「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は電子添文をご参照ください。
本第Ⅰ/Ⅱ相試験は検証的臨床試験ではありませんが、本試験にて得られた有効性及び安全性の結果を元に本邦では承認されました。一部承認外の効能又は効果、用法及び用量(用量探索試験)の成績が含まれますが、承認時評価資料のためご紹介します。
国際共同第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験
(用量探索試験を含む:BRUIN-18001試験)8)の概要
- 8)社内資料:ピルトブルチニブの第Ⅰ/Ⅱ相試験(LOXO-BTK-18001試験)(承認時評価資料)
試験概要
目的
- <第Ⅰ相パート>
- 前治療歴のあるマントル細胞リンパ腫(MCL)を含むB細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者におけるジャイパーカ経口投与時の最大耐量(MTD)及び第Ⅱ相推奨用量(RP2D)を決定する。
- <第Ⅰ相パート(日本のみ)>
- 海外で決定されたジャイパーカのRP2Dの安全性プロファイル及び忍容性を、同じ基準を用いて日本人患者で確認する。
- <第Ⅱ相パート>
- 各コホート(全7コホート)において、B細胞性NHL患者に対するジャイパーカの有効性及び安全性を検討する。
試験デザイン
非盲検、多施設共同、第Ⅰ/Ⅱ相、国際共同臨床試験
対象
- <第Ⅰ相パート>
- MCLを含むB細胞性NHL患者
- <第Ⅱ相パート>
- MCLを含むB細胞性NHL患者
第Ⅱ相パートは以下の7つのコホートから構成され、いずれかに患者を登録した。
第Ⅰ相パートに登録され、第Ⅱ相パートの適格基準を満たした患者は、第Ⅱ相パートの有効性解析の対象とした。
コホート | 対象患者 |
---|---|
コホート1 | ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む治療による前治療歴がある非芽球様細胞性MCL患者 |
コホート2 | BTK阻害剤を含む2剤以上の治療による前治療歴がある慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)患者 |
コホート3 | 前治療歴がないCLL/SLL患者 |
コホート4 | BTK阻害剤による治療歴のない前治療歴があるCLL/SLL患者 |
コホート5 | BTK阻害剤を含む治療による前治療歴がある原発性マクログロブリン血症(WM)患者 |
コホート6 | BTK阻害剤を含む治療による前治療歴がある辺縁帯リンパ腫(MZL)患者 |
コホート7 | 分類不能な患者 [コホート1~6に分類されないCLL/SLL又はNHL。リヒター形質転換、形質転換を伴う低悪性度NHL、芽球様細胞性MCL、もしくは中枢神経系(CNS)浸潤又は原発性CNSリンパ腫の既往がある患者を含む] |
投与方法
- <第Ⅰ相パート:用量漸増及び用量拡大パート>
- ジャイパーカ25、50、100、150、200、250及び300mgを1日1回経口投与し、投与サイクルは28日間とした。投与は病勢進行(PD)、許容できない毒性又は他の中止理由に該当するまで継続した。
また、割付られた用量での忍容性が確認された患者では、治験依頼者が許可した場合、すでに安全性が確認された用量への漸増を可能とした。
用量漸増パート:3+3デザインを用いて各用量コホートに最大6例の患者を組み入れた。
用量拡大パート:すでに安全性が確認された用量に、全体で約150例までの患者の組み入れを可能とした。
- <第Ⅰ相パート(日本のみ):日本での推奨用量の確認>
- ジャイパーカ200mgを1日1回経口投与し、投与サイクルは28日間とした。
3+3デザインは用いるが、用量漸増は実施せず、海外の結果で決定したRP2Dの用量で少なくとも3例の患者を組み入れた。
- <第Ⅱ相パート>
- ジャイパーカ200mgを1日1回経口投与し、投与サイクルは28日間とした。投与はPD、許容できない毒性又は他の中止理由に該当するまで継続した。患者が投与継続により臨床的ベネフィットを得ていると治験担当医師が判断し、かつ治験依頼者が投与継続を承認した場合、PDが確定した患者の治験薬投与の継続を可能とした。
評価項目
- <第Ⅰ相パート>
-
主要評価項目:
最大耐量(MTD)及び第Ⅱ相推奨用量(RP2D)
