ガザイバのCLL適応追加の根拠となったELEVATE-TN試験について動画で紹介しています。
[ 掲載 2023.01.27 ]
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出典:
1) 承認時評価資料:海外第Ⅲ相比較試験(ACE-CL-007試験)
2) Sharman JP, et al.: Lancet 395: 1278(2020)(承認時評価資料)
[利益相反:本文献は中外製薬株式会社、F. Hoffmann-La Roche社から資金提供を受けた著者が含まれる。]
「効能又は効果、用法及び用量、警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については電子添文をご参照ください。
目的
未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者を対象にガザイバ+アカラブルチニブ併用(G-A)療法、ガザイバ+クロラムブシル*1併用(G-C)療法、及びアカラブルチニブ単独(Acala)の有効性及び安全性を検討する。
*1 クロラムブシルは国内未承認。
対象
未治療のCD20陽性CLL患者535例(有効性評価対象:ITT集団*2535例、安全性評価対象*3526例)
*2 ランダム化された全患者をITT集団と定義した。
*3 治験薬の投与を受けた全患者からなる集団を安全性評価対象集団と定義した。
方法
患者をG-A療法群、Acala群、G-C療法群に割り付けた[割付因子:17p欠失の有無、ECOG PS、地域]。
評価項目
主要評価項目:無増悪生存期間(PFS)*4(独立評価委員会[IRC評価])(G-A療法群とG-C療法群の比較)
副次的評価項目:PFS(IRC評価)(Acala群とG-C療法群の比較)
最良総合効果に基づく全奏効割合(ORR)*5(IRC評価)
全生存期間(OS)(いずれもG-A療法群とG-C療法群及びAcala群とG-C療法群の比較)等
安全性評価項目:安全性等
*4 CLLに関するIWCLL 2008ガイドライン12)及びその改定版13)の基準に基づき、IRC評価によるPFSはランダム化からIRC評価によるPD又は原因を問わない死亡のいずれか早い時点までの期間と定義した。
*5 CLLに関するIWCLL 2008ガイドライン12)及びその改定版13)の基準に基づき、評価した。
解析計画
<主要評価項目>
<副次的評価項目>
患者背景(ITT集団)
G-A療法群 (n=179) |
Acala群 (n=179) |
G-C療法群 (n=177) |
|
---|---|---|---|
年齢中央値、歳(範囲) | 70(41-88) |
70(44-87) |
71(46-91) |
性別 | |||
男性 | 111(62.0%) |
111(62.0%) |
106(59.9%) |
女性 | 68(38.0%) |
68(38.0%) |
71(40.1%) |
ECOG PS | |||
0-1 |
169(94.4%) |
165(92.2%) |
167(94.4%) |
2 |
10(5.6%) |
14(7.8%) |
10(5.6%) |
診断からランダム化までの期間 中央値、月(範囲) |
30.5(0.4-284.5) |
24.4(0.4-242.6) |
30.7(0.3-247.0) |
巨大腫瘤病変(≧5cm) |
|||
あり | 46(25.7%) |
68(38.0%) |
55(31.1%) |
なし | 131(73.2%) |
107(59.8%) |
116(65.5%) |
病期分類(Rai分類) |
|||
0 | 3(1.7%) |
0 |
1(0.6%) |
Ⅰ | 54(30.2%) |
48(26.8%) |
50(28.2%) |
Ⅱ | 36(20.1%) |
44(24.6%) |
48(27.1%) |
Ⅲ | 48(26.8%) |
50(27.9%) |
40(22.6%) |
Ⅳ | 38(21.2%) |
37(20.7%) |
38(21.5%) |
17p欠失 | |||
あり | 17(9.5%) |
16(8.9%) |
16(9.0%) |
なし | 162(90.5%) |
163(91.1%) |
160(90.4%) |
11q欠失 | |||
あり | 31(17.3%) |
31(17.3%) |
33(18.6%) |
なし | 148(82.7%) |
148(82.7%) |
143(80.8%) |
IGHV変異 | |||
あり | 74(41.3%) |
58(32.4%) |
59(33.3%) |
なし | 103(57.5%) |
119(66.5%) |
116(65.5%) |
TP53変異 | |||
あり | 21(11.7%) |
19(10.6%) |
21(11.9%) |
なし | 158(88.3%) |
160(89.4%) |
155(87.6%) |
17p欠失あり、TP53変異あり、11q欠失あり、IGHV変異なし | |||
いずれかに該当 | 117(65.4%) |
129(72.1%) |
129(72.9%) |
該当なし | 62(34.6%) |
