骨髄抑制
- 好中球減少症、白血球減少症、血小板減少症等があらわれることがありますので、本剤の治療開始前、治療期間中は定期的に血液検査を行う等、患者の状態を十分に観察してください。
- 骨髄抑制は遷延性に推移することがあるため、投与終了後も血球が回復するまで検査を継続してください。
- 特に重度の好中球減少症の場合は重篤な感染に、重度の血小板減少症は重篤な出血につながるおそれがありますので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬等の適切な処置を行ってください。
症状
発熱性好中球減少症、血小板減少症、貧血、白血球減少症、好中球減少症、リンパ球減少症、播種性血管内凝固、汎血球減少症 等
発現状況
海外第Ⅲ相試験(CLTR0310-301試験)
骨髄抑制※に関連する有害事象はビキセオス群で153例中108例(70.6%)、7+3療法群で151例中109例(72.2%)に認められ、そのうち重篤な骨髄抑制はビキセオス群で16例(10.5%)、7+3療法群で9例(6.0%)でした。
ビキセオス群 (n=153) |
7+3療法群 (n=151) |
||
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発現例数 | 全Grade | 108(70.6%) | 109(72.2%) |
Grade ≧3 | 105(68.6%) | 108(71.5%) | |
発熱性好中球減少症 | 全Grade | 107(69.9%) | 108(71.5%) |
Grade ≧3 | 104(68.0%) | 107(70.9%) |
有害事象のGradeはCTCAE ver.3.0に、集計に用いた用語はMedDRA ver.16.0に準拠
- ※ MedDRA SMQの「造血障害による血球減少症(狭域)」に該当する事象を集計した。
ビキセオス群 | 7+3療法群 | |||
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n/N | 中央値(日) [Q1, Q3] |
n/N | 中央値(日) [Q1, Q3] |
|
ITT集団*1 | ||||
好中球数回復(≧1,000/μL)までの期間 | 73/153 | 44 [36, 64] |
52/156 | 35 [29, 未到達] |
血小板数回復(≧100,000/μL)までの期間 | 65/153 | 49 [37, 132] |
44/156 | 44 [30, 163] |
CR到達例 | ||||
寛解導入療法第1サイクルのみ受けた患者 | ||||
好中球数回復(≧1,000/μL)までの期間 | 47/47 | 37 [30, 42] |
28/28 | 29 [28, 35] |
血小板数回復(≧100,000/μL)までの期間 | 47/47 | 40 [34, 47] |
28/28 | 30 [28, 35.5] |
寛解導入療法第2サイクルまで受けた患者*2 | ||||
好中球数回復(≧1,000/μL)までの期間 | 10/10 | 34.5 [28, 42] |
12/12 | 28 [24, 29.5] |
血小板数回復(≧100,000/μL)までの期間 | 10/10 | 35.5 [33, 42] |
12/12 | 28.5 [22, 33.5] |
CR又はCRi到達例 | ||||
寛解導入療法第1サイクルのみ受けた患者 | ||||
好中球数回復(≧500/μL)までの期間 | 58/58 | 35 [29, 41] |
34/34 | 29 [28, 35] |
血小板数回復(≧50,000/μL)までの期間 | 56/58 | 36.5 [29, 43] |
32/34 | 29 [27, 36] |
寛解導入療法第2サイクルまで受けた患者*2 | ||||
好中球数回復(≧500/μL)までの期間 | 15/15 | 35 [28, 44] |
18/18 | 28 [22, 29] |
血小板数回復(≧50,000/μL)までの期間 | 14/15 | 35 [28, 48] |
17/18 | 24 [21, 29] |
N:各グループの該当例数、n:記載の値まで回復した例数
Q1:25パーセンタイル値、Q3:75パーセンタイル値、CR:完全寛解、CRi:血球数の回復が不完全なCR
- *1 7+3療法群の5例で、治験薬が投与されなかったため回復までの期間の算出が不可能であった。
- *2 回復までの期間は寛解導入療法2サイクル目の開始日から起算した。
国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(NS87-P1-2試験)
骨髄抑制※に関連する有害事象は47例中43例(91.5%)に認められ、そのうち重篤な骨髄抑制は11例(23.4%)でした。なお、死亡に至った骨髄抑制は認められませんでした。
ビキセオス群 (n=47) |
||
---|---|---|
発現例数 | 全Grade | 43(91.5%) |
Grade ≧3 | 42(89.4%) | |
