薬物動態
1.血中濃度
(1)日本人の再発又は難治性のB細胞性悪性腫瘍患者(BRUIN-18001試験)9)
- 9)社内資料:日本人の造血器悪性腫瘍患者でのピルトブルチニブの薬物動態(LOXO-BTK-18001試験)
日本人の再発又は難治性のB細胞性悪性腫瘍患者3例にピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与後(投与開始1日目)及び定常状態(投与開始8日目)でのピルトブルチニブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは、下記のとおりでした。
- 反復経口投与の初回投与後及び定常状態における血漿中ピルトブルチニブの濃度推移
-
- 反復経口投与の初回投与後及び定常状態におけるピルトブルチニブの薬物動態パラメータ
-
n Cmax(ng/mL) tmax*1(hr) AUC*2(ng・hr/mL) 初回投与後(投与開始1日目) 3 5,060(30.6) 4.02(2.00~4.15) 26,500(29.0) 定常状態(投与開始8日目) 3 8,610(28.1) 7.55(2.05~7.75) 142,000(25.5) 幾何平均値(変動係数%)
*1 中央値(最小値~最大値)
*2 投与開始1日目は投与後0~8時間のAUC、投与開始8日目は投与間隔(24時間)のAUC
- <方法>
- 日本人の再発又は難治性のB細胞性悪性腫瘍患者3例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与後(投与開始1日目)及び定常状態(投与開始8日目)でのピルトブルチニブの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
(2)造血器悪性腫瘍患者(BRUIN-18001試験)(外国人データを含む)10)
- 10)社内資料:造血器悪性腫瘍患者でのピルトブルチニブの薬物動態(LOXO-BTK-18001試験)
ピルトブルチニブ200mgを1日1回反復投与し、薬物動態評価用検体を経時的に採取した造血器悪性腫瘍患者258例におけるピルトブルチニブの血漿中濃度推移は下記のとおりでした。
- 反復経口投与の初回投与後及び定常状態における血漿中ピルトブルチニブの濃度推移
-
- <方法>
- ピルトブルチニブ200mgを1日1回反復投与し、薬物動態評価用検体を経時的に採取した造血器悪性腫瘍患者258例におけるピルトブルチニブの血中濃度を算出した。なお、BTKに対するIC90は、in vitro試験でのIC50をタンパク結合率で補正して算出した。
4. 効能又は効果
-
他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
2.吸収
(1)絶対的バイオアベイラビリティ(LOXO-BTK-20007試験)(外国人データ)11)
- 11)社内資料:ピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティ及びマスバランス試験(LOXO-BTK-20007試験)
健康成人5例にピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したときのピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティは85.5%でした。
- <方法>
- 健康成人5例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与した2時間後、[14C]-ピルトブルチニブ100μg未満を単回静脈内投与したときのピルトブルチニブ及び放射能の薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
(2)食事の影響(LOXO-BTK-20009試験)(外国人データ)12)
- 12)社内資料:ピルトブルチニブの薬物動態に及ぼす食事の影響(LOXO-BTK-20009試験)
健康成人20例にピルトブルチニブ200mgを高脂肪・高カロリー食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比はそれぞれ0.929及び0.775でした。
- 空腹時及び食後におけるピルトブルチニブの薬物動態パラメータ
-
パラメータ 投与方法 最小二乗幾何平均値 幾何平均値の比
(90%CI)Cmax(ng/mL) 空腹時(n=20)
食後(n=20)4,200
3,2500.775
(0.672~0.893)AUC0-t(ng・hr/mL) 空腹時(n=20)
食後(n=20)83,900
77,8000.927
(0.800~1.07)AUC0-inf(ng・hr/mL) 空腹時(n=20)
食後(n=20)85,100
79,0000.929
(0.805~1.07)
- <方法>
- 健康成人20例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを高脂肪・高カロリー食(総カロリー800~1,000kcal)摂取後及び空腹時に単回経口投与し、ピルトブルチニブの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
(3)腎機能障害患者(LOXO-BTK-20013試験)(外国人データ)13)
- 13)社内資料:様々な重症度の腎機能障害を有する被験者におけるピルトブルチニブの薬物動態(LOXO-BTK-20013試験)
ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、腎機能正常被験者(8例)に対する重度の腎機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.34及び0.825でした。
なお、透析患者に関する試験は行っていません。