副次評価項目:
安全性(有害事象及び臨床検査)、薬物動態 等
- <第Ⅱ相パート>
-
主要評価項目:
奏効率(ORR)※1
副次評価項目:
最良総合効果(BOR)※1、奏効期間(DOR)※1、奏効までの期間(TTR)※1、最良効果までの期間(TTBR)※1、無増悪生存期間(PFS)※1、全生存期間(OS)、安全性(有害事象及び臨床検査)、薬物動態 等
※1 Lugano治療効果判定基準に基づく独立評価委員会(IRC)評価
解析計画
- 有効性解析対象集団:
- 各有効性解析対象集団(MCL、日本人MCL)で有効性を検討した。芽球様細胞性MCL集団は、治験実施計画書・統計解析計画書で計画した解析対象集団ではないが、本邦での製造販売承認申請後に当局より求められて承認審査の過程で評価された。
- MCL集団(主要な解析対象集団) データカットオフ①
- 第Ⅰ相又は第Ⅱ相パートに組み入れられ、かつ第Ⅱ相パートのコホート1の基準を満たした最初のMCL患者※265例(日本人0例)
- ※2 非芽球様細胞性MCL
- 日本人MCL集団 データカットオフ③
-
第Ⅱ相パートのコホート1に組み入れられた最初の日本人MCL患者※38例
主要な解析対象集団に日本人が含まれないことから設定。ただし、次の患者を除外した。
- ・データカットオフ①時点でベースライン後の疾患評価が1回以上実施されていた患者
- ・ベースライン後の疾患評価がデータカットオフ①以降だが、その結果を補遺版の解析計画書(J-SAP第1.0版)の最終化前に治験依頼者が確認可能であった患者
※3 非芽球様細胞性MCL
【第Ⅱ相パートのコホート1の基準】
- ・BTK阻害剤の前治療歴があるMCL患者(CNS病変を有していることが既知の患者を除く)
- ・ベースライン時にLugano治療効果判定基準を用いて評価した測定可能病変がある。
- ・ジャイパーカを1回以上投与された。
- 芽球様細胞性MCL集団(承認審査の過程で評価された集団) データカットオフ②
- 第Ⅰ相又は第Ⅱ相パートに組み入れられ、ジャイパーカを1回以上投与されたBTK阻害剤の前治療歴がある芽球様細胞性MCL患者15例(日本人0例)
- 安全性解析対象集団:
-
全体集団 データカットオフ②
第Ⅰ相又は第Ⅱ相パートで、ジャイパーカを1回以上投与されたMCL、CLL/SLL及び他のNHL患者725例(日本人22例含む)
MCL集団 データカットオフ②
第Ⅰ相又は第Ⅱ相パートで、ジャイパーカを1回以上投与されたMCL患者164例(日本人10例含む)
日本人集団 データカットオフ③
日本の施設で組み入れられ、ジャイパーカを1回以上投与されたMCL、CLL/SLL及び他のNHLの日本人患者29例
日本人MCL集団 データカットオフ③
日本の施設で組み入れられ、ジャイパーカを1回以上投与されたMCLの日本人患者12例
- MCL
-
- ・ORR及びBORは、Lugano治療効果判定基準を用いてIRC及び治験担当医師が評価した。ORRの推定値は、二項分布に基づく正確な95%信頼区間(CI)とともに示した。
- ・コホート1では、真のORRを40%以上と仮定した場合、症例数65例では、ORRの正確な95%CIの下限値が20%を超える検出力は92%であると推定された。ORRの95%CIの下限値が20%を超えた場合、有効性が達成されると事前に規定した。
- ・コホート7に登録された患者は探索的方法で有効性を評価することとした。
- ・芽球様細胞性MCLのORRは、治験実施計画書・統計解析計画書で計画した解析ではないが、本邦での製造販売承認申請後に当局より求められて実施し、承認審査の過程で評価された。
- ・ORRについて、患者背景(年齢、性別、人種、地域、ECOG PS、病期、sMIPIスコア、腫瘍サイズ、節外病変、骨髄/消化管浸潤、組織型、前治療ライン数、BCL2阻害剤/抗CD20抗体及び化学療法/幹細胞移植の治療歴、共有結合型BTK阻害剤による前治療の中止理由)別のサブグループ解析が事前に規定され、forest plotで示した。
- ・ORRのSupportive Analysisとして、腫瘍サイズのベースラインからの最良変化率をwaterfall plotで示した。
- ・DOR、PFS及びOSは、Kaplan-Meier法を用いて推定し、併せて95%CIをBrookmeyer and Crowley法で算出した。DOR率、PFS率及びOS率は、Greenwood法で算出した95%CIとともに6、9、12、18ヵ月時点を示した。各評価項目に関するフォローアップ期間の中央値は、Kaplan-Meier法を用いて推定した。
