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2.試験3(日本人を含めた国際共同第Ⅲ相臨床試験)8, 12)

  1. 8)日本新薬株式会社 社内資料(承認時評価資料):試験3(Dravet症候群患者を対象とした第Ⅲ相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験)
  2. 12)Sullivan J, et al., Epilepsia. 2023; 64(10): 2653-66
  3. COI:本試験はZogenix社の支援により実施された

審査報告書やCTDでは、本剤の用量を「フェンフルラミン塩酸塩」として表記しておりますが、本ページでは、換算係数0.864を用いて有効成分である「フェンフルラミン」として記載しています。

試験概要

目的

小児及び若年成人Dravet症候群患者に対する併用療法としてのフェンフルラミンの有効性及び安全性を確認する。

試験デザイン

多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照試験
[1501試験(北米)及び1502試験(欧州、オーストラリア及び日本)に参加した48施設]

対象

小児及び若年成人Dravet症候群患者143例(日本人13例を含む)

*1例が治験薬投与前に中止

[主な選択基準][主な除外基準]は試験1参照

投与方法

ベースライン期(6週間)終了後、適格患者をフェンフルラミンの2用量[0.2mg/kg/日又は0.7mg/kg/日、最高用量26mg/日]又はプラセボのいずれかに1:1:1の比で無作為化した(年齢6歳未満、6歳以上で層別)。
フェンフルラミン1.1、2.2又は4.3mg/mLを含有する経口液剤を用いた。
投与期間は漸増期(T期)2週間及び維持期(M期)12週間の合計14週間(漸減/移行期2週間を含め、最長約16週間)であった。

二重盲検期間の投与スケジュール

二重盲検期間の投与スケジュール

非盲検継続試験に移行しなかった患者は8日間かけて盲検下で漸減し、非盲検継続試験に移行した患者は維持期後の2週間に二重盲検下で非盲検継続試験の開始用量0.2mg/kg/日に切り替えた。

有効性評価項目

  1. (1)主要評価項目
    • T+M期の平均痙攣発作回数(28日間あたり)のベースラインからの変化
      (フェンフルラミン0.7mg/kg/日群とプラセボ群との比較)[検証的な解析項目]
  2. (2)重要な副次評価項目
    • T+M期の平均痙攣発作回数(28日間あたり)のベースラインからの変化
      (フェンフルラミン0.2mg/kg/日群とプラセボ群との比較)
    • 50%以上レスポンダー率
    • T+M期の痙攣発作の最長無発作期間

安全性評価項目

有害事象、臨床検査、バイタルサイン 等

解析計画

  1. (1)解析対象集団
    安全性解析対象集団:

    無作為化され、フェンフルラミン又はプラセボを1回以上投与された患者142例。
    すべての安全性評価項目の解析に用い、無作為化された投与群別に解析した。

    有効性解析対象集団:

    無作為化され、フェンフルラミン又はプラセボを1回以上投与された患者のうち、1週間以上の日誌記録を有する患者142例(mITT集団)。すべての有効性評価項目の解析に用い、無作為化された投与群別に解析した。

  2. (2)有効性

    主要評価項目及び重要な副次評価項目の解析は、第一種の過誤確率をα=0.05に制御するためシリアルゲートキーピング法を用い、下図の通り上位の検定が有意となった場合に続く下位の検定を行うこととした(有意水準α=0.05)。
    T+M期の平均痙攣発作回数(28日間あたり)のベースラインからの変化は、投与群及び年齢グループ(6歳未満、6歳以上)を因子、ベースライン期の28日間あたりの痙攣発作回数の対数変換値を共変量、T+M期の28日間あたりの痙攣発作回数の対数変換値を反応変数としたパラメトリック共分散分析(ANCOVA)モデルを用いて解析し、各フェンフルラミン群とプラセボ群を比較した。
    50%以上レスポンダー率(痙攣発作回数がベースラインから50%以上減少した患者割合)は、投与群、年齢グループ(6歳未満、6歳以上)及びベースライン期の痙攣発作回数の関数としてカテゴリー応答変数(50%減少達成又は未達成)をモデル化したロジスティック回帰により解析した(各フェンフルラミン群で別々のロジスティック回帰モデルを使用してプラセボ群と比較)。
    痙攣発作の最長無発作期間は、Hodges-Lehmann法を用いて群間差の中央値と95%CIを推定し、Wilcoxon順位和検定を用いて各フェンフルラミン群とプラセボ群を比較した。

