2017年)

表3. 欧州造血細胞移植学会(EBMT)による小児SOS診断基準

小児SOSの診断基準と重症度分類(動画)

小児SOSのモデル症例の経過とともに診断基準・重症度分類について解説

小児SOSの診断基準と重症度分類(動画)
診断基準 項目
  • SOS発症までの期間は規定しない
右記5項目のうち少なくとも2項目を満たした場合にSOSと診断する
  • 輸血不応性の血小板減少
  • 利尿薬を使用しているにも関わらず3日連続で体重が増加する又は体重増加>5% ※1
  • 肝腫大 ※2
  • 腹水 ※2
  • 3日連続するビリルビン値の上昇、又は72時間以内に2mg/dL以上に増加する
  • ※1:ベースライン値から5%を超える増加
  • ※2:移植前にエコー、CTあるいはMRIによりベースライン値を決定しておくことが望ましい。
  • Corbacioglu S et al. Bone Marrow Transplant.(2018);53(2):138-145. (https://doi.org/10.1038/bmt.2017.161)
  • ©2018 Corbacioglu S et al. ;Creative Commons Attribution 4.0 International License
  • (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).より日本語訳

参考:SOS重症度分類

欧州造血細胞移植学会(EBMT)による成人SOS重症度分類

  • 6項目中2項目を満たせばその重症度に該当する。
  • 2つ以上の重症度に該当する場合は最も高い重症度を採用する。
  • SOSリスク因子が2つ以上ある場合は、重症度を1つあげる(Mild、Moderateの場合)。
  • MOD/MOFがあればGrade 4とする。
Grade 1 Grade 2 Grade 3 Grade 4 Grade 5
Mild Moderate Severe Very severe
MOD/MOF
Death
症状出現から
診断までの時間
>7日 5~7日 ≦4日 問わない
ビリルビン値
(mg/dL)
≧2 and <3 ≧3 and <5 ≧5 and <8 ≧8
ビリルビン値の変動 48時間以内に倍増
トランスアミナーゼ ≦2×正常値 >2 and
≦5×正常値
>5 and
≦8×正常値
>8×正常値
体重増加 <5% ≧5% and
<10%
≧5% and
<10%
≧10%
腎機能
(クレアチニン)
<1.2
×移植前の値
≧1.2 and
<1.5×移植前の値
≧1.5 and
<2×移植前の値
≧2×移植前の値
もしくは
MOD/MOF
  • MOD/MOF: 多臓器不全
  • 転載: 日本造血細胞移植学会編 造血細胞移植ガイドライン SOS/TA-TMA p.3(2017年)

欧州造⾎細胞移植学会(EBMT)による⼩児SOS重症度分類

  • 2つ以上の重症度に該当する場合は最も高い重症度を採用する。
  • *の項目でGrade 3が2つ以上ある場合は、Grade 4にあげる。
Grade 1 Grade 2 Grade 3 Grade 4
Mild Moderate Severe Very severe
MOD/MOF
肝機能検査値
(ALT、AST、GLDH)
≦2×正常値 >2かつ≦5×正常値 >5×正常値
持続する血小板減少 <3日 3-7日 >7日
ビリルビン値
(mg/dL)
<2 ≧2
腹水 最小度 中等度 穿刺(体外ドレナージ)を必要とする
ビリルビン値の変動 48時間以内に倍増
凝固能 正常値 正常値 凝固異常を示す 凝固因子の補充を
必要とする凝固異常
腎機能(GFR)
(mL/min)
89~60 59~30 29~15 <15
肺機能
(酸素要求量)
<2L/min >2L/min 侵襲的な肺換気(CPAPを含む)
中枢神経系
(CNS)
正常 正常 正常 初発の認知機能障害
  • GLDH: グルタミン酸脱水素酵素  CPAP: 持続的気道陽圧法  MOD/MOF: 多臓器不全
  • Corbacioglu S et al. Bone Marrow Transplant.(2018);53(2):138-145. (https://doi.org/10.1038/bmt.2017.161)
  • ©2018 Corbacioglu S et al. ;Creative Commons Attribution 4.0 International License
  • (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).より日本語訳

国内疫学調査 1)で用いられたSOS重症基準

1)K Yakushijin, et al. Bone Marrow Transplant. 2016; 51: 403-09. 

次のいずれかの項目に該当した場合、重症SOSであると判断していました。

  • 血清クレアチニン値が正常上限の3倍以上になる
  • 透析又は酸素飽和度90%以下
  • 酸素吸入の実施

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