- ・TTR及びTTBRは、中央値、四分位範囲、最大値及び最小値を算出し、要約した。
- ・主要な有効性解析対象集団に日本人が含まれないことから、第Ⅱ相パートのコホート1に組み入れられた日本人患者を対象とした追加解析を実施し、ORR(腫瘍サイズのベースラインからの最良変化率のwaterfall plot含む)、BOR、DOR、TTR、PFS、OSを評価した。
- ・安全性は、ジャイパーカを1回以上投与されたすべての登録患者で評価した。
注)本邦において、「他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のMCL」以外のB細胞性NHLはジャイパーカの承認外です。
- データカットオフ日について
-
本項は、以下の3つのデータカットオフによる中間報告に基づく試験成績です。
データカットオフ日 有効性解析対象集団 安全性解析対象集団 データカットオフ① MCL集団
(主要な解析集団)- データカットオフ② 芽球様細胞性MCL集団
(承認審査の過程で評価された集団)全体集団/MCL集団 データカットオフ③ 日本人MCL集団 日本人集団/日本人MCL集団
患者背景及び有効性については、承認された効能又は効果(他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫)を対象とした患者群の結果を記載します。
4. 効能又は効果
-
他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
6. 用法及び用量
-
通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
患者背景(有効性解析対象集団、第Ⅰ/Ⅱ相パート)
MCL (n=65) |
日本人MCL (n=8) |
|
---|---|---|
年齢、歳 | ||
中央値(最小値~最大値) | 69.0(50~87) | 70.5(60~78) |
年齢区分 | ||
50歳未満 | 0(0.0) | 0(0.0) |
50歳以上65歳未満 | 18(27.7) | 3(37.5) |
65歳以上75歳未満 | 29(44.6) | 3(37.5) |
75歳以上85歳未満 | 15(23.1) | 2(25.0) |
85歳以上 | 3(4.6) | 0(0.0) |
性別 | ||
男性 | 53(81.5) | 7(87.5) |
女性 | 12(18.5) | 1(12.5) |
人種 | ||
アジア人 | 1(1.5) | 8(100.0) |
黒人又はアフリカ系米国人 | 1(1.5) | 0(0.0) |
白人 | 59(90.8) | 0(0.0) |
その他 | 4(6.2) | 0(0.0) |
地域 | ||
日本 | 0(0.0) | 8(100.0) |
ECOG PS | ||
0 | 46(70.8) | 2(25.0) |
1 | 18(27.7) | 6(75.0) |
2 | 1(1.5) | 0(0.0) |
診断からジャイパーカ投与開始までの期間、月 | ||
中央値(最小値~最大値) | 73.0(4.5~182.5) | 107.5(21.3~209.6) |
Ann Arbor分類 | ||
Stage Ⅰ | 2(3.1) | 0(0.0) |
Stage Ⅱ | 4(6.2) | 0(0.0) |
Stage Ⅲ | 6(9.2) | 0(0.0) |
Stage Ⅳ | 52(80.0) | 7(87.5) |
欠測 | 1(1.5) | 1(12.5) |
sMIPIスコア | ||
低リスク | 16(24.6) | 1(12.5) |
中リスク | 33(50.8) | 6(75.0) |
高リスク | 16(24.6) | 1(12.5) |
腫瘍サイズ | ||
5cm未満 | 46(70.8) | 6(75.0) |
5cm以上 | 16(24.6) | 1(12.5) |
測定不能 | 3(4.6) | 1(12.5) |
リンパ節外病変 | ||
あり | 23(35.4) | 3(37.5) |
なし | 42(64.6) | 5(62.5) |
骨髄浸潤 | ||
あり | 34(52.3) | 3(37.5) |