※ 腎機能はCKD-EPI式で算出したeGFR値に基づいて分類
- 腎機能別の血漿中ピルトブルチニブの濃度推移
-
- 腎機能別の非結合形ピルトブルチニブの薬物動態パラメータ
-
パラメータ 幾何最小二乗平均値 幾何平均値の比(90%CI) 重度の腎機能障害
(n=7)*腎機能正常(対照)
(n=7)*AUC0-t(ng・hr/mL) 3,870 2,960 1.31(0.998~1.71) AUC0-inf(ng・hr/mL) 4,040 3,010 1.34(1.02~1.77) Cmax(ng/mL) 110 133 0.825(0.635~1.07) * 重度の腎機能障害を有する1例は、嘔吐のため解析から除外された。両群の比較は、1:1でマッチングし、各7例で実施した。
- <方法>
- 腎機能正常被験者8例及び重度の腎機能障害患者8例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを空腹時に単回経口投与したときのピルトブルチニブの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
(4)肝機能障害患者(LOXO-BTK-20012試験)(外国人データ)14)
- 14)社内資料:様々な重症度の肝機能障害を有する被験者におけるピルトブルチニブの薬物動態(LOXO-BTK-20012試験)
ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(14例)に対する軽度の肝機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.16及び1.39でした。肝機能正常被験者(14例)に対する中等度の肝機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.956及び1.11でした。肝機能正常被験者(14例)に対する重度の肝機能障害患者(6例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.05及び1.00でした。
- 肝機能別の血漿中ピルトブルチニブの濃度推移
-
- 肝機能別の非結合形ピルトブルチニブの薬物動態パラメータ
-
パラメータ 幾何最小二乗平均値 幾何平均値の比(90%CI) 肝機能障害 肝機能正常(対照) 軽度の肝機能障害患者(n=8)対 肝機能正常被験者(n=8)* AUC0-t(ng・hr/mL) 2,710 2,330 1.16(0.856~1.57) AUC0-inf(ng・hr/mL) 2,740 2,360 1.16(0.857~1.58) Cmax(ng/mL) 133 95.4 1.39(1.10~1.77) 中等度の肝機能障害患者(n=8)対 肝機能正常被験者(n=8)* AUC0-t(ng・hr/mL) 2,410 2,530 0.953(0.723~1.26) AUC0-inf(ng・hr/mL) 2,440 2,550 0.956(0.725~1.26) Cmax(ng/mL) 118 106 1.11(0.831~1.48) 重度の肝機能障害患者(n=6)対 肝機能正常被験者(n=6)* AUC0-t(ng・hr/mL) 2,410 2,310 1.04(0.791~1.38) AUC0-inf(ng・hr/mL) 2,440 2,330 1.05(0.793~1.38) Cmax(ng/mL) 111 110 1.00(0.747~1.35) * 両群の比較は、1:1でマッチングし、実施した。
- <方法>
- 肝機能正常被験者14例並びに、Child-Pugh分類で定義された軽度、中等度及び重度の肝機能障害患者それぞれ8、8及び6例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを空腹時に単回経口投与したときのピルトブルチニブの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
(5)薬物相互作用(外国人データを含む)
- 1)リファンピシン(LOXO-BTK-20006試験)(外国人データ)15)
- 15)社内資料:ピルトブルチニブとイトラコナゾール及びリファンピシンの相互作用(LOXO-BTK-20006試験)
- 健康成人12例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回反復経口投与し、ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、ピルトブルチニブ単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.293及び0.576でした。
- <方法>
- 健康成人12例を対象に、リファンピシン600mgを1日1回反復経口投与後に、ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与し、ピルトブルチニブの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
- 2)エファビレンツ、ボセンタン、モダフィニル(LOXO-305-DMPK-064試験)16)
- 16)社内資料:ピルトブルチニブの生理学的薬物動態解析(LOXO-305-DMPK-064試験)
- 生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、ピルトブルチニブ(200mgを1日1回反復経口投与)単独投与時に対する①エファビレンツ、②ボセンタン及び③モダフィニル(それぞれ600mgを1日1回反復経口投与、125mgを1日2回反復経口投与及び400mgを1日1回反復経口投与)(中程度のCYP3A誘導剤)併用投与時のピルトブルチニブのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ①0.51及び0.67、②0.73及び0.80並びに③0.80及び0.86と推定されました。
