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安全性
副作用
死亡を含む重篤な副作用
認められませんでした。
減量・投与中止に至った副作用
認められませんでした。
その他の副作用
5%以上 | 5%未満 | |
---|---|---|
循環器 | BNP増加、駆出率減少 | |
消化器 | 腹痛、下痢 | |
皮膚 | 蕁麻疹 | 湿疹、発疹、毛髪変色 |
腎臓 | NAG増加 | β2ミクログロブリン増加 |
その他 | 発熱、インターロイキン濃度増加 | 注射部位紅斑、注射部位漏出 |
<国内第Ⅰ/Ⅱ相試験>
副作用は40 mg/kg群で37.5%(3/8例)、80 mg/kg群で75.0%(6/8例)認められました。主な副作用は、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)増加、駆出率減少、蕁麻疹、NAG増加、発熱、インターロイキン濃度増加が各2例でした14)。
14)Komaki H, et al.: Ann Clin Transl Neurol. 2020; 7: 2393-408.
14)Komaki H, et al.: Ann Clin Transl Neurol. 2020; 7: 2393-408.
<海外第Ⅱ相試験>
副作用は認められませんでした15)。
15)Clemens PR, et al.: JAMA Neurol. 2020; 77: 982-91.
15)Clemens PR, et al.: JAMA Neurol. 2020; 77: 982-91.
副作用一覧
国内第Ⅰ/Ⅱ相試験で認められた副作用一覧を表に示しました。副作用発現率は40 mg/kg群で37.5%(3/8例)、80 mg/kg群で75.0%(6/8例)でした。全例で10%以上の副作用は、発熱、NAG増加、BNP増加、駆出率減少、インターロイキン濃度増加、蕁麻疹で、各12.5%(各2/16例)でした。 なお、海外第Ⅱ相試験では、副作用は認められませんでした。
全例 (n=16) |
40 mg/kg (n=8) |
80 mg/kg (n=8) |
|
---|---|---|---|
発現例数(%) | 9(56.3) | 3(37.5) | 6(75.0) |
発現件数 | 27 | 4.0 | 23 |
腹痛 | 1(6.3) | 0.0 | 1(12.5) |
下痢 | 1(6.3) | 0.0 | 1(12.5) |
発熱 | 2(12.5) | 0.0 | 2(25.0) |
注射部位紅斑 | 1(6.3) | 0.0 | 1(12.5) |
NAG増加 | 2(12.5) | 0.0 | 2(25.0) |
BNP増加 | 2(12.5) | 1(12.5) | 1(12.5) |
駆出率減少 | 2(12.5) | 0.0 | 2(25.0) |
インターロイキン濃度増加 | 2(12.5) | 1(12.5) | 1(12.5) |
β2ミクログロブリン増加 | 1(6.3) | 0.0 | 1(12.5) |
蕁麻疹 | 2(12.5) | 0.0 | 2(25.0) |
湿疹 | 1(6.3) | 1(12.5) | 0 |
毛髪変色 | 1(6.3) | 0.0 | 1(12.5) |
発疹 | 1(6.3) | 0.0 | 1(12.5) |
- 例数(%)
- MedDRA/J ver 20.1
[参考1:重篤な有害事象]
死亡
いずれの試験においても死亡に至った有害事象は認められませんでした。
死亡以外の重篤な有害事象
重篤な有害事象は、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験の80 mg/kg群で上気道感染1例、海外第Ⅱ相長期投与試験の80 mg/kg群で下肢骨折1例が認められましたが、いずれも治験薬との因果関係は否定され、治験薬投与を継続したままで、回復しました。
中止、減量、休薬に至った有害事象
いずれの試験においても、中止又は減量に至った有害事象は認められませんでした。
休薬に至った有害事象が、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験の40 mg/kg群で2例(湿疹、インフルエンザ)、海外第Ⅱ相長期投与試験で2例(発熱・ウイルス感染、注射部位漏出)認められました。注射部位漏出は投与を15分間中断後に再開し、それ以外は1回分の投与を休薬した後、投与を再開しました。
[参考2:注目すべき有害事象]
腎機能関連の有害事象
腎機能に関連する有害事象として、NAG増加が国内第Ⅰ/Ⅱ相試験では、40 mg/kg群1例、80 mg/kg群2例に認められ、国内第Ⅰ相試験では9例に認められましたが、海外第Ⅱ相試験及び海外第Ⅱ相長期投与試験では、認められませんでした。
国内第Ⅰ/Ⅱ相試験や国内第Ⅰ相試験で発現したNAG増加は、本剤の継続投与による腎臓への負荷の可能性が考えられましたが、いずれもGrade 1であり、臨床的に問題となる腎障害は示されませんでした。その他の尿中蛋白陽性、尿中血陽性、血尿、尿中アルブミン陽性、α1ミクログロブリン増加、β2ミクログロブリン増加、シスタチンC増加についても、ほとんどがGrade 1で、無処置で回復しており、臨床上問題にはならないと考えられました。