なし | 31(47.7) | 5(62.5) |
消化管浸潤 | ||
あり | 4(6.2) | 1(12.5) |
なし | 61(93.8) | 7(87.5) |
MCLの組織型 | ||
古典的及び白血病性 | 62(95.4) | 7(87.5) |
芽球様細胞性 | 0(0.0) | 0(0.0) |
多形性 | 3(4.6) | 1(12.5) |
全身療法による前治療歴 | ||
あり | 65(100.0) | 8(100.0) |
共有結合型BTK阻害剤*1 | 65(100.0) | 8(100.0) |
BCL2阻害剤*2 | 10(15.4) | 0(0.0) |
化学療法 | 60(92.3) | 8(100.0) |
抗CD20抗体 | 63(96.9) | 8(100.0) |
PI3K阻害剤*3 | 2(3.1) | 0(0.0) |
免疫調節剤 | 15(23.1) | 0(0.0) |
CAR-T*2 | 4(6.2) | 0(0.0) |
幹細胞移植 | 15(23.1) | 1(12.5) |
その他 | 16(24.6) | 3(37.5) |
全身療法による前治療のライン数 | ||
中央値(最小値~最大値) | 3.0(1~8) | 4.5(3~7) |
共有結合型BTK阻害剤による前治療のライン数 | ||
1 | 52(80.0) | 5(62.5) |
2 | 12(18.5) | 3(37.5) |
3以上 | 1(1.5) | 0(0.0) |
直近の共有結合型BTK阻害剤による前治療の中止理由 | ||
原疾患の増悪 | 52(80.0) | 8(100.0) |
毒性発現 | 10(15.4) | 0(0.0) |
その他 | 3(4.6) | 0(0.0) |
共有結合型BTK阻害剤による前治療の中止理由 | ||
原疾患の増悪 | 53(81.5) | 8(100.0) |
毒性発現 | 10(15.4) | 0(0.0) |
その他 | 2(3.1) | 0(0.0) |
n(%)
*1 本邦未承認及び、MCLに対して本邦未承認を含む *2 MCLに対して本邦未承認 *3 本邦未承認
本剤の試験期間、投与状況、相対用量強度(安全性解析対象集団、第Ⅰ/Ⅱ相パート)
MCL (n=164) |
日本人MCL (n=12) |
|
---|---|---|
本試験期間、月 | ||
中央値(最小値~最大値) | 8.07(0.5~34.4) | 10.2(2.1~22.0) |
本剤投与期間、月 | ||
中央値(最小値~最大値) | 4.52(0.2~33.7) | 6.1(0.6~22.0) |
開始用量、n(%) | ||
25mg QD | 3(1.8) | 0(0.0) |
50mg QD | 0(0.0) | 0(0.0) |
100mg QD | 3(1.8) | 0(0.0) |
150mg QD | 1(0.6) | 0(0.0) |
200mg QD(推奨用量) | 148(90.2) | 12(100.0) |
250mg QD | 3(1.8) | 0(0.0) |
300mg QD | 6(3.7) | 0(0.0) |
200mg QDを1回以上投与、n(%) | 151(92.1) | 12(100.0) |
200mg QDに漸増 | 1(0.6) | 0(0.0) |
200mg QDに減量 | 2(1.2) | 0(0.0) |
200mg QD以上を1回以上投与、n(%) | 159(97.0) | 12(100.0) |
ジャイパーカの用量調節と理由、n(%) | ||
休薬 | 70(42.7) | 6(50.0) |
患者の間違い | 26(15.9) | 2(16.7) |
手順 | 17(10.4) | 0(0.0) |
有害事象 | 42(25.6) | 4(33.3) |
その他 | 8(4.9) | 1(8.3) |
減量 | 9(5.5) | 2(16.7) |
患者の間違い | 1(0.6) | 0(0.0) |
有害事象 | 8(4.9) | 2(16.7) |
その他 | 2(1.2) | 1(8.3) |
増量 | 18(11.0) | 3(25.0) |
用量漸増 | 15(9.1) | 0(0.0) |
その他 | 3(1.8) | 3(25.0) |
相対用量強度、% | ||
中央値(最小値~最大値) | 100(54.2~108.8) | 99.2(59.5~100.0) |
