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骨髄異形成症候群
臨床成績
国内臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験9,10)(非ランダム化非盲検試験)
- 9)Uchida T, Cancer Sci,102, pp1680-1686, 2011
- 10)利益相反:本試験は日本新薬株式会社の支援により行われた。
社内資料:アザシチジンの骨髄異形成症候群に対する国内臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験(NS17-P1/2試験)(承認時評価資料)
試験概要
目的
- 主要目的
- 骨髄異形成症候群患者を対象にアザシチジンを皮下又は静脈内投与した時の薬物動態及び安全性を確認する。また、血液学的改善(IWG判定基準)を指標として、有効性を確認する。
- 副次目的
- 血液学的寛解(IWG判定基準)を指標として、有効性を確認する。
対象
骨髄異形成症候群(FAB分類のRA、RARS、RAEB、RAEB-T)の53例。但し、RA及びRARSについては、ヘモグロビン<10g/dLかつ登録前3ヵ月以内の赤血球輸血歴、血小板数<50,000/mm3もしくは出血症状、又は好中球数<1,000/mm3かつ易感染状態のうち、一つ以上該当する症例に限った。また、RAEB-Tについては、二次性(治療関連)骨髄異形成症候群は対象外とした。年齢中央値65歳(範囲35〜77歳)。
全例 | FAB分類 | IPSS | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RA | RARS | RAEB | RAEB-T | Low | Int-1 | Int-2 | High | ||
例数 (%) |
53 (100%) |
16 (30%) |
3 (6%) |
20 (38%) |
14 (26%) |
0 (0%) |
23 (43%) |
15 (28%) |
15 (28%) |
- 用法及び用量
- アザシチジン75mg/m2を1日1回7日間皮下投与又は10分かけて点滴静注し、3週間休薬する。これを1サイクルとし、投与を繰り返した。
- 投与期間
- 4サイクル。ただし、4サイクル終了時に血液学的改善以上の有効性が認められた患者については、最大18サイクルまで投与継続可能と規定した。
- 判定基準
-
有効性:IWG判定基準(2006年改訂版)による。
安全性:有害事象共通用語規準(CTCAE version 3.0)による。
評価項目
- 主要評価項目
-
有効性:血液学的改善率
薬物動態:血漿中未変化体濃度推移、薬動学的パラメータ値(Cmax、tmax、AUC0-t、AUC0-∞、t1/2、BA)
- 副次評価項目:
- 血液学的寛解率、輸血回数、抗生物質(抗菌剤又は抗真菌剤)の静脈内投与を要する感染症の発現回数
- 安全性評価項目:
- 有害事象発現率
解析計画
有効性:
- 主要評価項目
-
- 第4サイクル終了時及び最終サイクル終了/中止時に、血液学的改善率を求める。
- 第4サイクル終了時及び最終サイクル終了/中止時に、各被験者における観察期間中の最も高い血液学的改善を最良総合効果として集計する。
- 副次評価項目
-
- 第4サイクル終了時及び最終サイクル終了/中止時に、血液学的寛解率を求める。
- 第4サイクル終了時及び最終サイクル終了/中止時に、各被験者における観察期間中の最も高い血液学的寛解を最良総合効果として集計する。
薬物動態:
- 主要評価項目
- 血漿中未変化体濃度測定値を用いて、投与経路(皮下投与及び静脈内投与)毎に薬物動態パラメータを算出する。
安全性:
- 主要評価項目
- 有害事象について、MedDRA/J(version 12.0)に従って集計する。
IWG(International Working Group)による血液学的寛解及び改善の判定基準
IWG判定基準(2006年改訂版) | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
血液学的寛解の判定基準 | |||||||||||
完全寛解 Complete remission(CR) |
骨髄 | 芽球≦5% かつ3血球系統で正常な成熟を認める | |||||||||
