ガザイバの投与時間短縮投与(SDI)の根拠となったGAZELLE試験について動画でご紹介します。
[ 掲載 2023.12.20 ]
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「効能又は効果、用法及び用量、警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については電子添文をご参照ください。
出典:
1) 電子添文改訂時の評価資料:国際共同第IV相試験(MO40597試験)
目的
未治療の濾胞性リンパ腫(FL)患者を対象に、ガザイバと化学療法の併用下において、サイクル2以降にガザイバの投与時間短縮投与(Short Duration Infusion:SDI)[目標投与時間:90分]を実施した際の安全性及び有効性を評価する。
対象
未治療のFL患者114例(安全性評価対象集団*1113例、SDI集団*299例)
*1 ガザイバを1回以上投与した全患者を安全性評価対象集団と定義した。
*2 ガザイバを標準点滴速度で投与したサイクル1でGrade3以上のinfusion reactionが発現せず、サイクル2でガザイバのSDIを実施した全患者をSDI集団と定義した。
方法
<導入療法>
サイクル1では、試験計画時に承認されていた用法及び用量通りにガザイバ(1,000mg)を標準点滴速度で3回(1、8及び15日目)投与した。サイクル1でGrade 3以上のinfusion reaction*1が発現しなかった患者は、サイクル2以降は90分での投与を目標としたSDI(ガザイバを100mg/時で30分間点滴した後、最大900mg/時で点滴)に移行し、サイクル2の1日目からガザイバのSDIを実施した。サイクル1でGrade 3のinfusion reactionが発現した患者は本治験への参加を継続するが、サイクル2ではガザイバを標準点滴速度で投与した。このサイクル2でGrade 3以上のinfusion reactionが発現しなかった患者は、治験責任医師又は治験分担医師の判断で、サイクル3以降はガザイバのSDIを実施できることとした。SDI中にGrade 3のinfusion reactionが初めて発現した場合は、点滴中断及びinfusion reaction治療の後にGrade 3のinfusion reactionが回復し、その後点滴再開後にinfusion reaction症状が再び発現しない限り、その時点のサイクル及び以降のサイクルでSDIを継続できることとした。投与速度にかかわらず、同じ患者でGrade 3のinfusion reactionが再度発現した場合、ガザイバの投与を永久に中止した。併用する化学療法レジメンは、CHOP療法、CVP療法、ベンダムスチンのいずれかとした*2。
<維持療法>
ガザイバ(1,000mg)単剤を8週(±10日)ごとに2年間又はPDが認められるまで投与した。
評価項目
主要評価項目:
サイクル2におけるGrade 3以上のinfusion reaction発現割合及び重症度(SDI集団)
副次的評価項目:
Infusion reactionの症状(安全性評価対象集団)、サイクル別のinfusion reaction発現割合(安全性評価対象集団)、サイクル別のガザイバ投与時間(安全性評価対象集団)、導入療法終了時の全奏効割合(ORR)
(安全性評価対象集団)など
解析計画
本試験において統計的仮説検定は実施していない。
<主要評価項目及び副次的評価項目の統計解析>
<サブグループ解析>
*1 Infusion reactionは、治験薬の投与中又は投与終了後24時間以内に発現した有害事象のうち、治験薬の投与(導入療法期間のガザイバ又はいずれかの化学療法及び維持療法期間のガザイバ単剤)に関連すると治験責任医師又は治験分担医師が判断したすべての有害事象と定義した。
*2 各患者でガザイバと併用する化学療法(CHOP療法、CVP療法又はベンダムスチン)は、治験責任医師又は治験分担医師が自由に選択した。
*3 シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2及びビンクリスチン1.4mg/m2(最大2mg)を各サイクルの1日目に投与し、プレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロン100mg又はメチルプレドニゾロン80mgを各サイクルの1日目~5日目に投与。
*4 シクロホスファミド750mg/m2及びビンクリスチン1.4mg/m2(最大2mg)を各サイクルの1日目に投与し、プレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロン100mg又はメチルプレドニゾロン80mgを各サイクルの1日目~5日目に投与。
*5 ベンダムスチン90mg/m2を各サイクルの1日目及び2日目に投与。
*6 抗腫瘍効果は、「非ホジキンリンパ腫のLugano治療効果判定基準(2014年)」1)、国際ワーキンググループ(IWG:International Working Group)の「非ホジキンリンパ腫効果判定規準(1999年)」2)及び「悪性リンパ腫効果判定基準(2007年改訂版)」3)に基づき評価した。
1)Cheson BD, et al.: J Clin Oncol 32: 3059(2014)