50(27.9%) |
48(27.1%) |
β2-ミクログロブリン(β2MG) |
|||
3.5 mg/L |
132(73.7%) |
140(78.2%) |
132(74.6%) |
3.5 mg/L |
44(24.6%) |
38(21.2%) |
42(23.7%) |
不明 | 3(1.7%) |
1(0.6%) |
3(1.7%) |
血球減少 | |||
好中球絶対数 ≦1.5×109/L |
9(5.0%) |
10(5.6%) |
5(2.8%) |
ヘモグロビン値 ≦11 g/dL |
67(37.4%) |
68(38.0%) |
69(39.0%) |
血小板数 ≦100×109/L |
44(24.6%) |
33(18.4%) |
34(19.2%) |
上記全て | 2(1.1%) |
2(1.1%) |
2(1.1%) |
上記いずれか | 93(52.0%) |
85(47.5%) |
77(43.5%) |
全身症状 | |||
体重減少 | 19(10.6%) |
26(14.5%) |
23(13.0%) |
発熱 | 9(5.0%) |
8(4.5%) |
2(1.1%) |
寝汗 | 79(44.1%) |
82(45.8%) |
71(40.1%) |
疲労 | 29(16.2%) |
36(20.1%) |
26(14.7%) |
上記いずれか | 96(53.6%) |
104(58.1%) |
88(49.7%) |
観察期間中央値は、G-A療法群が28.5ヵ月、Acala群が28.4ヵ月、G-C療法群が28.0ヵ月であった。
イベント数は、G-A療法群が14件(7.8%)、Acala群が26件(14.5%)、G-C療法群が93件(52.5%)であった。
PFS中央値は、G-A療法群で未到達(95%CI:推定不能)、Acala群で未到達(95%CI:34.2ヵ月-推定不能)、G-C療法群で22.6ヵ月(95%CI:20.2-27.6ヵ月)であった。
主要評価項目であるG-A療法群とG-C療法群の比較ではIRC評価によるPFSにおいて優越性が検証された(層別*1ハザード比:0.10[95%CI:0.06-0.17]、p<0.0001*2、層別*1Log-rank検定)。
また、副次的評価項目であるAcala群とG-C療法群の比較でもIRC評価によるPFSの有意な延長が認められた(層別*1ハザード比:0.20[95%CI:0.13-0.30]、p<0.0001*2、層別*1Log-rank検定)。
PFSのKaplan-Meier曲線:2019年2月8日データカットオフ
*1 層別因子:17p欠失の有無
*2 両側有意水準:0.012
IRC評価によるORR*1は、G-A療法群及びG-C療法群でそれぞれ93.9%(95%CI:89.3-96.5%)及び78.5%(95%CI:71.9-83.9%)で、群間差(15.3%[95%CI:8.3-22.3%])は有意であった(p<0.0001、CMH検定*2)。Acala群におけるIRC評価によるORRは85.5%(95%CI:79.6-89.9%)であった(p=0.0763 vs G-C療法群、CMH検定*2)。
*1 「ORR」はCR、CRi、PR、nPRを合計した。
*2 層別因子:17p欠失の有無
*3 「CRi; 骨髄回復が不完全なCR」(G-A療法群 1例)を含む。
*4 「nPR; 結節性PR」(G-A療法群 1例、Acala群 2例、G-C療法群 3例)、「PRL; リンパ球増加を伴うPR」(Acala群 2例)を含む。
*5 「不明」は、「評価不能例」(治験薬未投与)、「評価可能病変なし」、及び「Not Applicable」であったが、いずれかの時点のIRC評価が「PR」であった17例を含む。
観察期間中央値は、G-A療法群、G-C療法群がそれぞれ28.5ヵ月、28.0ヵ月で、イベント数はG-A療法群が9件(5.0%)、G-C療法群が17件(9.6%)であった。
いずれの群においてもOS中央値は未到達であった(層別*2ハザード比:0.47[95%CI:0.21-1.06])。
*2 層別因子:17p欠失の有無
OSのKaplan-Meier曲線:2019年2月8日データカットオフ
安全性結果の概要
G-A療法群 (n=178) |
Acala群 (n=179) |
G-C療法群 (n=169) |
|
---|---|---|---|
発現例数 | 171(96.1%) |
170(95.0%) |
167(98.8%) |
Grade 3以上の有害事象*1 | 125(70.2%) |
89(49.7%) |
118(69.8%) |
重篤な有害事象*2 | 69(38.8%) |
57(31.8%) |
37(21.9%) |
いずれかの治験薬*3の 投与中止に至った有害事象 |
23(12.9%) |
17(9.5%) |
26(15.4%) |
死亡に至った有害事象 | 5(2.8%) |
6(3.4%) |
4(2.4%) |
主な有害事象(いずれかの群で20%以上)
G-A療法群 (n=178) |
Acala群 (n=179) |
G-C療法群 (n=169) |
|
---|---|---|---|
発現例数 | 171(96.1%) |