相対用量強度カテゴリー、n(%) | ||
>100% | 1(0.6) | 0(0.0) |
>90%~100% | 140(85.4) | 9(75.0) |
>75%~90% | 15(9.1) | 2(16.7) |
>50%~75% | 8(4.9) | 1(8.3) |
≦50% | 0(0.0) | 0(0.0) |
MCL集団における有効性(有効性解析対象集団、第Ⅰ/Ⅱ相パート)[海外データ]データカットオフ①
奏効率(ORR)※(主要評価項目)及び最良総合効果(BOR)※(副次評価項目)
ORR(CR+PR)[95%信頼区間(CI)]は、56.9%(44.0~69.2)であり、95%CIの下限値は事前に設定した閾値である20%を上回りました。また、BOR及び腫瘍サイズのベースラインからの最良変化率は下記のとおりでした。
※ Lugano治療効果判定基準に基づく独立評価委員会(IRC)評価
- ORR(CR+PR)
-
- BORの内訳
-
MCL
(n=65)CR 13(20.0) PR 24(36.9) SD 9(13.8) PD 10(15.4) NE 9(13.8) n(%)
-
IRC評価における奏効率において、臨床的に意味がある閾値は20%と事前に設定
- 腫瘍サイズのベースラインからの最良変化率のwaterfall plot(ORRのSupportive Analysis)
-
注:16例の患者は、ベースラインで標的病変が測定不能、又はベースライン後の最初の評価前に治療を中止したため、プロットには含まれていません。
患者背景別の奏効率(ORR)※(主要評価項目のサブグループ解析)
※ Lugano治療効果判定基準に基づくIRC評価
奏効期間(DOR)※(副次評価項目)
DOR中央値(95%CI)は、未到達(8.31~未到達)でした。フォローアップ期間中央値[四分位範囲(IQR)]は、9.10ヵ月(3.52~15.31)でした。
また、6、9、12及び18ヵ月時点で奏効が持続していた患者の割合(95%CI)はそれぞれ、77.2%(57.7~88.5)、67.2%(45.3~81.9)、67.2%(45.3~81.9)及び57.6%(31.5~76.8)でした。
※ Lugano治療効果判定基準に基づくIRC評価
- DORのKaplan-Meier曲線、奏効例(n=37)
-
- DORのKaplan-Meier曲線、奏効例(n=37)
-
MCL
(n=65)奏効例数(CR+PR)、n 37 DOR中央値(95%CI)、月 未到達(8.31~未到達) DOR、n(%) 6ヵ月未満 21(56.8) 6ヵ月以上 9ヵ月未満 3(8.1) 9ヵ月以上12ヵ月未満 2(5.4) 12ヵ月以上18ヵ月未満 9(24.3) 18ヵ月以上 2(5.4) 奏効の持続割合(95%CI)、% 6ヵ月時点 77.2(57.7~88.5) 9ヵ月時点 67.2(45.3~81.9) 12ヵ月時点 67.2(45.3~81.9) 18ヵ月時点 57.6(31.5~76.8)
奏効までの期間(TTR)※及び最良効果までの期間(TTBR)※(いずれも副次評価項目)
TTR中央値(IQR)は、1.84ヵ月(1.84~1.91)でした。
また、TTBR中央値(IQR)は、1.87ヵ月(1.84~2.10)でした。
※ Lugano治療効果判定基準に基づくIRC評価
- TTR
-
MCL
(n=65)奏効例数(CR+PR)、n 37 TTR中央値(IQR)、月 1.84(1.84~1.91) TTR、n(%) 2ヵ月未満 29(78.4) 2ヵ月以上4ヵ月未満 5(13.5) 4ヵ月以上6ヵ月未満 2(5.4) 6ヵ月以上 1(2.7)
- TTBR
-
MCL
n=65)奏効例数(CR+PR)、n 37 TTBR中央値(IQR)、月 1.87(1.84~2.10) TTBR、n(%) 2ヵ月未満 26(70.3) 2ヵ月以上4ヵ月未満 5(13.5) 4ヵ月以上6ヵ月未満 2(5.4) 6ヵ月以上 4(10.8)
無増悪生存期間(PFS)※(副次評価項目)
PFS中央値(95%CI)は、6.90ヵ月(3.98~未到達)でした。フォローアップ期間中央値(IQR)は、9.66ヵ月(3.68~17.28)でした。
また、6、9、12及び18ヵ月時点の無増悪生存率(95% CI)はそれぞれ、51.4%(36.8~64.2)、45.7%(30.9~59.3)、45.7%(30.9~59.3)及び36.9%(21.2~52.6)でした。