    有効性評価項目の検定手順

    有効性評価項目の検定手順
  3. (3)安全性

    T+M期の治験薬投与下で発現した有害事象を投与群別に解析した。

患者背景

ベースラインのmITT集団
フェンフルラミン
0.7mg/kg/日群
(n=48) 
フェンフルラミン
0.2mg/kg/日群
(n=46) 
プラセボ群
(n=48)
合計
(n=142)
年齢(歳)
 平均値(SD)

9.4(5.3)

9.6(4.4)

9.0(4.3)

9.3(4.7)

年齢n(%)
 6歳未満

13(27.1)

12(26.1)

11(22.9)

36(25.4)

 6歳以上

35(72.9)

34(73.9)

37(77.1)

106(74.6)

性別n(%)
 男性

22(45.8)

24(52.2)

27(56.3)

73(51.4)

 女性

26(54.2)

22(47.8)

21(43.8)

69(48.6)

人種n(%)
 白人

33(68.8)

37(80.4)

36(75.0)

106(74.6)

 黒人又はアフリカ系米国人

1(2.1)

1(2.2)

0

2(1.4)

 アジア人

8(16.7)

5(10.9)

7(14.6)

20(14.1)

 [うち日本人]

[6(12.5)]

[2(4.3)]

[5(10.4)]

[13(9.2)]

 その他・不明

6(12.5)

3(6.5)

5(10.4)

14(9.9)

BMI(kg/m2
 平均値(SD)

17.7(3.6)

18.3(4.5)

19.5(4.3)

18.5(4.2)

痙攣発作回数(28日間あたり)(全体)
 平均値 96.4 67.7 24.5
 中央値 13.0 18.0 12.7
 (最小値, 最大値) (2.7, 2700.7) (4.0, 1464.0) (4.0, 229.3)
痙攣発作回数(28日間あたり)(日本人)
 平均値 17.0 62.0 21.5
 中央値 9.3 62.9 12.0
 (最小値, 最大値) (4.7, 38.7) (6.0, 118.0) (5.3, 70.0)

SD:標準偏差、BMI:Body Mass Index[体重(kg)/身長(m)2

抗てんかん薬の併用状況と全体の25%以上の患者が併用していた薬剤
フェンフルラミン
0.7mg/kg/日群
(n=48)
フェンフルラミン
0.2mg/kg/日群
(n=46)
プラセボ群
(n=48)
合計
(n=142)
抗てんかん薬の併用数
 1種類

8(16.7)

8(17.4)

7(14.6)

23(16.2)

 2種類

16(33.3)

19(41.3)

19(39.6)

54(38.0)

 3種類

17(35.4)

12(26.1)

13(27.1)

42(29.6)

 4種類

5(10.4)

6(13.0)

9(18.8)

20(14.1)

 5種類

2(4.2)

0

0

2(1.4)

 6種類

0

1(2.2)

0

1(0.7)

クロバザム

29(60.4)

19(41.3)

32(66.7)

80(56.3)

バルプロ酸

16(33.3)

13(28.3)

18(37.5)

47(33.1)

レベチラセタム

13(27.1)

14(30.4)

13(27.1)

40(28.2)

トピラマート

15(31.3)

10(21.7)

13(27.1)

38(26.8)

データ表示方法:例数(%)

有効性

  1. ①T+M期の平均痙攣発作回数(28日間あたり)のベースラインからの変化 vs. プラセボ群
    (主要評価項目、重要な副次評価項目)

