骨髄異形成症候群(FAB分類のRA、RARS、RAEB、RAEB-T、CMML)の191例。但し、RA及びRARSについては、3ヵ月以内の赤血球輸血歴、血小板数≦50,000/mm3もしくは出血症状、又は好中球数<1,000/mm3かつ抗生物質の治療を要する感染症を合併する症例に限った。年齢中央値68歳(範囲31〜92歳)。
全例 | FAB分類 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
RA | RARS | RAEB | RAEB-T | CMML | その他 | ||
アザシチジン群 | 99 (100%) |
21 (21%) |
6 (6%) |
38 (38%) |
16 (16%) |
8 (8%) |
10 (10%) |
支持治療群 | 92 (100%) |
18 (20%) |
5 (5%) |
39 (42%) |
14 (15%) |
7 (8%) |
9 (10%) |
プロスペクティブに試験を実施したが、クロスオーバー群の影響を回避するため、レトロスペクティブに再収集し解析する。
有害事象について、MedDRA(version 10.0)又はMedDRA SMQ20000039に従って集計する。
CALGB判定基準 | ||
---|---|---|
血液学的寛解の判定基準 | ||
完全寛解 Complete remission(CR) |
骨髄 | 芽球<5% |
末梢血 | 芽球0% Hb≧13.3(男性)11.7g/dL(女性) PLT≧140,000/mm3 ANC≧1,800/mm3 WBC≧4,300/mm3 | |
部分寛解 Partial remission(PR) |
骨髄 | 芽球が投与前値の≧50%減少(RA、RARSは規定なし) |
末梢血 | 芽球0% WBC、Hb、PLTの≧50%回復(投与前異常値の場合) | |
寛解の持続 | ≧4週間 | |
病勢の安定 Stable disease(SD) |
CR、PR、Improvement、Disease progressionに該当しない | |
寛解後再発 Relapse after CR or PR |
CR→芽球>5% PR→芽球>30% RA、RARS、CMMLの改善例が以下の1つ以上を満たす ・2系統の血球の投与前レベルへの減少 ・輸血依存 |
|
増悪 Disease progression |
RA、RARS:芽球≧15% RAEB:芽球25% RAEB-T:芽球30% CMML:投与前芽球<5%→≧15% | |
血液学的改善の判定基準 | ||
血液学的改善 | CR、PR基準に達しないが、末梢血の1系統以上で≧50%の回復又は赤血球/血小板輸血の≧50%減少のいずれかが4週間以上持続した場合、血液学的改善と判定する。 |
アザシチジン75mg/m2を1日1回7日間(28日毎)投与した。
アザシチジン群 (N=99) |
支持療法群 (クロスオーバー前) (N=92) |
支持療法単独群 (N=41) |
クロスオーバー群 (N=51) |
||
---|---|---|---|---|---|
血液学的寛解(CR+PR) | 16/99(16.2%) | 0/92(0%) | 0/41(0%) | 6/51(11.8%) | |
完全寛解(CR) | 6/99(6.1%) | 0/92(0%) | 0/41(0%) | 3/51(5.9%) | |
部分寛解(PR) | 10/99(10.1%) | 0/92(0%) | 0/41(0%) | 3/51(5.9%) | |
血液学的改善(CR、PRを除く) | 33/99(33.3%) | 18/92(19.6%) | 5/41(12.2%) | 17/51(33.3%) |
アザシチジン群 | n=150 |
---|---|
アザシチジン群(99例)と試験途中で支持療法群からアザシチジン群にクロスオーバーされた症例(51例)を含む | |
貧血 | 91例(60.7%) |
血小板減少症 | 84例(56.0%) |
白血球減少症 | 56例(37.3%) |
好中球減少症 | 36例(24.0%) |
支持療法群※ | n=92 |
---|---|
貧血 | 45例(48.9%) |
血小板減少症 | 28例(30.4%) |
白血球減少症 | 11例(12.0%) |
※試験を中止又はアザシチジン群にクロスオーバーするまでの期間
アザシチジン群 | n=150 | ||
---|---|---|---|
アザシチジン群(99例)と試験途中で支持療法群からアザシチジン群にクロスオーバーされた症例(51例)を含む | |||
発熱性好中球減少症 | 14例(9.3%) | ブラストミセス症 | 1例(0.7%) |
発熱 | 13例(8.7%) | 注射部位感染 | 1例(0.7%) |
血小板減少症 | 7例(4.7%) | レンサ球菌性咽頭炎 | 1例(0.7%) |
貧血 | 3例(2.0%) | 敗血症 | 1例(0.7%) |
心房細動 | 2例(1.3%) | 血便 | 1例(0.7%) |
心肺停止 | 2例(1.3%) | 脱水 | 1例(0.7%) |
腹痛 | 2例(1.3%) | 骨痛増悪 | 1例(0.7%) |
胃腸出血 | 2例(1.3%) | 筋力低下 | 1例(0.7%) |
胸痛 | 2例(1.3%) | 頸部痛 | 1例(0.7%) |
肺炎 | 2例(1.3%) | 四肢痛 | 1例(0.7%) |
血尿 | 2例(1.3%) | 頭蓋内出血 | 1例(0.7%) |
貧血増悪 | 1例(0.7%) | 失神 | 1例(0.7%) |
白血球減少症 | 1例(0.7%) | 錯乱 | 1例(0.7%) |
好中球減少症 | 1例(0.7%) | うつ病 | 1例(0.7%) |
うっ血性心不全 | 1例(0.7%) | 腰腹痛 | 1例(0.7%) |
うっ血性心筋症 | 1例(0.7%) | 腎不全 | 1例(0.7%) |
憩室炎 | 1例(0.7%) | 呼吸困難 | 1例(0.7%) |
メレナ | 1例(0.7%) | 労作性呼吸困難 | 1例(0.7%) |
直腸周囲膿瘍 | 1例(0.7%) | 肺浸潤 | 1例(0.7%) |
疲労増悪 | 1例(0.7%) | 呼吸窮迫 | 1例(0.7%) |
全身性炎症反応症候群 | 1例(0.7%) | 壊疽性膿皮症 | 1例(0.7%) |
脱力 | 1例(0.7%) | そう痒性皮疹 | 1例(0.7%) |
胆嚢炎 | 1例(0.7%) | 胆嚢切除 | 1例(0.7%) |
過敏症 | 1例(0.7%) |
アザシチジン群 | n=150 |
---|---|
アザシチジン群(99例)と試験途中で支持療法群からアザシチジン群にクロスオーバーされた症例(51例)を含む | |
注射部位疼痛 | 1例(0.7%) |
注射部位反応 | 1例(0.7%) |
白血球減少症 | 1例(0.7%) |
そう痒性皮疹 | 1例(0.7%) |
試験期間中(初回投与開始から最終投与30日後まで)に死亡した症例は全アザシチジン群で13例(8.7%)であり、薬剤との因果関係は不明である。
死因は、心肺停止2例(1.3%)、壊死性大腸炎、呼吸不全、肺炎、骨髄機能不全・急性白血病、頭蓋内出血、心停止、感染症、中枢神経系出血、感染症の可能性・骨髄異形成症候群、骨髄異形成症候群、冠動脈疾患各1例(0.7%)であった。
承認された用法及び用量:通常、成人にはアザシチジンとして75mg/m2(体表面積)を1日1回7日間皮下投与又は10分かけて点滴静注し、3週間休薬する。これを1サイクルとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。(「用法及び用量に関連する注意」については、電子添文をご参照ください。)
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