基本情報
ウプトラビ®を服用される方へ

今回は、ウプトラビ®錠を服用される方を対象に作成した、患者さん向け資材の内容をご紹介いたします。

ウプトラビ®錠を処方された患者さんへ

ウプトラビ®錠は、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の患者さん、および、手術ができない、または手術後に肺高血圧症が残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の患者さんに対する治療薬です。心臓から肺に血液を送り出す血管(肺動脈)を広げて血液の流れを良くすることにより、肺動脈の血圧を下げ、症状を改善します。肺高血圧症という病気はあまり聞きなれない病気かもしれません。肺高血圧症は、肺動脈の血圧が高くなることで、心臓に負担がかかり、次第に心臓の働きが悪くなる病気です。以前は治療が困難な時代もありましたが、現在は適切な治療を受けることで予後を改善できるようになってきています。ウプトラビ®錠を正しく服用し、治療を確かなものにしていきましょう。

肺高血圧症ってどんな病気?

肺高血圧症とは

肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送り出す血管(肺動脈)の血圧(肺動脈圧)が高くなる病気です。肺血管の収縮や肺血管の壁が厚くなるなど、血管の内側が狭くなることで肺動脈圧が上昇していきます。肺動脈圧が高くなると、肺への血液の流れが悪くなり、肺から血液に取り込まれる酸素の量が減ります。そのため、軽い動作でも息切れや呼吸困難といった症状が現れます。また、肺への血液の流れが悪くなると、肺に血液を送り出す右心室に負担がかかり続けるため、次第に右心室の働きが悪くなってしまいます。これを右心不全といい、肺高血圧症が進行した状態です。

肺高血圧症の分類

肺高血圧症は発症の原因などにより、大きく5群に分類されます。肺動脈の異常に伴い肺動脈圧が上昇する肺高血圧症を肺動脈性肺高血圧症(第1群)と言います。この第1群の肺動脈性肺高血圧症はさらに、原因が特定されていないもの(特発性)、遺伝子変異によるもの(遺伝性)、膠原病(結合組織病)や先天性心疾患などの他の疾患に関連して発症するものなどに分類されます。

ウプトラビ®錠ってどんな薬?

ウプトラビ®錠は肺動脈を広げるお薬

ウプトラビ®錠の有効成分はセレキシパグです。肺動脈を広げて血液の流れを良くすることにより、肺動脈圧を下げ、肺動脈性肺高血圧症と慢性血栓塞栓性肺高血圧症の症状を改善します。

必要なお薬の量に応じて、2種類の錠剤を組み合わせて服用します。

肺動脈を広げる仕組み

肺高血圧症の治療薬には肺動脈を広げる3つの経路が知られています。
3つの経路は、エンドセリン経路、一酸化窒素経路、プロスタサイクリン経路であり、肺動脈性肺高血圧症では3つの経路、慢性血栓塞栓性肺高血圧症では一酸化窒素経路、プロスタサイクリン経路の2つの経路のお薬が使われています。

プロスタサイクリン経路に作用するお薬は、IP受容体に作用します。IP受容体を刺激することにより、血管が広がります。ウプトラビ®錠も、このIP受容体に作用して血管を広げるお薬となります。

ウプトラビ®錠の服用方法は?

一人ひとりの最適な用量が異なるお薬

ウプトラビ®錠は患者さんごとの感受性などにより最適な用量が異なるお薬です。最適な用量を見極めるため、身体の調子に合わせて主治医と相談しながら1回に服用する量を少しずつ増やしていきます。

最適な用量を見極める – 用量調節 –

ウプトラビ®錠を初めて服用される際は、主治医の指示どおり朝食後と夕食後に0.2mgを1錠ずつ服用します。一定期間服用し、副作用の症状がない、もしくは我慢できる程度の場合は、主治医の判断のもと、お薬を増量します。お薬の用量は、1回1.6mgを上限として、我慢できない副作用などによって増やせなくなる用量まで増量していきます。あなたにとって最適な用量を見極めるために、増量の過程で、減量したり再増量したりする場合もあります。