170(95.0%) |
167(98.8%) |
頭痛 | 71(39.9%) |
66(36.9%) |
20(11.8%) |
下痢 | 69(38.8%) |
62(34.6%) |
36(21.3%) |
好中球減少症 | 56(31.5%) |
19(10.6%) |
76(45.0%) |
疲労 | 50(28.1%) |
33(18.4%) |
29(17.2%) |
挫傷 | 42(23.6%) |
27(15.1%) |
7(4.1%) |
咳嗽 | 39(21.9%) |
33(18.4%) |
15(8.9%) |
関節痛 | 39(21.9%) |
28(15.6%) |
8(4.7%) |
上気道感染 | 38(21.3%) |
33(18.4%) |
14(8.3%) |
悪心 | 36(20.2%) |
40(22.3%) |
53(31.4%) |
注入に伴う反応 | 24(13.5%) |
0 |
67(39.6%) |
発熱 | 23(12.9%) |
12(6.7%) |
35(20.7%) |
集計に用いた用語はMedDRA v21.1に準じた。
主な重篤な有害事象*2(いずれかの群で3例以上)
G-A療法群 (n=178) |
Acala群 (n=179) |
G-C療法群 (n=169) |
|
---|---|---|---|
発現例数 | 69(38.8%) |
57(31.8%) |
37(21.9%) |
肺炎 | 12(6.7%) |
5(2.8%) |
3(1.8%) |
注入に伴う反応 | 4(2.2%) |
0 |
2(1.2%) |
貧血 | 3(1.7%) |
4(2.2%) |
0 |
発熱性好中球減少症 | 3(1.7%) |
2(1.1%) |
7(4.1%) |
尿路性敗血症 | 3(1.7%) |
0 |
0 |
尿路感染 | 2(1.1%) |
3(1.7%) |
0 |
急性心筋梗塞 | 1(0.6%) |
3(1.7%) |
1(0.6%) |
腫瘍崩壊症候群 | 1(0.6%) |
0 |
8(4.7%) |
呼吸困難 | 0 |
3(1.7%) |
1(0.6%) |
集計に用いた用語はMedDRA v21.1に準じた。
*1 GradeはNCI-CTCAE v4.03に準じた。
*2 重篤な有害事象は、死に至るもの、直ちに生命を脅かすもの、治療のため入院又は入院加療期間の延長が必要となるもの、永続的又は顕著な障害・機能不全に陥るもの、すなわち日常生活に支障を来す程度の機能不全に至るもの、先天異常/先天性欠損を来すもの、被験者を危険にさらす可能性がある又は上記のような転帰を回避するために医学的処置が必要となる重大な医学的事象と定義した。
*3 ガザイバ、アカラブルチニブ又はクロラムブシル
いずれかの治験薬*1の投与中止に至った主な有害事象(いずれかの群で2例以上)
G-A療法群 (n=178) |
Acala群 (n=179) |
G-C療法群 (n=169) |
|
---|---|---|---|
発現例数 | 23(12.9%) |
17(9.5%) |
26(15.4%) |
好中球減少症 | 2(1.1%) |
0 |
11(6.5%) |
注入に伴う反応 | 2(1.1%) |
0 |
2(1.2%) |
敗血症 | 2(1.1%) |
0 |
1(0.6%) |
B型肝炎再活性化 | 2(1.1%) |
0 |
0 |
血小板減少症 | 1(0.6%) |
1(0.6%) |
2(1.2%) |
上気道感染 | 0 |
0 |
2(1.2%) |
集計に用いた用語はMedDRA v21.1に準じた。
死亡に至った有害事象
G-A療法群 (n=178) |
Acala群 (n=179) |
G-C療法群 (n=169) |
|
---|---|---|---|
発現例数 | 5(2.8%) |
6(3.4%) |
4(2.4%) |
敗血症 | 2(1.1%) |
0 |
0 |
胃癌(Stage IV) |
1(0.6%) |
0 |
0 |
肺炎 | 1(0.6%) |
0 |
0 |
骨転移 | 1(0.6%)*2 |
0 |
0 |
気管支肺アスペルギルス症 | 0 |
1(0.6%) |
0 |
発熱性好中球減少症 | 0 |
1(0.6%) |
0 |
甲状腺腫 | 0 |
1(0.6%)*3 |
0 |
筋炎 | 0 |
1(0.6%) |
0 |
パーキンソン病 | 0 |
1(0.6%) |
0 |
敗血症性ショック | 0 |
1(0.6%) |
0 |
急性骨髄単球性白血病 | 0 |
0 |
1(0.6%) |
細菌性敗血症 | 0 |
0 |
1(0.6%) |
心停止 | 0 |
0 |
1(0.6%) |
肺腺癌 | 0 |
0 |
1(0.6%) |
集計に用いた用語はMedDRA v21.1に準じた。
*1 ガザイバ、アカラブルチニブ又はクロラムブシル
*2 骨への転移は前立腺癌の再発によるもので、データカットオフ後に死亡した。
*3 多結節性甲状腺腫の手術による合併症は、気管切開、心肺停止、ショック、及び呼吸不全を引き起こし、死因は「その他」として報告された。
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