2)Cheson BD, et al.: J Clin Oncol 17: 1244(1999)
3)Cheson BD, et al.: J Clin Oncol 25: 579(2007)
患者背景
安全性評価対象集団(n=113) | SDI集団 (n=99) | 日本人集団*1 (n=27) | |
---|---|---|---|
年齢中央値、歳(範囲) |
62.0 (28-86) |
62.0 (28-86) |
62.0 (45-75) |
性別 | |||
男性 |
57(50.4%) |
48(48.5%) |
11(40.7%) |
女性 |
56(49.6%) |
51(51.5%) |
16(59.3%) |
ECOG PS | |||
0 |
80(70.8%) |
70(70.7%) |
23(85.2%) |
1 |
33(29.2%) |
29(29.3%) |
4(14.8%) |
2 | 0 |
0 |
0 |
診断時所見*2 | |||
巨大腫瘤病変(>7cm)あり |
51(45.1%) |
47(47.5%) |
14(51.9%) |
局所症状又は臓器機能の低下 |
33(29.2%) |
27(27.3%) |
3(11.1%) |
B症状あり |
30(26.5%) |
24(24.2%) |
0 |
節外病変あり |
14(12.4%) |
10(10.1%) |
2(7.4%) |
リンパ腫による細胞球減少症 |
6(5.3%) |
3(3.0%) |
0 |
節性病変領域数≧3 |
46(40.7%) |
42(42.4%) |
15(55.6%) |
脾臓肥大あり |
9(8.0%) |
6(6.1%) |
0 |
病期(Ann Arbor分類) | |||
Ⅱ |
9(8.0%) |
9(9.1%) |
2(7.4%) |
Ⅲ |
34(30.1%) |
34(34.3%) |
7(25.9%) |
Ⅳ |
70(61.9%) |
56(56.6%) |
18(66.7%) |
FLIPI | |||
Low(0-1) |
21(18.6%) |
20(20.2%) |
7(25.9%) |
Intermediate(2) |
41(36.3%) |
35(35.4%) |
10(37.0%) |
High(3-5) |
51(45.1%) |
44(44.4%) |
10(37.0%) |
FLIPI2*3 | |||
Low(0) |
4(3.8%) |
4(4.3%) |
1(3.7%) |
Intermediate(1-2) |
58(54.7%) |
50(54.3%) |
11(40.7%) |
High(3-5) |
44(41.5%) |
38(41.3%) |
15(55.6%) |
節外病変 | |||
あり |
28(24.8%) |
20(20.2%) |
7(25.9%) |
なし |
4(3.5%) |
4(4.0%) |
1(3.7%) |
不明 |
81(71.7%) |
75(75.8%) |
19(70.4%) |
ベースライン時のB症状 | |||
あり |
58(51.3%) |
50(50.5%) |
18(66.7%) |
なし |
55(48.7%) |
49(49.5%) |
9(33.3%) |
血清LDH値(U/L)*4 | |||
中央値(範囲) |
211.0 (104.0-768.0) |
207.0 (104.0-768.0) |
196.0 (128.0-559.0) |
ヘモグロビン値(g/L) | |||
中央値(範囲) |
133.0 (74.0-172.0) |
134.0 (74.0-172.0) |
130.0 (111.0-164.0) |
β2ミクログロブリン値(mg/L)*5 | |||
中央値(範囲) |
2.3 (1.1- 12.0) |
2.2 (1.1- 7.3) |
2.1 (1.1- 3.9) |
併用化学療法レジメン | |||
CHOP療法 |
43(38.1%) |
- |
5(18.5%) |
CVP療法 |
19(16.8%) |
- |
1(3.7%) |
ベンダムスチン |
51(45.1%) |
- |
21(77.8%) |
FLIPI:濾胞性リンパ腫国際予後指標
*1 日本人患者は27例登録され、全例に治験薬が投与された。サイクル1でGrade 3以上のinfusion reactionを発現した患者はおらず、全例がサイクル2以降はSDIに移行したため、日本人における安全性評価対象集団とSDI集団は同一の集団である。
*2 複数回答を含む。
*3 安全性評価対象集団:n=106、SDI集団:n=92
*4 安全性評価対象集団:n=112
*5 安全性評価対象集団:n=98、SDI集団:n=86
(データカットオフ日:2020年8月4日)【主要解析時】
サイクル2でSDIを実施した患者99例において、Grade 3*1以上のinfusion reaction*2の発現は認められなかった。
*1 GradeはNCI-CTCAE v5.0に準じた。
*2 Infusion reactionは、治験薬の投与中又は投与終了後24時間以内に発現した有害事象のうち、治験薬の投与(導入療法期間のガザイバ又はいずれかの化学療法及び維持療法期間のガザイバ単剤)に関連すると治験責任医師又は治験分担医師が判断したすべての有害事象と定義した。