- <方法>
- ピルトブルチニブ(200mgを1日1回反復投与)の薬物動態に与える中等度のCYP3A誘導剤(エファビレンツ、ボセンタン及びモダフィニル)併用の影響を生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションを用いて検討した。
- 3)レパグリニド((LOXO-BTK-20016試験)(外国人データ)17)
- 17)社内資料:ピルトブルチニブとレパグリニドの相互作用(LOXO-BTK-20016試験)
- 健康成人16例にピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与し、レパグリニド(CYP2C8の基質)0.5mgを単回経口投与したとき、レパグリニド単独投与時に対するピルトブルチニブ併用投与時のレパグリニドのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.30及び1.98でした。
- <方法>
- 健康成人16例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与後に、レパグリニド0.5mgを単回経口投与し、レパグリニド の薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
- 4)ジゴキシン(LOXO-BTK-20021試験)(外国人データ)18)
- 18)社内資料:ピルトブルチニブとジゴキシンの相互作用(LOXO-BTK-20021試験)
- 健康成人16例にピルトブルチニブ200mg及びジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを併用して1日1回反復経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対するピルトブルチニブ併用投与時のジゴキシンのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.35及び1.55でした。
- <方法>
- 健康成人16例を対象に、ピルトブルチニブ200mg及びジゴキシン0.25mgを併用で1日1回反復経口投与し、ジゴキシンの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
- 5)ロスバスタチン(J2N-MC-JZNW試験)(外国人データ)19)
- 19)社内資料:ピルトブルチニブとロスバスタチンの相互作用(J2N-MC-JZNW試験)
- 健康成人31例にピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与し、ロスバスタチン(BCRPの基質)20mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対するピルトブルチニブ併用投与時のロスバスタチンのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.40及び2.46でした。
- <方法>
- 健康成人31例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与後に、ロスバスタチン20mgを単回経口投与し、ロスバスタチンの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
- 6)オメプラゾール、カフェイン、S-ワルファリン(LOXO-BTK-20010試験)(外国人データ)20)
- 20)社内資料:ピルトブルチニブとプローブ薬カクテルの相互作用(LOXO-BTK-20010試験)
- 健康成人16例にピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与し、オメプラゾール(CYP2C19の基質)40mg、カフェイン(CYP1A2の基質)200mg、及びS-ワルファリン(CYP2C9の基質)10mg(ワルファリンとして)をカクテル基質として単回経口投与したとき、カクテル基質単独投与時に対するピルトブルチニブ併用投与時の①オメプラゾール、②カフェイン及び③S-ワルファリンのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ①1.56及び1.49、②0.940及び0.986並びに③1.11及び1.02でした。
- <方法>
- 健康成人16例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与後に、カフェイン200mg、S-ワルファリン10mg(ワルファリンとして)、及びオメプラゾール40mgをカクテル基質として単回経口投与し、カクテル基質の薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
- 7)ミダゾラム(LOXO-BTK-20008試験)(外国人データ)21)
- 21)社内資料:ピルトブルチニブとミダゾラムの相互作用(LOXO-BTK-20008試験)
- 健康成人15例にピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)0.5mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対するピルトブルチニブ併用投与時のミダゾラムのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.70及び1.58でした。ミダゾラム0.25mgを単回静脈内投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対するピルトブルチニブ併用投与時のミダゾラムのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.12及び0.993でした。