※ Lugano治療効果判定基準に基づくIRC評価
- PFSのKaplan-Meier曲線
-
- PFS及び無増悪生存率
-
MCL
(n=65)PFS中央値(95%CI)、月 6.90(3.98~未到達) 無増悪生存率(95%CI)、% 6ヵ月時点 51.4(36.8~64.2) 9ヵ月時点 45.7(30.9~59.3) 12ヵ月時点 45.7(30.9~59.3) 18ヵ月時点 36.9(21.2~52.6)
全生存期間(OS)(副次評価項目)
OS中央値(95% CI)は、未到達(13.34~未到達)でした。フォローアップ期間中央値(I Q R)は、16.46ヵ月(7.46~20.17)でした。
また、6、9、12及び18ヵ月時点の全生存率(95%CI)はそれぞれ、84.1%(72.4~91.1)、72.9%(58.7~82.9)、66.0%(51.1~77.4)及び58.9%(42.2~72.3)でした。
- OSのKaplan-Meier曲線
-
- OS及び全生存率
-
MCL
(n=65)OS中央値(95%CI)、月 未到達(13.34~未到達) 全生存率(95%CI)、% 6ヵ月時点 84.1(72.4~91.1) 9ヵ月時点 72.9(58.7~82.9) 12ヵ月時点 66.0(51.1~77.4) 18ヵ月時点 58.9(42.2~72.3)
日本人MCL集団における有効性(有効性解析対象集団、第Ⅱ相パート)データカットオフ③
奏効率(ORR)※(主要評価項目)及び最良総合効果(BOR)※(副次評価項目)
日本人MCL患者8例における奏効例数(CR+PR)は、4例(95%CI:15.7~84.3)であり、CR、PRはいずれも2例でした。
※ Lugano治療効果判定基準に基づくIRC評価
- 奏効例数(CR+PR)及びBORの内訳
-
日本人MCL
(n=8)奏効例数(CR+PR)、n 4 BOR、n CR 2 PR 2 SD 3 PD 1 NE 0
- 腫瘍サイズのベースラインからの最良変化率のwaterfall plot
(ORRのSupportive Analysis) -
最良総合効果(BOR)※、奏効までの期間(TTR)※、奏効期間(DOR)※、無増悪生存期間(PFS)※、全生存期間(OS)(いずれも副次評価項目)
日本人MCL患者におけるBOR、TTR、DOR、PFS及びOSは、下記のとおりでした。
※Lugano治療効果判定基準に基づくIRC評価
- 日本人MCL患者における有効性の結果
-
日本人
MCL
(n=8)BOR TTR DOR PFS OS 1 PR 1.84ヵ月 5.55ヵ月 PD 7.36ヵ月 PD 16.82ヵ月 打ち切り
(生存)2 SD - - - 11.53ヵ月 打ち切り
(生存*)12.65ヵ月 打ち切り
(生存)3 PR 1.87ヵ月 3.71ヵ月 打ち切り
(生存*)5.55ヵ月 打ち切り
(生存*)6.51ヵ月 打ち切り
(生存)4 SD - - - 3.81ヵ月 PD 7.66ヵ月 打ち切り
(生存)5 PD - - - 1.61ヵ月 PD 4.53ヵ月 死亡 6 SD - - - 1.87ヵ月 打ち切り
(中止)2.14ヵ月 打ち切り
(生存)7 CR 1.87ヵ月 11.99ヵ月 打ち切り
(生存*)13.83ヵ月 打ち切り
(生存*)15.67ヵ月 打ち切り
(生存)8 CR 1.84ヵ月 7.39ヵ月 PD 9.20ヵ月 PD 15.44ヵ月 打ち切り
(生存)*PDにならず生存
芽球様細胞性MCL集団における有効性*
(有効性解析対象集団、第Ⅰ/Ⅱ相パート)[海外データ]データカットオフ②
- *芽球様細胞性MCLのORRは、治験実施計画書・統計解析計画書で計画した解析ではないが、本邦での製造販売承認申請後に当局より求められて実施し、承認審査の過程で評価された。
奏効率(ORR)※及び最良総合効果(BOR)※[いずれも事後解析]
芽球様細胞性MCL患者15例のORR(95%CI)は46.7%(21.3~73.4)であり、奏効例7例の内訳は、CRが1例(6.7%)、PRが6例(40.0%)でした。
※Lugano治療効果判定基準に基づくIRC評価
- ORR(CR+PR)
-
- BORの内訳
-
芽球様細胞性
MCL
(n=15)CR 1(6.7) PR 6(40.0) SD 3(20.0) PD 4(26.7) NE 1(6.7) n(%)