最適な用量で治療を継続 – 維持用量 –

主治医が症状などを確認しながら、あなたの病気を治療するために最も適した用量を判断します。その⽤量を「維持用量」と言います。維持用量には個人差があり、多くても少なくても病気の重症度を直接あらわしているわけではありません。重要なことは、治療を進めるうえであなたにとっての最適な用量を見極められているかということです。

副作用によって処方されたとおりの服用が難しい場合

副作用の症状が我慢できない程度の場合には、主治医の指示をあおぐようにしてください。副作用の症状を軽減させるためのお薬が併せて処方される場合があります。また主治医が減量をすすめる場合があり、お薬の量を調節することで、副作用を減らせる可能性があります。指示どおり減量しましょう。

主治医に症状を伝えるために

用量調節中はあなたの体調がどうだったかや、主治医に相談したいことなど忘れないよう記録して、相談するとよいでしょう。

ウプトラビ®錠の服用時の注意点は?

副作用について

ウプトラビ®錠を服用すると、以下のような症状が現れることがあります。このような症状やほかに気になる症状に気づいたら、主治医または薬剤師に相談してください。

以下のような症状は肺高血圧症の症状としてみられるものもありますが、お薬による重大な副作用の可能性もあります。主治医または薬剤師に相談してください。

自覚症状と重大な副作用の可能性

ウプトラビ®錠の服用について

ウプトラビ®錠を服用できない方

以下のような方はウプトラビ®錠による治療が受けられません。
必ず主治医または薬剤師に伝えてください。

  • 以前にウプトラビ®錠を飲んで、過敏症(かゆみ、発疹など)を起こしたことがある方
  • 肝臓に重い障害がある方
  • 肺静脈閉塞性疾患を有する方

ウプトラビ®錠を慎重に服用する必要がある方

以下のような方はウプトラビ®錠を慎重に服用する必要があります。
服用を始める前に主治医または薬剤師に伝えてください。

  • 低血圧の方
  • 出血傾向またはその素因のある方
  • 肝臓に障害がある方(軽度〜中等度)
  • 腎臓に重い障害がある方
  • 妊娠中または妊娠している可能性のある方
  • 授乳中の方

こんな場合はどうする?

ウプトラビ®錠を飲み忘れてしまった場合は?

1度に2回分服用することは、絶対にやめてください。
服用できなかった場合は、すぐに主治医に連絡してください。

必ず主治医に相談し、指示に従ってください。

副作用が辛いので自分で服用する量を調整してもよい?

自分の判断でウプトラビ®錠の量を増減しないでください。

主治医の指示に従って服用してください。また急に中断すると、病状が悪化する可能性があります。耐えられない副作用が現れた場合は主治医に相談しましょう。
主治医の判断により薬の量を減らす・副作用を抑える薬を処方される場合があります。

ほかの薬と併せて服用してもよい?

事前に必ず主治医または薬剤師に相談しましょう。

ウプトラビ®錠は、単剤あるいは、ほかの肺高血圧症治療薬との組み合わせで処方されます。ほかの病気のために服用しているお薬や、新しいお薬での治療を開始する場合は主治医または薬剤師に相談しましょう。

車の運転はしてもよい?

低血圧や意識障害が起こる場合があるため、十分な注意が必要です。

Webサイトのご紹介

日本新薬株式会社では患者さん向けに各種Webサイトをご用意しています。

肺動脈性肺高血圧症と慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対して、ウプトラビ®錠がどのような働きをするのか、副作用が出た時や困った時はどうすればいいのかなど、ウプトラビ®錠の疑問について分かりやすく解説しています。本冊子に掲載している内容の詳細は上記Webサイトをご覧ください。

動画でわかる「ウプトラビ®錠を服用される方へ」

「教えてウプトラビ®錠」サイト内に掲載の動画「ウプトラビ®錠を服用される方へ」では、お薬の特徴や服用時の注意点など、アニメーションを用いて分かりやすく解説しています。服用に際して、ぜひ一度ご覧になり、患者さんごとの最適な治療にお役立てください。

肺高血圧症治療サポート

Web

肺高血圧症の病態や治療法に関する情報を提供しています。また日常生活で気をつけるべきことや、専門医からのメッセージ、医療費に関する情報などを掲載しています。

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