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骨髄異形成症候群
適正使用ガイド
投与患者の選択
1.投与対象
- 効能又は効果
-
骨髄異形成症候群
<効能又は効果に関連する注意>
臨床試験成績を熟知し、アザシチジンの有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行ってください。
- 患者の選択
- 海外臨床第Ⅲ相試験の対象患者はIPSS(International Prognostic Scoring System)分類によるInt-2又はHighであり、これらの患者への投与が推奨されます。以下の患者については使用経験がきわめて限られることから、他の治療選択肢を考慮した上で、本剤の適応となるかを慎重にご判断下さい。[「7.1 投与患者の選択(適正使用ガイドP.15~16参照)」]
- IPSSリスク分類でLowの患者
- IPSSリスク分類でLowの患者は、国内臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験及び海外臨床第Ⅲ相試験で登録されておらず、本剤の有効性及び安全性は不明です。
- IPSSリスク分類でInt-1の患者
- IPSSリスク分類でInt-1の患者は、海外臨床第Ⅲ相試験で登録されておらず、生存期間に関するエビデンスはありません。Int-1患者が含まれた国内臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験では、本剤の安全性が確認され、また、血液学的改善及び輸血依存の改善効果が確認されました。
- FAB分類でCMMLの患者
- FAB分類でCMMLの患者のうち、以下の基準に該当する患者は海外臨床第Ⅲ相試験で登録されておらず、本剤の有効性及び安全性は不明です。
IPSSでLow又はInt-1骨髄芽球10%未満白血球数≧13×109/L
- 二次性(治療関連)MDS患者
- 二次性(治療関連)MDS患者は、臨床試験で登録されておらず、本剤の有効性及び安全性は不明です。
- 造血幹細胞移植(HSCT)施行予定のある患者
- HSCT施行予定のある患者は、海外臨床第Ⅲ相試験では登録されていません。国内臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験では、HSCTが適応となる患者も登録可能でしたが、試験終了後の次治療に関する情報は収集しておらず、HSCTに対して本剤が与える影響については不明です。
<参考>IPSS(International Prognostic Scoring System)によるリスク分類
予後因子 | 配点 | ||||
---|---|---|---|---|---|
0 | 0.5 | 1 | 1.5 | 2 | |
骨髄での芽球(%) | <5 | 5~10 | - | 11~20 | 21~30 |
核型 | Good | Intermediate | Poor | ||
血球減少 | 0/1系統 | 2/3系統 |
核型: Good: 正常核型、-Y、del (5q)、del (20q) Poor: 複雑型(3個以上)、7番染色体異常 Intermediate: Good、Poor以外 血球減少: Hb<10g/dL、好中球<1,800/mm3、血小板<100,000/mm3
合計スコア | 0 | 0.5~1.0 | 1.5~2.0 | ≧2.5 |
---|---|---|---|---|
リスク分類 | Low | Intermediate-1 (Int-1) |
Intermediate-2 (Int-2) |
High |
2.禁忌
- ビダーザの成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないでください。
3.特定の背景を有する患者に関する注意
- 合併症・既往歴等のある患者
-
- 感染症を合併している患者
骨髄抑制により感染症が増悪することがあります。
- 感染症を合併している患者
- 腎機能障害患者
- 重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスが30mL/分未満)に本剤75mg/m2を1日1回5日間皮下投与したときの1日目と5日目のCmax及びAUCは、腎機能正常患者(クレアチニンクリアランスが80mL/分以上)と比べて1日目はそれぞれ1.4倍及び1.7倍、5日目は1.1倍及び1.4倍でした1)。なお、本剤の承認用法用量は75mg/m2を1日1回7日間皮下投与又は点滴静注です。
1)Laille E, et al.: Pharmacotherapy. 2014; 34: 440-51
- 肝機能障害患者
- 転移性癌による広範な腫瘍病変を有する患者(特に血清アルブミン値<3.0g/dLの患者)に対し本剤を投与中、進行性肝性昏睡により死亡に至った例が報告されています。
- 生殖能を有する者
-
- 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導してください。
- 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮してください。動物実験(マウス及びラット)で、ヒトの臨床用量を下回る用量で、本剤を投与した雄で精巣毒性が認められ、交配した雌の妊娠率の低下、異常胚の増加及び胚死亡の増加が認められています。
- パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導してください。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないでください。動物実験(マウス及びラット)で、ヒトの臨床用量を下回る用量で、胚・胎児死亡及び奇形の発生が報告されています。
- 授乳婦
- 授乳しないことが望ましいです。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがあります。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。一般に生理機能が低下していることが多いとされています。
4.文書による説明と同意
- ビダーザによる治療開始に先立ち、本剤を投与する患者本人又はその家族の方に対して、本剤の効果、予想される副作用、副作用対策等について、治療上の有効性と危険性を十分に説明してください。
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ビダーザ®の使用に際しては、最新の電子添文もあわせてご確認ください。
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