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開発の経緯
デファイテリオ®静注200mg(以下「デファイテリオ」、一般名:デフィブロチドナトリウム)は、1980年代に血栓症関連疾患薬としてGentium社(当時Crinos社)より販売されていた注射剤です。肝類洞閉塞症候群(SOS)患者に対しては、1995年頃から欧米で使用され始め、やがて世界各地のコンパッショネートユースプログラムの下で使用されるようになりました。その後、2013年に欧州で、2016年に米国で、造血幹細胞移植後の多臓器不全を伴う重症SOSの治療剤として承認され、現在、Jazz Pharmaceuticals社(以下、Jazz社:2014年よりGentium社の親会社)により世界35ヵ国で販売されています。なお、SOSの臨床試験に注力するため、血栓症関連疾患における製造販売承認はすべて取り下げられています。
本邦では、SOSを適応とする医薬品はなく、SOSは致死率の高い疾患であることから、日本造血細胞移植学会から「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に対して本剤の開発要望書が提出されました。また、相前後して国内における臨床試験が医師主導により実施されました。一方、2017年3月にJazz社と国内開発ライセンス契約を締結した日本新薬株式会社は、2017年8月に厚生労働省から開発要請を受け、国内外の臨床試験の結果等に基づき2018年10月に医薬品製造販売承認申請を行いました。そして、2019年6月に「肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)」を効能又は効果としてデファイテリオの製造販売が承認されました。
なお、デファイテリオは2019年5月に「肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)」を効能又は効果とした「希少疾病用医薬品」に指定されています。