末梢血 | 芽球0% Hb≧11g/dLPLT≧100,000/mm3 ANC≧1,000/mm3 | ||||||||||
部分寛解 Partial remission(PR) |
骨髄 | 芽球が投与前値の≧50%減少するが、>5% | |||||||||
末梢血 | CR基準と同一 | ||||||||||
骨髄寛解 Marrow CR | 芽球が投与前値の≧50%以上減少し、≦5% | ||||||||||
寛解の持続 | ≧4週間 | ||||||||||
病勢の安定 Stable disease(SD) |
PR基準に達しない >8週間増悪の徴候がない | ||||||||||
無効 Failure | 死亡、血球減少による病状増悪、骨髄芽球増加、FAB分類進行 | ||||||||||
寛解後再発 Relapse after CR or PR |
以下の1つ以上を満たす ・骨髄芽球が投与前値に戻る ・顆粒球又は血小板が寛解時最大値から≧50%減少 ・Hb≧1.5g/dL減少又は輸血依存 |
||||||||||
細胞遺伝学的奏効 Cytogenetic response |
Complete:染色体異常消失 Partial:染色体異常≧50%減少 | ||||||||||
増悪 Disease progression |
a) 芽球 < 5%の患者 : ≧ 50%増加し > 5%となった場合 b) 芽球 05~10%の患者 : ≧ 50%増加し > 10%となった場合 c) 芽球 10~20%の患者 : ≧ 50%増加し > 20%となった場合 d) 芽球 20~30%の患者 : ≧ 50%増加し > 30%となった場合 e) 以下の1つ以上を満たす ・顆粒球又は血小板が寛解時最大値から≧50%減少 ・Hb≧2g/dL減少 ・輸血依存 |
||||||||||
血液学的改善の判定基準 | |||||||||||
赤血球系改善 Erythroid Response(HI-E) |
[投与前Hb<11g/dL] | ≧1.5g/dLのHb増加 又は 投与前と比較して8週間に≧4単位の赤血球輸血減少 |
|||||||||
血小板系改善 Platelet Response(HI-P) |
[投与前PLT<100,000/mm3] | 投与前>20,000/mm3; ≧30,000/mm3のPLT増加 投与前≦20,000/mm3; ≧100%増加し>20,000/mm3 |
|||||||||
好中球系改善 Neutrophil Response(HI-N) |
[投与前ANC<1,000/mm3] | ANCが≧100%かつ>500/mm3増加 | |||||||||
改善の持続 | ≧8週間 | ||||||||||
増悪又は改善後再発 Progression or Relapse after HI |
以下の1つ以上を満たす ・顆粒球又は血小板が最大値から≧50%減少 ・Hb≧1.5g/dL減少 ・輸血依存 |
有効性
アザシチジン75mg/m2を1日1回7日間(28日毎)、中央値で7サイクル(範囲1~18)投与した。
- 血液学的寛解(副次評価項目)及び改善(主要評価項目)
- 血液学的寛解(CR+PR+marrow CR)率は28.3%(15/53例)であり、解析対象の全てのサブタイプ(FAB分類、IPSS)で寛解が認められた。血液学的寛解の基準到達までの期間(中央値)は113日であった。血液学的改善率は54.9%(28/51例)であり、解析対象の全てのサブタイプで改善が認められた。血液学的改善の基準到達までの期間(中央値)は53.5日であった。また皮下投与、点滴静注ともに血液学的寛解・改善が認められ、投与経路による明らかな差は認められなかった。
血液学的寛解率及び改善率
血液学的寛解(CR+PR+marrow CR) | 15/53例(28.3%) | |
---|---|---|
完全寛解(CR) | 8/53例(15.1%) | |
部分寛解(PR) | 0/53例(0%) | |
骨髄寛解(marrow CR) | 7/53例(13.2%) |
血液学的改善 | 28/51例(54.9%) | |
---|---|---|
赤血球系改善(HI-E) | 21/46例(45.7%) | |
血小板系改善(HI-P) | 22/33例(66.7%) | |
好中球系改善(HI-N) | 14/29例(48.3%) |
