本剤は国内臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果、ならびに海外での臨床第Ⅲ相試験結果をもとに承認されたため、国内での臨床第Ⅲ相試験は実施されておりません。このため、対照薬(シタラビン、アントラサイクリン)について、一部国内の承認内容と異なる成績が含まれています。国内で承認された効能又は効果、用法及び用量については、各薬剤の添付文書をご参照ください。
高リスク(主にIPSSのInt-2又はHigh)の骨髄異形成症候群(主にFAB分類のRAEB、RAEB-T、CMML)の358例。但し、CMMLについては、末梢血単球数>1×109/L、白血球数<13×109/L、骨髄所見で一系統以上の異形成、骨髄芽球10~29%の症例に限った。また、造血幹細胞移植を行う見込みのない患者に限った。二次性(治療関連)骨髄異形成症候群は対象外とした。年齢中央値69歳(範囲38〜88歳)。
全例 | FAB分類 | IPSS | ||||||
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RAEB | RAEB-T | CMML | その他 | Int-2 | High | その他 | ||
アザシチジン群 | 179 (100%) |
104 (58%) |
61 (34%) |
6 (3%) |
8 (5%) |
76 (43%) |
82 (46%) |
21 (12%) |
通常治療群 | 179 (100%) |
103 (58%) |
62 (35%) |
5 (3%) |
9 (5%) |
70 (39%) |
85 (48%) |
24 (13%) |
75mg/m2を1日1回7日間皮下投与し、3週間休薬する。これを1サイクルとし、投与を繰り返した。疾患の増悪や治療継続困難な有害事象の発現が認められない限り投与継続可能とした。最低6サイクルを目標とした。
輸血、抗生物質、G-CSF又はGM-CSF
20mg/m2/日を28−42日毎に14日間投与(1サイクル)
最低4サイクルの投与を目標とした。
寛解導入療法:シタラビン100〜200mg/m2/日を7日間投与+アントラサイクリン※を3日間投与。
地固め療法:シタラビン100〜200mg/m2/日を5日間投与+アントラサイクリン※を2日間投与。
1コースの寛解導入療法及び最大2コースの地固め療法
※本試験で使用されたアントラサイクリン系薬剤と用法及び用量
アザシチジン、少量シタラビン療法、標準化学療法では、必要に応じて支持療法を併用した。
有害事象について、MeDRA(version 10.0)に従って集計する。
IWG判定基準(2000年版) | |||||||||||
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血液学的寛解の判定基準 | |||||||||||
完全寛解 Complete remission(CR) |
骨髄 | 芽球<5% かつ3血球系統で正常な成熟を認める | |||||||||
末梢血 | 芽球0% Hb>11g/dL PLT≧100,000/mm3 ANC≧1,500/mm3 | ||||||||||
部分寛解 Partial remission(PR) |
骨髄 | 芽球が投与前値の≧50%減少 又はFAB分類改善 | |||||||||
末梢血 | CR基準と同一 | ||||||||||
寛解の持続 | ≧8週間 | ||||||||||
病勢の安定 Stable disease(SD) | PR基準に達しない ≧2ヵ月増悪の徴候がない | ||||||||||
無効 Failure | 死亡、血球減少による病状増悪、骨髄芽球増加、FAB分類進行 | ||||||||||
寛解後再発 Relapse after CR or PR |
以下の1つ以上を満たす ・骨髄芽球が投与前値に戻る ・顆粒球又は血小板が寛解時最大値から≧50%減少 ・Hb≧2g/dL減少又は輸血依存 |
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細胞遺伝学的奏効 Cytogenetic response |
Major:染色体異常消失 Minor:染色体異常≧50%減少 | ||||||||||
増悪 Disease progression |
a) 芽球 < 5%の患者 : ≧ 50%増加し > 5%となった場合 b) 芽球 5~10%の患者 : ≧ 50%増加し > 10%となった場合 c) 芽球 10~20%の患者 : ≧ 50%増加し > 20%となった場合 d) 芽球 20~30%の患者 : ≧ 50%増加し > 30%となった場合 e) 以下の1つ以上を満たす ・顆粒球又は血小板が寛解時最大値から≧50%減少 ・Hb≧2g/dL減少 ・輸血依存 |
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AML移行 | AML転化(芽球≧30%) | ||||||||||
血液学的改善の判定基準 | |||||||||||
赤血球系改善 Erythroid Response(HI-E) |