- <方法>
- 健康成人15例を対象に、ピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与直後に、ミダゾラム0.5mgを単回経口投与したとき及び、ピルトブルチニブ200mgを1日1回反復経口投与2時間後に、ミダゾラム0.25mgを単回静脈内投与したときのミダゾラムの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
- 8)その他
-
①オメプラゾール(LOXO-BTK-20014試験)(外国人データ)22)
22)社内資料:ピルトブルチニブ薬物動態に及ぼす食事の影響及びオメプラゾールとの相互作用(LOXO-BTK-20014試験)
健康成人10例にオメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgを1日1回反復経口投与し、ピルトブルチニブ200mgを空腹時に単回経口投与したとき、ピルトブルチニブ単独投与時に対するオメプラゾール併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.11及び1.01でした。
- <方法>
- 健康成人10例を対象に、オメプラゾール40mgを1日1回反復経口投与後に、ピルトブルチニブ200mgを空腹時に単回経口投与し、ピルトブルチニブの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
-
②イトラコナゾール(LOXO-BTK-20006試験)(外国人データ)15)
15)社内資料:ピルトブルチニブとイトラコナゾール及びリファンピシンの相互作用(LOXO-BTK-20006試験)
健康成人12例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回反復経口投与し、ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、ピルトブルチニブ単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.49及び1.04でした。
- <方法>
- 健康成人12例を対象に、イトラコナゾール200mgを1日1回反復経口投与後に、ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与し、ピルトブルチニブの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
-
③リファンピシン(LOXO-BTK-20006試験)(外国人データ)15)
15)社内資料:ピルトブルチニブとイトラコナゾール及びリファンピシンの相互作用(LOXO-BTK-20006試験)
健康成人12例にリファンピシン(P-gp阻害剤)600mgを1日1回単回経口投与し、ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、ピルトブルチニブ単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のピルトブルチニブのAUC24h及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.968及び0.929でした。
- <方法>
- 健康成人12例を対象に、リファンピシン600mgを1日1回単回経口投与後に、ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与し、ピルトブルチニブの薬物動態パラメータをノンコンパートメント法で算出した。
-
④モダフィニル(LOXO-305-DMPK-064試験)16)
16)社内資料:ピルトブルチニブの生理学的薬物動態解析(LOXO-305-DMPK-064試験)
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、ピルトブルチニブ(200mgを1日1回反復経口投与)単独投与時に対するモダフィニル(200mg1日1回反復経口投与)(弱いCYP3A誘導剤)併用投与時のピルトブルチニブのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.86及び0.90と推定されました。
- <方法>
ピルトブルチニブ(200mgを1日1回反復投与)の薬物動態に与える弱いCYP3A誘導剤(モダフィニル:200mg1日1回反復経口投与)併用の影響を生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションを用いて検討した。
⑤ピルトブルチニブはBCRPの基質であることが示されました(in vitro)23)。
23)社内資料:ピルトブルチニブと薬物トランスポーターの相互作用
⑥ピルトブルチニブはCYP2B6及びCYP2D6を阻害し、CYP2B6を誘導しました(in vitro)24)。
24)社内資料:ピルトブルチニブとヒト肝ミクロソームの相互作用
4. 効能又は効果
-
他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
6. 用法及び用量
-
通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)(一部抜粋)
-
薬剤名等:強い又は中程度のCYP3A誘導剤(リファンピシン、カルバマゼピン、エファビレンツ等)、CYP2C8の基質となる薬剤(レパグリニド、ピオグリタゾン、モンテルカスト等)、P-gpの基質となる薬剤(ジゴキシン、ダビガトランエテキシラート、エベロリムス等)、BCRPの基質となる薬剤(ロスバスタチン、イマチニブ、サラゾスルファピリジン等)、CYP2C19の基質となる薬剤(オメプラゾール、ジアゼパム、ランソプラゾール等)、CYP3Aの基質となる薬剤(経口剤)(ミダゾラム、トリアゾラム、ロミタピド等) 詳細は<電子添文:10.相互作用>をご参照ください。