FAB分類及びIPSSによるサブタイプ別有効性(サブグループ解析)
評価項目 | 全例 | FAB分類 | IPSS | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RA | RARS | RAEB | RAEB-T | Low | Int-1 | Int-2 | High | |||
血液学的寛解[例数] (%)※ |
15/53 (28.3) |
3/16 (18.8) |
1/3 | 7/20 (35.0) |
4/14 (28.6) |
0/0 | 5/23 (21.7) |
5/15 (33.3) |
5/15 (33.3) |
|
完全寛解 (CR) |
8/53 (15.1) |
3/16 (18.8) |
1/3 | 3/20 (15.0) |
1/14 (7.1) |
0/0 | 4/23 (17.4) |
2/15 (13.3) |
2/15 (13.3) |
|
部分寛解 (PR) |
0/53 (0) |
0/16 (0) |
0/3 | 0/20 (0) |
0/14 (0) |
0/0 | 0/23 (0) |
0/15 (0) |
0/15 (0) |
|
骨髄寛解 (marrow CR) |
7/53 (13.2) |
0/16 (0) |
0/3 | 4/20 (20.0) |
3/14 (21.4) |
0/0 | 1/23 (4.3) |
3/15 (20.0) |
3/15 (20.0) |
|
血液学的改善[例数] (%)※ |
28/51 (54.9) |
8/16 (50.0) |
3/3 | 11/19 (57.9) |
6/13 (46.2) |
0/0 | 14/23 (60.9) |
6/13 (46.2) |
8/15 (53.3) |
|
赤血球系改善 (HI-E) |
21/46 (45.7) |
6/15 (40.0) |
3/3 | 9/18 (50.0) |
3/10 (30.0) |
0/0 | 10/21 (47.6) |
5/12 (41.7) |
6/13 (46.2) |
|
血小板系改善 (HI-P) |
22/33 (66.7) |
6/13 (46.2) |
1/2 | 9/9 | 6/9 | 0/0 | 10/16 (62.5) |
5/7 | 7/10 (70.0) |
|
好中球系改善 (HI-N) |
14/29 (48.3) |
3/5 | 0/1 | 8/16 (50.0) |
3/7 | 0/0 | 3/10 (30.0) |
5/9 | 6/10 (60.0) |
※10例未満の少数例のデータについては、%表記を省略した。
投与経路別有効性(サブグループ解析)
評価項目 | 全例 | 皮下投与 | 点滴静注 | |
---|---|---|---|---|
血液学的寛解[例数] (%) |
15/53 (28.3) |
7/26 (26.9) |
8/27 (29.6) |
|
血液学的改善[例数] (%) |
28/51 (54.9) |
14/26 (53.8) |
14/25 (56.0) |
![ヘモグロビン濃度の推移](/product/contents/vidaza/lib/img/product/performance/performance01/img_01.jpg)
ヘモグロビン濃度の平均値(g/dL)はベースライン時の7.4がサイクルが進行するに伴い増加し、5サイクルで9.5を超え、9サイクルまで高値を維持していた。その後はやや減少する傾向を認めたが18サイクルまでベースライン値を下回ることはなかった。
![血小板数の推移](/product/contents/vidaza/lib/img/product/performance/performance01/img_02.jpg)
血小板数の平均値(104/mm3)はベースライン時の4.4がサイクルが進行するに伴い増加し、6サイクルで14を超えた。その後はやや減少する傾向を認めたが18サイクルまでベースライン値を下回ることはなかった。
![好中球数の推移](/product/contents/vidaza/lib/img/product/performance/performance01/img_03.jpg)