[投与前Hb<11g/dL] | Major Response : >2g/dLのHb増加 赤血球輸血依存→非依存 Minor Response : 1-2g/dLのHb増加 赤血球輸血50%減少 |
|||||||||
血小板系改善 Platelet Response(HI-P) |
[投与前PLT<100,000/mm3] | Major Response : ≧30,000/mm3のPLT増加 血小板輸血依存→非依存 Minor Response : >10,000〜<30,000/mm3のPLT増加(≧50%増加) |
|||||||||
好中球系改善 Neutrophil Response(HI-N) |
[投与前ANC<1,500/mm3] | Major Response : >500/mm3のANC増加(≧100%増加) Minor Response : ≧100%のANC増加したが増加量が<500/mm3 |
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改善の持続 | ≧8週間 | ||||||||||
増悪又は改善後再発 Progression or Relapse after HI |
以下の1つ以上を満たす ・顆粒球又は血小板が最大値から≧50%減少 ・Hb≧2g/dL減少 ・輸血依存 |
(1)寛解導入
急性白血病の寛解導入には、シタラビンとして通常1日小児0.6〜2.3mg/kg、成人0.8〜1.6mg/kgを250〜500mLの5%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して、点滴で静脈内投与するか、又は20mLの20%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して、ワンショットで静脈内投与する。通常2〜3週間連続投与を行う。
(2)維持療法
寛解が得られた場合は、維持療法として上記用量を1週1回そのまま皮下、筋肉内投与するか、あるいは上記用法に従い静脈内投与する。
(3)シタラビン少量療法
通常、成人にはシタラビンとして以下の用量を10〜14日間皮下又は静脈内投与する。
・1回10〜20mgを1日2回
・1回20mg/m2を1日1回
(1)急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)
通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回2~5mg/m2(本剤1~2.5mL/m2)を5日間連日、3~4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(2)悪性リンパ腫
通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回2~4mg/m2(本剤1~2mL/m2)を5日間連日あるいは1回8~14mg/m2(本剤4~7mL/m2)を、3~4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
アザシチジン75mg/m2を1日1回7日間(28日毎)、中央値で9サイクル(範囲1~39)投与した。
アザシチジン群 | 通常治療群 | p(フィッシャーの正確検定) | |||||
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血液学的寛解(CR+PR) | 12/179例(6.7%) | 2/179例(1.1%) | 0.0113 | ||||
完全寛解(CR) | 7/179例(3.9%) | 2/179例(1.1%) | 0.1741 | ||||
部分寛解(PR) | 5/172例(2.9%) | 0/179例(0%) | 0.0282 | ||||
血液学的改善 | 87/177例(49.2%) | 51/178例(28.7%) | < 0.0001 | ||||
赤血球系改善(HI-E major) | 62/157例(39.5%) | 17/160例(10.6%) | < 0.0001 | ||||
血小板系改善(HI-P major) | 46/141例(32.6%) | 18/129例(14.0%) | 0.0003 | ||||
好中球系改善(HI-N major) | 25/131例(19.1%) | 20/111例(18.0%) | 0.87 |
試験期間中に 輸血非依存※になった割合 |
p (フィッシャーの正確検定) |
||
---|---|---|---|
アザシチジン群 | 50/111例(45.0%) | <0.0001 | |
通常治療群 | 13/114例(11.4%) |
※試験期間中に56日以上連続して輸血を受けなかった場合、輸血非依存と判定した。
アザシチジン群 | n=175 | ||
---|---|---|---|
好中球減少症 | 107例(61.1%) | ||
血小板減少症 | 102例(58.3%) | ||
白血球減少症 | 26例(14.9%) | ||
貧血 | 24例(13.7%) | ||
発熱性好中球減少症 | 22例(12.6%) | ||
急性骨髄性白血病 | 28例(16.0%) | ||
