Lennox-Gastaut症候群 疾患と診断
Lennox-Gastaut症候群について10-14)
- 10)Scheffer IE, et al., Epilepsia. 2017; 58(4): 512-21
- 11)Arzimanoglou A, et al., Lancet Neurol. 2009; 8(1): 82-93
- 12)Panayiotopoulos CP, Epilepsia. 2005; 46(Suppl 9): 1-6
- 13)van Rijckevorsel K, Neuropsychiatr Dis Treat. 2008; 4(6): 1001-19
- 14)Camfield PR, Epilepsia. 2011; 52(Suppl 5): 3-9
Lennox-Gastaut症候群は小児期に発症する難治性の発達性てんかん性脳症です。発達性てんかん性脳症は、「てんかん性活動そのものが基礎病態単独で予想されるよりも、重度の認知・行動障がいを引き起こす状態」と定義されています。
発症時期は通常生後18ヵ月から8歳の間で、発症時年齢は3~5歳がピークであり、てんかん発作を有する小児の5~10%を占めています。
Lennox-Gastaut症候群は他のてんかん症候群(乳児てんかん性スパズム症候群、早期乳児発達性てんかん性脳症など)から発症することもあり、Lennox-Gastaut症候群への移行過程でも継続して、てんかん性スパズムが認められることがあります。
臨床像は多様であり、18歳以前に発症する複数の薬剤抵抗性のてんかん発作型、脳波(EEG)検査で認められるびまん性遅棘徐波と全般性突発性速波活動、及び知的障がいという3つの症状が特徴的にみられます。中心的な発作は、強直発作、非定型欠神発作、及び脱力発作であり、発作によって重傷を負うことがあります。また、全般強直間代発作、ミオクロニー発作、焦点意識減損発作、てんかん性スパズム、非けいれん性てんかん重積状態等、多くの発作型が認められます。
小児期の死亡率は5%で、発作予後は不良であり、80~90%が成人期まで継続して発作を発現し、発達障がいを伴うこともあります。
Lennox-Gastaut症候群の診断について
Lennox-Gastaut症候群は臨床徴候と典型的な脳波所見に基づいて診断されます。
Lennox-Gastaut症候群の診断基準15)
15)難病情報センター レノックス・ガストー症候群:指定難病144 診断・治療指針(医療従事者向け)(2024年3月現在)
Definite、Probableを対象とする。
A.症状
- 1.発症時期は小児期(主に8歳未満で、3~5歳が最多)。
- 2.複数のてんかん発作型を有すること。
- 3.精神発達遅滞を合併する。
B.発作症状(全般発作であり、焦点発作と混同しない)
- 1.強直発作を有すること。
- 2.非定型欠神発作を有すること、又は有していたこと。
- 3.脱力発作を有すること、又は有していたこと。
C.検査所見
- 1.脳波:睡眠中の速律動(全般性・両側対称性の10~20Hzの速波律動)と、全般性遅棘徐波(2~2.5Hzの棘徐波・鋭徐波)を認める。
- 2.血液・生化学的検査所見・画像検査所見・病理所見は、特異的なものはない。
D.鑑別診断
ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん、非定型良性部分てんかん、徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症、Dravet症候群を鑑別する。
E.遺伝学的検査
遺伝学的検査に特異的なものはない。
<診断のカテゴリー>
- Definite:Aの3項目+Bの3項目+Cの1を満たすもの
- Probable:Aの3項目+Bのうち2項目以上+Cの1を満たし、Dの鑑別すべき疾患を除外したもの
- Possible:Aの3項目+Bのうち1項目以上+Cの1を満たし、Dの鑑別すべき疾患を除外したもの
適正使用ガイド
Dravet症候群患者及びLennox-Gastaut症候群患者における「フィンテプラ®」治療フロー
※フィンテプラ®は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないDravet症候群患者及びLennox-Gastaut症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用療法薬です。
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