3.分布
(1)血漿から血球への移行性(LOXO-305-DMPK-009試験)(in vitro)25)
- 25)社内資料:ピルトブルチニブのヒト血液中/血漿中濃度比(LOXO-305-DMPK-009試験)
平均血球/血漿濃度比は0.79でした。
- <方法>
- ヒト新鮮血(n=2)を用いて、ピルトブルチニブ1μmol/L(約479.44ng/mL)の血漿からの血球移行性を検討した。
(2)血漿蛋白結合率(LOXO-305-DMPK-060試験)(in vitro)26)
- 26)社内資料:ピルトブルチニブのヒト血漿蛋白結合率(LOXO-305-DMPK-060試験)
ヒト血漿蛋白結合率は96%であり、0.5~50μmol/Lの濃度範囲で濃度依存性は認められませんでした。
- <方法>
- ヒト血漿(男女各n=3)を用いて、ピルトブルチニブ0.5、5及び50μmol/L(それぞれ約240、2,397及び23,972ng/mL)の蛋白結合を平衡透析法で検討した。
4.代謝
(1)主な代謝経路(LOXO-BTK-20007試験)(外国人データ)11)
- 11)社内資料:ピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティ及びマスバランス試験(LOXO-BTK-20007試験)
ピルトブルチニブのヒトでの主な代謝経路は、酸化、加水分解及び直接グルクロン酸抱合でした。健康成人4例に[14C]-ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、投与96時間後までの血漿中には主に未変化体が検出されました(血漿中総放射能に対する割合は86.7%)。ピルトブルチニブのほかに、血漿中には3種類の微量代謝物(M1、M2及びM4)が認められ、それぞれ循環血中の投与放射能の7.8%、3.3%及び2.3%(いずれも平均値)でした。
- ピルトブルチニブの推定生体内代謝経路
-
- <方法>
- 健康成人4例を対象に、[14C]-ピルトブルチニブ200mg(約200μCi)の経口溶液を単回経口投与し、経口投与後0~96時間に採取した検体をプールしてピルトブルチニブの代謝を検討した。
注)本邦において、経口溶液は承認外です。
(2)代謝に関与する酵素[シトクロムP450(CYP)](LOXO-305-DMPK-040試験)(in vitro)27)
- 27)社内資料:ピルトブルチニブの代謝(LOXO-305-DMPK-040試験)
ピルトブルチニブは主にCYP3A4により不活性代謝物に代謝されることが確認されました。
- <方法>
- 組換えヒトCYP*とヒト肝ミクロソームを用いて、ピルトブルチニブの代謝に関与するCYPを特定し、ピルトブルチニブの代謝に対するCYPを介した肝クリアランスの寄与の程度を検討した。
* 組換えヒトCYP分子種:1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1、2J2、3A4及び3A5
4. 効能又は効果
-
他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
6. 用法及び用量
-
通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
5.排泄
(1)クリアランス及び消失半減期(母集団薬物動態解析:LOXO-305-DMPK-081解析)(外国人データを含む)28)
- 28)社内資料:ピルトブルチニブの母集団薬物動態解析(LOXO-305-DMPK-081解析)
造血器悪性腫瘍患者の母集団薬物動態解析の結果、ピルトブルチニブを25~300mg反復経口投与したときのピルトブルチニブの見かけの平均クリアランスは2.02L/hr であり、消失半減期は18.8時間(平均値)でした。
- <方法>
- 国際共同第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(BRUIN-18001試験)の安全性解析対象集団(725例)のうち、1つ以上の評価可能なピルトブルチニブ投与後の薬物動態評価用検体及び十分な投与履歴を有するすべての患者595例のデータを用いて母集団薬物動態解析を実施した。
(2)排泄(LOXO-BTK-20007試験)(外国人データ)11)
- 11)社内資料:ピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティ及びマスバランス試験(LOXO-BTK-20007試験)
健康成人に[14C]-ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、投与量の37%(未変化体として18%)が糞便中に排泄され、57%(未変化体として10%)が尿中に排泄されました。
- <方法>
- 健康成人4例に[14C]-ピルトブルチニブ200mg(約200μCi)の経口溶液を単回経口投与したときのピルトブルチニブの排泄を検討した。
注)本邦において、経口溶液は承認外です。
4. 効能又は効果
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他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
6. 用法及び用量
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通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
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