以上から、非臨床毒性試験では腎臓の近位尿細管への影響が認められましたが、臨床試験においては本剤投与により臨床的に問題となる腎機能への影響は認められませんでした。
薬剤過敏症
いずれの臨床試験においても、重篤な薬剤過敏症の既往歴をもつ患者は除外していました。また、臨床試験において、本剤と因果関係のある薬剤過敏症は認められませんでした。
皮膚障害
湿疹、発疹、蕁麻疹等の皮膚障害に関連する有害事象が、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験で7例、海外第Ⅱ相試験で2例、海外第Ⅱ相長期投与試験で8例認められました。
その中には、毛髪変色1例(国内第Ⅰ/Ⅱ相試験)が含まれていました。ビルテプソ®のオフターゲット作用検討試験で、毛幹の脱色又は低色素化を伴うことのある先天性貧毛症に関連する遺伝子が検出されていますが、臨床試験では貧毛等の有害事象は認められておらず、これらの有害事象とオフターゲット作用との関連性は明らかにはなっていません。
注射部位反応
注射部位疼痛、注射部位反応等の注射部位に関連する有害事象は、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験4例、海外第Ⅱ相試験3例、海外第Ⅱ相長期投与試験3例、国内第Ⅰ相試験1例に認められましたが、いずれもGrade 1で回復しており、臨床上問題となる注射部位反応は認められませんでした。
医薬品リスク管理計画における安全性検討事項
安全性検討事項 | ||
---|---|---|
【重要な特定されたリスク】 | 【重要な潜在的リスク】 | 【重要な不足情報】 |
該当なし |
|
|
(1)重要な潜在的リスク
過敏症
いずれの臨床試験も重篤な薬剤過敏症の既往歴をもつ患者を除外基準に規定していました。臨床試験では、海外第Ⅱ相試験40 mg/kg群で薬剤過敏症1例が認められました。この症例は、Day 1にGrade 1の薬剤過敏症を発現し、無処置で翌日回復しました。この薬剤過敏症は、テガダームによる接触性のアレルギー反応と判断され、治験薬との因果関係は否定されました。
しかし、本剤はサルを用いた毒性試験において抗ビルトラルセン抗体産生が認められました。血漿中薬物濃度に影響はなく、薬物アレルギーを示唆する所見は認められませんでしたが、発現した場合は重大な転帰をたどる可能性があることから、本剤成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
腎機能障害
マウス及びサルを用いた非臨床毒性試験において、BUNの上昇、病理組織学的検査での腎尿細管の拡張や好塩基性尿細管等、腎臓に対する毒性が認められました。
国内第Ⅰ相試験では、10例中9例にNAG増加、2例にβ2ミクログロブリン増加、2例にシスタチンC増加が発現しました。
国内第Ⅰ/Ⅱ相試験では16例中3例にNAG増加が、1例にα1ミクログロブリン増加、1例にβ2ミクログロブリン増加が発現しましたが、いずれも本剤の投与を継続したまま無処置で回復しました。また、海外臨床試験では73週投与においても腎機能障害のマーカーに変動は認められていません。
これらの臨床試験での腎機能障害は一定の発現傾向を示さず、発現したものは全て非重篤でした。しかしながら、本剤は腎排泄型の薬剤であること、及び非臨床毒性試験での所見は本剤が腎臓に高濃度に分布することに起因すると考えられることから、経過観察を十分に行ってください。
尿管における移行上皮癌・泌尿器系への影響
rasH2マウスを用いたがん原性試験において、尿管に移行上皮癌が認められました。この移行上皮癌は、尿路において不溶化した本剤が尿管壁の移行上皮細胞を継続的に物理的に刺激した結果、腫瘍化した可能性が高いと考えられました。マウスと比較してヒトでは尿中で本剤が不溶化しにくいと考えられること、また、尿管径が大きいことを踏まえると、ヒトにおいて大きなリスクとなる可能性は低いと考えられます。しかし、現時点ではヒトにおけるリスクは明確ではないことから、投与中は経過観察を十分に行ってください。
(2)重要な不足情報
長期投与患者及び原疾患が進行した患者における安全性プロファイル
国内臨床試験の投与期間は最長で24週間、海外臨床試験では73週間でした。市販後の使用実態下では、さらに長期にわたって治療を継続する場合も想定されますが、73週を超える長期投与時の安全性は確立されていません。また、国内臨床試験では、心肺機能等の低下等、原疾患が進行した患者は除外されていました。市販後の使用実態下では、原疾患が進行した患者への投与も想定されますが、これらの患者での安全性は確立されていません。
4歳未満の患者における安全性プロファイル
国内外臨床試験における本剤投与の最少年齢は4歳でした。市販後の使用実態下では、4歳未満の患者への投与も想定されますが、4歳未満の患者における安全性は確立されていません。
腎機能障害を有する患者における安全性プロファイル
本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能障害患者では本剤の排泄が遅延する可能性が考えられます。国内臨床試験では重度の腎疾患を有する患者は除外されていました。しかし、市販後の使用実態下では、腎機能障害を有する患者への投与も想定されます。腎機能障害を有する患者での安全性は確立されていません。
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