(データカットオフ日:2020年12月3日)【導入療法終了時】
ガザイバの投与時間中央値(範囲)は、サイクル1の1日目が269.5分(115.0-1630.0分)、サイクル2が98.0分(53.0-193.0分)であった。
ガザイバ投与時間(分) | SDIを実施した患者の割合 | |||
---|---|---|---|---|
例数 | 中央値(範囲) | |||
サイクル1 | 1日目 | 100 | 269.5 (115.0-1,630.0) |
0.0%(0/113例) |
サイクル1 | 8日目 | 107 | 210.0 (82.0- 357.0) |
3.6%(4/112例)※ |
サイクル1 | 15日目 | 102 | 205.0 (80.0- 335.0) |
1.8%(2/111例)※ |
サイクル2 | 103 | 98.0 (53.0- 193.0) |
96.4%(106/110例) |
|
サイクル3 | 101 | 95.0 (66.0- 750.0) |
97.2%(105/108例) |
|
サイクル4 | 101 | 96.0 (88.0- 195.0) |
94.4%(102/108例) |
|
サイクル5 | 100 | 95.5 (75.0- 245.0) |
94.4%(101/107例) |
|
サイクル6 | 102 | 96.0 (89.0- 183.0) |
93.3%(98/105例) |
|
サイクル7 | 51 | 95.0 (63.0- 160.0) |
92.7%(51/ 55例) |
|
サイクル8 | 50 | 95.0 (88.0- 105.0) |
100%(52/ 52例) |
※本試験では、サイクル2からガザイバのSDIを実施すると規定されていたが、一部の症例でプロトコール逸脱があった。
(データカットオフ日:2020年12月3日)【導入療法終了時】
Infusion reaction*の発現割合は、全サイクルで62.8%(71例)、サイクル1の1日目で50.4%(57例)、サイクル2で11.8%(13例)であった。
* Infusion reactionは、治験薬の投与中又は投与終了後24時間以内に発現した有害事象のうち、治験薬の投与(導入療法期間のガザイバ又はいずれかの化学療法及び維持療法期間のガザイバ単剤)に関連すると治験責任医師又は治験分担医師が判断したすべての有害事象と定義した。
(データカットオフ日:2020年12月3日)【導入療法終了時】
導入療法終了時のORRは、86.7%(95%CI:79.05-92.38%)であった。
(データカットオフ日:2020年12月3日)【導入療法終了時】
日本人患者における導入療法終了時のORRは、96.3%(95%CI:81.03-99.91%)であった。
(データカットオフ日:2020年12月3日)
安全性結果の概要
n=113 | |
---|---|
発現例数 | 112(99.1%) |
Grade 3以上の有害事象*1 | 82(72.6%) |
重篤な有害事象*2 | 26(23.0%) |
いずれかの治験薬*3の投与中止に至った有害事象 | 9( 8.0%) |
死亡に至った有害事象 | 2( 1.8%) |
主な有害事象(20%以上)
n=113 | |
---|---|
発現例数 | 112(99.1%) |
好中球減少症 | 70(61.9%) |
注入に伴う反応 | 69(61.1%) |
悪心 | 47(41.6%) |
便秘 | 42(37.2%) |
リンパ球減少症 | 23(20.4%) |
集計に用いた用語はMedDRA v23.1に準じた。
主な重篤な有害事象*2(2例以上)
n=113 | |
---|---|
発現例数 | 26(23.0%) |
肺炎 | 5( 4.4%) |
発熱性好中球減少症 | 5( 4.4%) |
好中球減少症 | 3( 2.7%) |
集計に用いた用語はMedDRA v23.1に準じた。
いずれかの治験薬*3の投与中止に至った有害事象
n=113 | |
---|---|
発現例数 | 9( 8.0%) |
注入に伴う反応 | 2( 1.8%) |
好中球減少症 | 1( 0.9%) |
血小板減少症 | 1( 0.9%) |
低ガンマグロブリン血症 | 1( 0.9%) |
肺炎 | 1( 0.9%) |
遠隔転移を伴う気管支癌 | 1( 0.9%) |
末梢性感覚ニューロパチー | 1( 0.9%) |
閉塞性細気管支炎 | 1( 0.9%) |
集計に用いた用語はMedDRA v23.1に準じた。
死亡に至った有害事象
n=113 | |
---|---|
発現例数 | 2( 1.8%) |
心停止 | 1( 0.9%) |
誤嚥性肺炎 | 1( 0.9%) |
集計に用いた用語はMedDRA v23.1に準じた。
*1 GradeはNCI-CTCAE v5.0に準じた。
*2 重篤な有害事象は、死亡、死亡につながるおそれのある事象、入院又は入院期間の延長が必要になる事象、永続的又は顕著な障害/機能不全に陥る事象、治験薬に曝露された母親から生まれた新生児、乳児に先天性異常/先天性欠損をきたす事象、主治医により重要な医学的事象と判断された事象と定義した。
*3 ガザイバ又はいずれかの化学療法
【作成年月:2021年12月】
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