安全性(安全性解析対象集団、第Ⅰ/Ⅱ相パート)
全体集団データカットオフ②
全体集団における有害事象発現割合は、93.9%(681例/725例)でした。主な有害事象は、以下の表のとおりでした。
重篤な有害事象は255例に認められました。主な重篤な有害事象は、肺炎が34例、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)肺炎が28例、COVID-19が17例、発熱性好中球減少症が13例、貧血が12例、発熱及び敗血症が各11例、急性腎障害が10例等でした。
本剤の投与中止に至った有害事象は、45例に認められました。2例以上に認められた事象は、COVID-19肺炎が4例、COVID-19及び骨髄異形成症候群が各3例、肺炎、敗血症及び扁平上皮癌が各2例でした。
死亡に至った有害事象は45例に認められました。2例以上に認められた事象は、COVID-19肺炎が9例、COVID-19が6例、呼吸不全が4例、呼吸困難、多臓器機能不全症候群、肺炎、敗血症及び敗血症性ショックが各2例でした。
MCL集団データカットオフ②
MCL集団における有害事象発現割合は、89.0%(146例/164例)でした。主な有害事象は、以下の表のとおりでした。
重篤な有害事象は55例に認められました。2例以上に認められた事象は、肺炎が13例、COVID-19肺炎が5例、白血球増加症、胸水、非心臓性胸痛及び敗血症が各3例、COVID-19、急性腎障害及び呼吸不全が各2例でした。
本剤の投与中止に至った有害事象は、15例に認められました。2例以上に認められた事象は、肺炎が2例でした。
死亡に至った有害事象は11例に認められ、その内訳は呼吸不全が2例、COVID-19肺炎、多臓器機能不全症候群、肺炎、心停止、出血(表在性挫傷を除く)、悪性胸水、ムコール症、レンサ球菌感染、突然死が各1例でした。
日本人集団データカットオフ③
日本人集団における有害事象発現割合は、100.0%(29例/29例)でした。主な有害事象は、以下の表のとおりでした。
重篤な有害事象は8例に認められ、その内訳は、肺炎が2例、意識変容状態、抗好中球細胞質抗体陽性血管炎、誤嚥、胆嚢炎、脱水、発熱性好中球減少症、肺腺癌、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎及び口内炎が各1例でした。
本剤の投与中止に至った有害事象は3例で、胆嚢炎、クリプトコッカス症及び多形紅斑が各1例でした。
なお、本試験のデータカットオフ時点では、日本人集団において死亡に至った有害事象は認められませんでした。
主な有害事象一覧(発現割合が10%以上)
- 全体集団データカットオフ②
-
全体
(n=725)全グレード グレード3以上 全有害事象 681(93.9) 385(53.1) 疲労 191(26.3) 12(1.7) 下痢 160(22.1) 6(0.8) 挫傷 138(19.0) 0(0.0) 悪心 108(14.9) 1(0.1) 咳嗽 107(14.8) 0(0.0) 貧血 101(13.9) 56(7.7) 呼吸困難 99(13.7) 7(1.0) 関節痛 94(13.0) 3(0.4) n(%)
全体
(n=725)全グレード グレード3以上 便秘 93(12.8) 2(0.3) 背部痛 91(12.6) 4(0.6) 好中球数減少 89(12.3) 77(10.6) 頭痛 88(12.1) 2(0.3) 発熱 87(12.0) 6(0.8) 末梢性浮腫 83(11.4) 1(0.1) 腹痛 80(11.0) 6(0.8) 血小板数減少 74(10.2) 35(4.8) 好中球減少症 73(10.1) 62(8.6) MedDRA ver. 24.0
グレードはCTCAE ver. 5.0に準じた全体
(n=725)全グレード グレード3以上 全有害事象 681(93.9) 385(53.1) 疲労 191(26.3) 12(1.7) 下痢 160(22.1) 6(0.8) 挫傷 138(19.0) 0(0.0) 悪心 108(14.9) 1(0.1) 咳嗽 107(14.8) 0(0.0) 貧血 101(13.9) 56(7.7) 呼吸困難 99(13.7) 7(1.0) 関節痛 94(13.0) 3(0.4) 便秘 93(12.8) 2(0.3) 背部痛 91(12.6) 4(0.6) 好中球数減少 89(12.3) 77(10.6) 頭痛 88(12.1) 2(0.3) 発熱 87(12.0) 6(0.8) 末梢性浮腫 83(11.4) 1(0.1) 腹痛 80(11.0) 6(0.8) 血小板数減少 74(10.2) 35(4.8) 好中球減少症 73(10.1) 62(8.6) n(%)