    T+M期における平均痙攣発作回数のベースラインからの変化率は、プラセボ群と比較して、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で-64.8%(95%CI:-74.2, -51.9)(主要評価項目)であり、プラセボ群に対する優越性が検証された(p<0.0001、ANCOVA)(検証的解析結果)。0.2mg/kg/日群ではプラセボ群と比較して-49.9%(95%CI:-63.4, -31.3)(重要な副次評価項目)であった(p<0.0001、ANCOVA)。

T+M期における平均痙攣発作回数のベースラインからの変化率 vs. プラセボ群(mITT集団)

T+M期における平均痙攣発作回数のベースラインからの変化率 vs. プラセボ群(mITT集団)
フェンフルラミン
0.7mg/kg/日群 (n=48)
[主要評価項目]
フェンフルラミン
0.2mg/kg/日群(n=46)
[重要な副次評価項目]
プラセボ群
(n=48)
痙攣発作回数(28日間あたり)
:LS Mean
6.4 9.2 18.3
痙攣発作回数の変化量
:中央値
-8.2 -5.1 -0.9
痙攣発作回数の変化率
vs プラセボ群
(95%CI)a 
-64.8%(-74.2, -51.9) -49.9%(-63.4, -31.3)
p値b vs プラセボ群 <0.0001 <0.0001

T+M期:漸増期(T期)2週間及び維持期(M期)12週間の合計14週間、LS Mean:最小二乗平均値、CI:信頼区間

  1. a:100×[1-exp(ANCOVAモデルに基づく対数変換した T+M 期の28日間あたりの痙攣発作回数の最小二乗平均値の群間差)]により算出した。
  2. b:投与群及び年齢グループ(6歳未満、6歳以上)を因子、ベースライン期の28日間あたりの痙攣発作回数の対数変換値を共変量、T+M期の28日間あたりの痙攣発作回数の対数変換値を反応変数としたANCOVAモデルにより解析した。
    なお、解析前に、ベースライン期、T+M期及びM期の値は対数変換した(対数が0になるのを避けるため、対数変換前にT+M期及びM期の値に1を足した)。
  1. ②50%以上レスポンダー率(重要な副次評価項目)
    痙攣発作回数がベースラインから50%以上減少した患者割合は、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で72.9%、0.2mg/kg/日群で45.7%、プラセボ群で6.3%であり、フェンフルラミンのいずれの用量群でもプラセボ群と比較して有意に高かった(0.7mg/kg/日群:p<0.0001、0.2mg/kg/日群:p=0.0001、ロジスティック回帰モデル)。

痙攣発作回数がベースラインから50%以上減少した患者割合(mITT集団)

痙攣発作回数がベースラインから50%以上減少した患者割合(mITT集団)
フェンフルラミン
0.7mg/kg/日群
(n=48)
フェンフルラミン
0.2mg/kg/日群
(n=46)
プラセボ群
(n=48)
痙攣発作回数が
ベースラインから
50%以上
減少した患者割合
72.9% 45.7% 6.3%
オッズ比(95%CI) 53.3(12.9, 220.5) 13.4(3.6, 49.8)
p値a vs プラセボ群 <0.0001 0.0001

CI:信頼区間

  1. a:投与群、年齢グループ(6歳未満、6歳以上)及びベースライン期の痙攣発作回数の関数としてカテゴリー応答変数(50%減少達成又は未達成)をモデル化したロジスティック回帰により解析した(各フェンフルラミン群で別々のロジスティック回帰モデルを使用)。
  1. ③T+M期の痙攣発作の最長無発作期間(重要な副次評価項目)
    最長無発作期間の日数(中央値)は、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で30.0日、0.2mg/kg/日群で18.5日、プラセボ群で10.0日であり、フェンフルラミンのいずれの用量群でもプラセボ群と比較して有意に長かった(0.7mg/kg/日群:p<0.0001、0.2mg/kg/日群:p=0.0002、Wilcoxon順位和検定)。

痙攣発作の最長無発作期間(mITT集団)