肺炎 | 18例(10.3%) |
通常治療群 | n=165 | ||
---|---|---|---|
血小板減少症 | 62例(37.6%) | ||
好中球減少症 | 46例(27.8%) | ||
急性骨髄性白血病 | 38例(23.0%) | ||
貧血 | 20例(12.1%) |
アザシチジン群 | n=175 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
発熱性好中球減少症 | 14例(8.0%) | クロストリジウム・ディフィシル大腸炎 | 1例(0.6%) | ||||
貧血 | 4例(2.3%) | ||||||
血小板減少症 | 3例(1.7%) | コリネバクテリウム感染 | 1例(0.6%) | ||||
好中球減少性敗血症 | 3例(1.7%) | 下気道感染 | 1例(0.6%) | ||||
肺炎 | 3例(1.7%) | 肺感染 | 1例(0.6%) | ||||
骨髄機能不全 | 2例(1.1%) | ムコール症 | 1例(0.6%) | ||||
汎血球減少症 | 2例(1.1%) | 好中球減少性感染 | 1例(0.6%) | ||||
心不全 | 2例(1.1%) | 耳下腺炎 | 1例(0.6%) | ||||
眼出血 | 2例(1.1%) | 真菌性肺炎 | 1例(0.6%) | ||||
敗血症 | 2例(1.1%) | 気道感染 | 1例(0.6%) | ||||
敗血症性ショック | 2例(1.1%) | 脾臓膿瘍 | 1例(0.6%) | ||||
脳出血 | 2例(1.1%) | 上気道感染 | 1例(0.6%) | ||||
好中球減少症 | 1例(0.6%) | 尿路感染 | 1例(0.6%) | ||||
急性心不全 | 1例(0.6%) | 骨髄線維症 | 1例(0.6%) | ||||
便秘 | 1例(0.6%) | 前立腺新生物 | 1例(0.6%) | ||||
吐血 | 1例(0.6%) | 失神 | 1例(0.6%) | ||||
直腸出血 | 1例(0.6%) | 錯乱状態 | 1例(0.6%) | ||||
口内炎 | 1例(0.6%) | 腎不全 | 1例(0.6%) | ||||
亜イレウス | 1例(0.6%) | 鼻出血 | 1例(0.6%) | ||||
全身健康状態低下 | 1例(0.6%) | 肺浸潤 | 1例(0.6%) | ||||
注射部位結節 | 1例(0.6%) | 胸水 | 1例(0.6%) | ||||
注射部位疼痛 | 1例(0.6%) | 肺臓炎 | 1例(0.6%) | ||||
気管支肺炎 | 1例(0.6%) | 肺塞栓症 | 1例(0.6%) | ||||
気管支肺アスペルギルス症 | 1例(0.6%) | 肺線維症 | 1例(0.6%) | ||||
蜂巣炎 | 1例(0.6%) | そう痒症 | 1例(0.6%) |
アザシチジン群 | n=175 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
好中球減少症 | 4例(2.3%) | 肺炎 | 1例(0.6%) | ||||
血小板減少症 | 3例(1.7%) | 腎盂腎炎 | 1例(0.6%) | ||||
発熱性好中球減少症 | 2例(1.1%) | 敗血症性ショック | 1例(0.6%) | ||||
骨髄異形成症候群 | 2例(1.1%) | 肺腺癌 | 1例(0.6%) | ||||
貧血 | 1例(0.6%) | 骨髄線維症 | 1例(0.6%) | ||||
骨髄機能不全 | 1例(0.6%) | 食道癌 | 1例(0.6%) | ||||
白血球減少症 | 1例(0.6%) | 尿路新生物 | 1例(0.6%) | ||||
甲状腺機能低下症 | 1例(0.6%) | 脳出血 | 1例(0.6%) | ||||
無力症 | 1例(0.6%) | 譫妄 | 1例(0.6%) | ||||
気管支肺アスペルギルス症 | 1例(0.6%) | うつ病 | 1例(0.6%) | ||||
クロストリジウム・ディフィシル大腸炎 | 1例(0.6%) | 精神病性障害 | 1例(0.6%) | ||||
肺線維症 | 1例(0.6%) |
試験期間中(初回投与開始から最終投与42日後まで)に死亡した症例のうち、アザシチジンとの因果関係が否定されなかったのは7例(3.9%)であり、脳出血・心停止・血小板減少症・骨髄異形成症候群、慢性閉塞性肺疾患・気道感染、吐血、敗血症性ショック・アスペルギルス症、敗血症、血小板減少症・脳内出血、心不全 各1例(0.6%)であった。
なお本試験では悪心・嘔吐を予防するために、本剤の投与約30分前に制吐剤を投与した。
承認された用法及び用量:通常、成人にはアザシチジンとして75mg/m2(体表面積)を1日1回7日間皮下投与又は10分かけて点滴静注し、3週間休薬する。これを1サイクルとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。(「用法及び用量に関連する注意」については、電子添文をご参照ください。)
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