特性
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ビルトラルセンは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の原因遺伝子であるジストロフィンのエクソン53を標的とするアンチセンス核酸です。ビルトラルセンがジストロフィンmRNA前駆体のエクソン53の一部に結合してエクソン53がスキッピングすると、エクソン54以降のアミノ酸の読み取り枠が回復します。すると、正常よりも短いですが、両端の構造を保持したジストロフィンが発現します。これにより、DMDに対する作用を示すと考えられています。
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ビルテプソ®の投与対象は、遺伝子検査によりエクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失(エクソン43-52、45-52、47-52、48-52、49-52、50-52、52欠失等)が確認されているDMD患者です。
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国内第Ⅰ/Ⅱ相試験において、5歳以上13歳未満のDMD男性患者に、ビルテプソ®80 mg/kgを週1回、12週間又は24週間静脈内投与したところ、骨格筋においてジストロフィンの発現が認められました(p=0.0364、対応のあるt検定)。
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海外第Ⅱ相試験において、歩行可能な4歳以上10歳未満のDMD男性患者に、ビルテプソ®40 mg/kg又は80 mg/kgを週1回、20週間又は24週間静脈内投与したところ、骨格筋においてジストロフィンの発現が確認されました(ミオシン重鎖:p=0.0004、p=0.0123、p<0.0001、α-アクチニン:p=0.0012、p=0.0074、p<0.0001、対応のあるt検定)。また、時間機能検査(運動機能評価)を自然歴群と比較したところ、10 m歩行/走行時間(速度及び秒)、床からの立ち上がり時間(秒)及び6分間歩行距離について、有意差が認められました(p=0.0029、p=0.0462、p=0.0366、p=0.0471、反復測定混合モデル解析(MMRM))。
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ビルテプソ®の主な副作用は、発熱、N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)増加、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)増加、駆出率減少、インターロイキン濃度増加、蕁麻疹でした。
電子添文の副作用の項目及び臨床成績の項の安全性の結果をご参照ください。
注)国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(NS065/NCNP01-P1/2)、海外第Ⅱ相試験(NS-065/NCNP-01-201)は用量設定試験のため、承認外用量が使用された症例が含まれています。
ビルテプソ®は、条件付き早期承認品目およびRMP対象製品に指定されています。現在、検証的臨床試験において、有効性と安全性を確認中です。ビルテプソ®の国内外における使用経験は限られているため、販売開始後に未知の副作用が発現する可能性があります。そのため、ビルテプソ®投与期間中には副作用に関して注意深い経過観察が必要となります。ビルテプソ®の投与に際しましては、最新の電子添文及び適正使用ガイドをご参照のうえ、適正使用にご協力いただきますようお願いいたします。