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フィンテプラ®投与の検討(フィンテプラ®について/投与患者の選択)
dravetlennox

フィンテプラ®について

フィンテプラ®は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないDravet症候群患者及びLennox-Gastaut症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用療法の薬剤です。

作用機序

フィンテプラ®の作用機序は明確ではないものの、 A5-HT1D、5-HT2A、5-HT2C受容体など脳内の特異的セロトニン受容体に対する刺激作用16,17)、並びに Bシグマ-1受容体に対する正のモジュレーター作用を介すると考えられています18,19)

  1. 16)Sourbron J, et al., ACS Chem Neurosci. 2016; 7(5): 588-98
  2. 17)Sourbron J, et al., Front Pharmacol. 2017; 8: 191
  3. 18)In vivo におけるシグマ-1受容体に関する薬理試験
  4. 19)Martin P, et al., Int J Mol Sci. 2021; 22(16): 8416

抗てんかん薬の作用点

抗てんかん薬の作用点

フィンテプラ®の作用機序

フィンテプラ®の作用機序
5-HT受容体:5-HT1D、5-HT2A、5-HT2C、5-HT4
シグマ-1受容体への作用

上記の内容を動画でもご紹介しています。

フィンテプラ作用機序

フィンテプラ®投与患者の選択

本剤の投与により心臓弁膜症及び肺動脈性肺高血圧症を引き起こすおそれがありますので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的な心エコー検査を実施し、循環器を専門とする医師との連携のもと使用してください。

1.投与対象の患者

  • 「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないDravet症候群患者及びLennox-Gastaut症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用療法」を行う患者
    (抗てんかん薬を用いた併用療法は国内においても標準療法であり、本剤の臨床試験では抗てんかん薬を併用しています)

2.投与禁忌の患者(次の患者には投与しないこと)

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与中止後14日以内の患者
    モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤との併用により、セロトニン症候群を発症することがあります。MAO阻害剤を投与中又は投与中止後14日以内の患者には、本剤を投与しないでください。セロトニン症候群が疑われる場合は、直ちに本剤の投与を中止し対症療法を開始してください。

3.特定の背景を有する患者

  • 合併症・既往歴等のある患者
    1. ◇心臓弁膜症又は肺動脈性肺高血圧症患者
      心臓弁膜症又は肺動脈性肺高血圧症が増悪するおそれがあります。
    2. ◇閉塞隅角緑内障患者
      閉塞隅角緑内障の前兆となる瞳孔散大がみられることがあります。治療開始前に、光輪、視野ぼやけ、眼痛の既往歴について患者に確認してください。
  • 肝機能障害患者
    軽度及び中等度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類A及びB)への本剤の投与量の調節は必要ありません。
    重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)には、本剤の投与量を減量することが推奨されます。これらの患者の最大推奨維持用量は1日0.4mg/kgを1日2回に分けて、ただし、1日最大投与量は17mgとしてください。


    軽度、中等度又は重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類A、B又はC)におけるフェンフルラミン0.35mg/kg単回投与の薬物動態を比較した試験では、フェンフルラミンのAUC0-tが正常な健康成人群と比べて、軽度の肝機能障害患者は95%、中等度の肝機能障害患者は113%、重度の肝機能障害患者は185%増加した。フェンフルラミンのCmaxは、肝機能障害患者において16~29%の範囲で増加した。ノルフェンフルラミンの全身曝露量は、肝機能障害患者でAUC0-tが最大18%増加し、Cmaxが最大45%減少した(外国人データ)20)

20)肝機能障害患者における薬物動態の検討

  • 妊婦
    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。生殖発生毒性試験において、ラットでは臨床曝露量の12倍に相当し、母動物毒性が認められた曝露量で胎児奇形(後肢回転異常及び口蓋裂)及び出生児死亡が認められ、ウサギでは臨床曝露量の0.07倍に相当する曝露量(当該試験の最低用量における曝露量)で母動物の体重及び摂量の減少に関連する着床後胚損失率及び吸収胚の増加が認められました。
  • 授乳婦
    治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。ヒト乳汁中へのフェンフルラミン及びその代謝物の移行性、授乳児への影響及び乳汁産生への影響に関するデータはありません。
  • 小児等
    2歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していません。幼若ラットを用いた毒性試験において、臨床曝露量の0.2倍に相当する曝露量(当該試験の最低用量における曝露量)で神経学的影響(自発運動の減少及び学習・記憶障害)が認められました。また、臨床曝露量の1.3倍に相当する曝露量で体重増加量及び摂取量の減少が認められました。
  • 高齢者
    他の疾患や他の治療等を考慮し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。高齢患者への本剤投与に関するデータはありません。

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