MedDRA ver. 24.0
グレードはCTCAE ver. 5.0に準じた
- MCL集団データカットオフ②
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全体
(n=164)全グレード グレード3以上 全有害事象 146(89.0) 76(46.3) 疲労 49(29.9) 4(2.4) 下痢 35(21.3) 0(0.0) 呼吸困難 27(16.5) 3(1.8) 挫傷 24(14.6) 0(0.0) 貧血 21(12.8) 8(4.9) 背部痛 21(12.8) 2(1.2) n(%)
全体
(n=164)全グレード グレード3以上 咳嗽 20(12.2) 0(0.0) 発熱 19(11.6) 0(0.0) 血小板数減少 19(11.6) 9(5.5) 悪心 18(11.0) 0(0.0) 便秘 18(11.0) 0(0.0) 肺炎 17(10.4) 14(8.5) 筋肉痛 17(10.4) 0(0.0) MedDRA ver. 24.0
グレードはCTCAE ver. 5.0に準じた全体
(n=164)全グレード グレード3以上 全有害事象 146(89.0) 76(46.3) 疲労 49(29.9) 4(2.4) 下痢 35(21.3) 0(0.0) 呼吸困難 27(16.5) 3(1.8) 挫傷 24(14.6) 0(0.0) 貧血 21(12.8) 8(4.9) 背部痛 21(12.8) 2(1.2) 咳嗽 20(12.2) 0(0.0) 発熱 19(11.6) 0(0.0) 血小板数減少 19(11.6) 9(5.5) 悪心 18(11.0) 0(0.0) 便秘 18(11.0) 0(0.0) 肺炎 17(10.4) 14(8.5) 筋肉痛 17(10.4) 0(0.0) n(%)
MedDRA ver. 24.0
グレードはCTCAE ver. 5.0に準じた
- 日本人集団データカットオフ③
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全体
(n=29)全グレード グレード3以上 全有害事象 29(100.0) 15(51.7) 貧血 7(24.1) 3(10.3) 血小板数減少 6(20.7) 1(3.4) AST増加 5(17.2) 0(0.0) 発熱 5(17.2) 1(3.4) ALT増加 4(13.8) 1(3.4) 高血圧 4(13.8) 1(3.4) 悪心 4(13.8) 0(0.0) 好中球数減少 4(13.8) 3(10.3) n(%)
全体
(n=29)全グレード グレード3以上 白血球数減少 4(13.8) 3(10.3) 下痢 3(10.3) 0(0.0) 低アルブミン血症 3(10.3) 1(3.4) 低カリウム血症 3(10.3) 2(6.9) 末梢性浮腫 3(10.3) 0(0.0) 紫斑 3(10.3) 0(0.0) 発疹 3(10.3) 0(0.0) 口内炎 3(10.3) 1(3.4) MedDRA ver. 24.0
グレードはCTCAE ver. 5.0に準じた全体
(n=29)全グレード グレード3以上 全有害事象 29(100.0) 15(51.7) 貧血 7(24.1) 3(10.3) 血小板数減少 6(20.7) 1(3.4) AST増加 5(17.2) 0(0.0) 発熱 5(17.2) 1(3.4) 肺炎 4(13.8) 1(3.4) 筋肉痛 4(13.8) 1(3.4) 筋肉痛 4(13.8) 0(0.0) 筋肉痛 4(13.8) 3(10.3) 白血球数減少 4(13.8) 3(10.3) 下痢 3(10.3) 0(0.0) 低アルブミン血症 3(10.3) 1(3.4) 低カリウム血症 3(10.3) 2(6.9) 末梢性浮腫 3(10.3) 0(0.0) 紫斑 3(10.3) 0(0.0) 発疹 3(10.3) 0(0.0) 口内炎 3(10.3) 1(3.4) n(%)
MedDRA ver. 24.0
グレードはCTCAE ver. 5.0に準じた
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