痙攣発作の最長無発作期間(mITT集団)
フェンフルラミン
0.7mg/kg/日群
(n=48)
フェンフルラミン
0.2mg/kg/日群
(n=46)
プラセボ群
(n=48)
痙攣発作の最長無発作期間
:中央値(最小値, 最大値)
30.0日(2.0, 104.0) 18.5日(2.0, 100.0) 10.0日(2.0, 65.0)
群間差中央値の推定値
(群間差の95%CI)a
23.5(9.0, 38.0) 7.5(4.0, 11.0)
p値b vs プラセボ群 <0.0001 0.0002

CI:信頼区間
a:Hodges-Lehmannによる群間差の推定値に基づく。
b:Wilcoxon順位和検定

安全性

  1. ①有害事象
    有害事象の発現率は、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で91.7%(44/48例)、0.2mg/kg/日群で91.3%(42/46例)、プラセボ群で83.3%(40/48例)であり、主な有害事象は下記の通りであった。
主な有害事象(いずれかの群で発現率が10%以上の事象を抜粋)
フェンフルラミン
0.7mg/kg/日群
(n=48)
フェンフルラミン
0.2mg/kg/日群
(n=46)
プラセボ群
(n=48)
発現例数

44(91.7)

42(91.3)

40(83.3)

事象名
食欲減退

18(37.5)

12(26.1)

3(6.3)

傾眠

10(20.8)

5(10.9)

5(10.4)

発熱

9(18.8)

5(10.9)

4(8.3)

血中ブドウ糖減少

8(16.7)

11(23.9)

6(12.5)

心エコー像異常注)

8(16.7)

11(23.9)

5(10.4)

下痢

7(14.6)

7(15.2)

4(8.3)

振戦

6(12.5)

1(2.2)

1(2.1)

疲労

5(10.4)

3(6.5)

1(2.1)

鼻咽頭炎

1(2.1)

4(8.7)

5(10.4)

データ表記方法:例数(%)
注)病理的ではなく、生理的と考えられる微量及び軽度の僧帽弁逆流並びに微量の大動脈弁逆流。

重篤な有害事象は、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で3例(水痘、各種物質毒性、肝酵素上昇が各1例)、0.2mg/kg/日群で3例(胃腸炎、頭蓋骨骨折、痙攣発作、てんかん重積状態、呼吸窮迫が各1例)、プラセボ群で2例(てんかんにおける原因不明の突然死、ウイルス性胃腸炎、下気道感染、痙攣発作)であった。
投与中止に至った有害事象は、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で2例(水痘、傾眠が各1例)、0.2mg/kg/日群で1例(心エコー像異常)、プラセボ群で1例(心エコー像異常)であった。
死亡に至った有害事象は、フェンフルラミン投与群で0例、プラセボ群で1例(てんかんにおける原因不明の突然死)であった。

  1. ②副作用
    副作用(治験薬との因果関係のある有害事象)の発現率は、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で66.7%(32/48例)、0.2mg/kg/日群で47.8%(22/46例)、プラセボ群で35.4%(17/48例)であり、主な副作用は下記の通りであった。
主な副作用(いずれかの群で発現率が10%以上の事象を抜粋)
フェンフルラミン
0.7mg/kg/日群
(n=48)
フェンフルラミン
0.2mg/kg/日群
(n=46)
プラセボ群
(n=48)
発現例数

32(66.7)

22(47.8)

17(35.4)

事象名
食欲減退

17(35.4)

10(21.7)

3(6.3)

傾眠

10(20.8)

4(8.7)

5(10.4)

心エコー像異常注)

5(10.4)

6(13.0)

2(4.2)

疲労

5(10.4)

3(6.5)

1(2.1)

下痢

3(6.3)

5(10.9)

2(4.2)

データ表記方法:例数(%)
注)病理的ではなく、生理的と考えられる微量及び軽度の僧帽弁逆流並びに微量の大動脈弁逆流。

重篤な副作用は、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で1例(肝酵素上昇)、0.2mg/kg/日群で0例、プラセボ群で0例であった。
投与中止に至った副作用は、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群で1例(傾眠)、0.2mg/kg/日群で0例、プラセボ群で1例(心エコー像異常)であった。
死亡に至った副作用はなかった。

MedDRA version 19.0

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