好中球数の平均値(/mm3)はベースライン時の435がサイクルが進行するに伴い増加し、5サイクルで1200を超えた。その後はやや減少する傾向を認めたが、症例数が少なくなる13サイクルまでベースライン値を下回ることはなかった。
- 赤血球輸血依存状況(副次評価項目)
- ベースライン時に赤血球輸血依存であった被験者のうち、試験期間中に輸血非依存となった被験者の割合は55.6%(15/27例)であった。
投与前の 輸血状況※1 |
症例数 | 試験期間中の輸血状況※2 | |
---|---|---|---|
非依存 | 依存 | ||
依存 | 27例 | 15例 (55.6%) |
12例 (44.4%) |
※1/投与開始前56日間の輸血の有無によって判定
※2/試験期間中の連続56日以上の輸血の有無によって判定
安全性
<副作用>
n=53 | |||
---|---|---|---|
副作用発現 | 53例(100.0%) | ||
主な副作用 | |||
好中球減少症(発熱性好中球減少症を含む) | 47例(88.7%) | 倦怠感 | 27例(50.9%) |
血小板減少症 | 46例(86.8%) | 発熱 | 22例(41.5%) |
白血球減少症 | 45例(84.9%) | ALT(GPT)増加 | 20例(37.7%) |
ヘモグロビン減少 | 39例(73.6%) | 食欲不振 | 20例(37.7%) |
便秘 | 37例(69.8%) | 発疹 | 19例(35.8%) |
赤血球減少症 | 36例(67.9%) | ALP増加 | 19例(35.8%) |
注射部位反応(紅斑、発疹、そう痒感、硬結等) | 36例(67.9%) | AST(GOT)増加 | 18例(34.0%) |
ヘマトクリット減少 | 32例(60.4%) | 血中アルブミン減少 | 18例(34.0%) |
リンパ球減少症 | 28例(52.8%) |
最終解析時(国内臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験での副作用一覧参照)
<重篤な副作用>
n=53 | |||
---|---|---|---|
発熱性好中球減少症 | 7例(13.2%) | 胃癌 | 1例(1.9%) |
肺炎 | 4例(7.5%) | 赤血球減少症 | 1例(1.9%) |
敗血症 | 2例(3.8%) | 急性心不全 | 1例(1.9%) |
好中球減少性感染 | 2例(3.8%) | 心筋炎 | 1例(1.9%) |
血小板減少症 | 2例(3.8%) | 胸膜炎 | 1例(1.9%) |
心膜炎 | 2例(3.8%) | 虚血性大腸炎 | 1例(1.9%) |
蜂巣炎 | 1例(1.9%) | 腸炎 | 1例(1.9%) |
尿路感染 | 1例(1.9%) | 筋膜炎 | 1例(1.9%) |
肛門膿瘍 | 1例(1.9%) | 尿閉 | 1例(1.9%) |
筋膿瘍 | 1例(1.9%) | ヘモグロビン減少 | 1例(1.9%) |
真菌性肺炎 | 1例(1.9%) | ヘマトクリット減少 | 1例(1.9%) |
<投与中止に至った副作用>
n=53 | |
---|---|
肺炎 | 1例(1.9%) |
敗血症・真菌性肺炎 | 1例(1.9%) |
発熱性好中球減少症 | 1例(1.9%) |
心膜炎 | 1例(1.9%) |
ALT(GPT)増加 | 1例(1.9%) |
試験期間中(初回投与開始から最終投与サイクルの29日目まで)に死亡した症例はなく、試験期間終了後(最終投与日から59日後)、有害事象の追跡調査中に原疾患の悪化により死亡した症例が1例認められた。
なお本試験では悪心・嘔吐を予防するために、本剤の投与約30分前に制吐剤を投与した。
- 9.特定の背景を有する患者に関する注意
- 9.8 高齢者:患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
承認された用法及び用量:通常、成人にはアザシチジンとして75mg/m2(体表面積)を1日1回7日間皮下投与又は10分かけて点滴静注し、3週間休薬する。これを1サイクルとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。(「用法及び用量に関連する注意」については、電子添文をご参照ください。)
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