発熱性好中球減少症 | 全Grade | 40(85.1%) |
Grade ≧3 | 38(80.9%) | |
血小板減少症 | 全Grade | 28(59.6%) |
Grade ≧3 | 28(59.6%) | |
白血球減少症 | 全Grade | 15(31.9%) |
Grade ≧3 | 15(31.9%) | |
好中球減少症 | 全Grade | 15(31.9%) |
Grade ≧3 | 15(31.9%) | |
リンパ球減少症 | 全Grade | 6(12.8%) |
Grade ≧3 | 6(12.8%) | |
好中球数減少 | 全Grade | 5(10.6%) |
Grade ≧3 | 5(10.6%) | |
血小板数減少 | 全Grade | 5(10.6%) |
Grade ≧3 | 5(10.6%) | |
白血球数減少 | 全Grade | 5(10.6%) |
Grade ≧3 | 5(10.6%) |
有害事象のGradeはCTCAE ver.5.0に、集計に用いた用語はMedDRA/J ver.22.0に準拠
- ※ MedDRA SMQの「造血障害による血球減少症(狭域)」に該当する事象を集計した。
第Ⅰ相パート | 第Ⅱ相パート | 全体 | ||||
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n/N | 中央値(日) [Q1, Q3] |
n/N | 中央値(日) [Q1, Q3] |
n/N | 中央値(日) [Q1, Q3] |
|
FAS集団 | ||||||
好中球数回復(≧1,000/μL) までの期間 |
4/5 | 36 [33, 40] |
27/35 | 34 [3, 43] |
31/40 | 36 [3, 43] |
血小板数回復(≧100,000/μL) までの期間 |
5/5 | 3 [3, 5] |
21/35 | 38 [3, 73] |
26/40 | 36 [3, 55] |
CR到達例 | ||||||
寛解導入療法第1サイクルのみ受けた患者 | ||||||
好中球数回復(≧1,000/μL) までの期間 |
3/3 | 36 [3, 40] |
12/12 | 35 [28, 40.5] |
15/15 | 36 [27, 40] |
血小板数回復(≧100,000/μL) までの期間 |
3/3 | 3 [3, 29] |
12/12 | 35 [28, 39] |
15/15 | 29 [3, 38] |
CR又はCRi到達例 | ||||||
寛解導入療法第1サイクルのみ受けた患者 | ||||||
好中球数回復(≧500/μL) までの期間 |
3/3 | 36 [3, 40] |
17/18 | 29 [3, 40] |
20/21 | 29 [3, 40] |
血小板数回復(≧50,000/μL) までの期間 |
3/3 | 3 [3, 29] |
17/18 | 6.5 [3, 29] |
20/21 | 5 [3, 29] |
N:各グループの該当例数、n:記載の値まで回復した例数(イベント数)
Q1:25パーセンタイル値、Q3:75パーセンタイル値、CR:完全寛解、CRi:血球数の回復が不完全なCR
イベント発生前かつ治療期継続中にデータカットオフを迎えた場合は、データカットオフ日を打ち切り日とした。
回復までの期間は寛解導入療法の最終サイクルの初回治療日から起算した。
海外第Ⅰ相試験(CPX-MA-1201試験)(小児等)
用量探索期及び維持期にビキセオス100ユニット/m2を投与した患者22例に認められた骨髄抑制※に伴う血液障害及び臨床検査値異常は以下のとおりでした。なお、本試験の治療期(最終投与30日後まで)において死亡例は認められませんでした。
ビキセオス 100ユニット/m2 投与群(n=22) |
|||
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血液およびリンパ系障害 | |||
発熱性好中球減少症 | 全Grade | 19(86.4%) | |
Grade ≧3 | 19(86.4%) | ||
貧血 | 全Grade | 19(86.4%) | |
Grade ≧3 | 19(86.4%) | ||
臨床検査 | |||
血小板数減少 | 全Grade | 21(95.5%) | |
Grade ≧3 | 21(95.5%) | ||
白血球数減少 | 全Grade | 16(72.7%) | |
Grade ≧3 | 16(72.7%) | ||
リンパ球数減少 | 全Grade | 14(63.6%) | |
Grade ≧3 | 14(63.6%) | ||
好中球数減少 | 全Grade | 11(50.0%) | |
Grade ≧3 | 11(50.0%) |
有害事象のGradeはCTCAE ver.4.0に、集計に用いた用語はMedDRA ver.21.0に準拠
- ※ MedDRA SOC「血液およびリンパ系障害」及び「臨床検査」に該当する事象を集計した。
予防
本剤の投与にあたっては、各種ガイドラインを参考にG-CSF製剤の適切な使用について考慮してください。