安全性薬理試験及び毒性試験

安全性薬理試験23)

  1. 23)社内資料:安全性薬理試験
動物種
(性別、動物数/群)
投与方法 投与量
(ユニット/kg)
特記すべき所見
中枢神経系
神経学的評価 SDラット
(雌雄:5~10)
持続静脈内(1時間)、3回/週を3週間ごとに2サイクル*1 0、5、10、15/10*2

5ユニット/kg:著変なし

10ユニット/kg以上:重篤な毒性発現のため評価不可

心血管系
12誘導心電図 Beagleイヌ
(雌雄:1~3)
持続静脈内(1時間)、3回/週を3週間ごとに2サイクル*1 NS-87:0、1、2、3*3
AraC・DNR混合物:2*4

NS-87投与群
 2ユニット/kg以下:影響なし
 3ユニット/kg:7日目は影響なし、
 33日目は重篤な毒性発現のため評価不可

AraC・DNR混合物投与群
 影響なし

呼吸器系
一般状態観察及び
病理組織学的検査
SDラット
(雌雄:5~10)
持続静脈内(1時間)、3回/週を3週間ごとに2サイクル*1 0、5、10、15/10

10ユニット/kg以上の投与群において、一般状態悪化に関連した努力呼吸や呼吸数の増加が認められた

病理組織学的所見は認められなかった

一般状態観察及び
病理組織学的検査
Beagleイヌ
(雌雄:1~3)
持続静脈内(1時間)、3回/週を3週間ごとに2サイクル*1 NS-87:0、1、2、3*3
AraC・DNR混合物:2*4

2ユニット/kg以上の投与群において、一般状態悪化に関連した努力呼吸や呼吸数の増加が認められた

病理組織学的所見は認められなかった

  1. *1 1、3、5、22、24及び26日目投与
  2. *2 15ユニット/kg投与群は死亡及び瀕死を含む重度の一般状態悪化が認められたため、3又は5日目投与から投与量を10ユニット/kgに減量した
  3. *3 2ユニット/kg以上の投与群は第1サイクル投与後に死亡あるいは重度の状態悪化が認められたため、第2サイクルの投与を実施していない
  4. *4 非リポソーム型のAraC及びDNRの混合製剤(2:0.88mg/kg AraC:DNR)

毒性試験

1. 単回投与毒性試験(ラット、イヌ)24)

  1. 24)社内資料:単回投与毒性試験
動物種
(性別、動物数/群)
投与経路 用量*1
(mg/kg)
主な急性毒性に関連する所見 概略の致死量
(mg/kg)
SDラット
(雌雄、各5例)
静脈内 0/0*2
5/2.2
10/4.4
15/6.6
20/8.8
特記すべき所見なし >20/8.8
Beagleイヌ
(雌雄、各1例)
静脈内 0/0*2
0/0*3
1.5/0.66
3/1.32
6/2.64
死亡例: 6/2.64:1/1例(雌雄)
3/1.32:1/1例(雌)
活動性低下、衰弱、吐き気、削痩、脱水、低体温、振戦、咳嗽、ラッセル音、皮膚・歯肉蒼白、流延、糞便異常(軟便・液状便・淡色/緑色/暗色、赤色・黄色・白色粘液混入)、鼻・口腔・肛門赤色液体分泌、橙色尿、体重・摂餌量低下、消化管粘膜変色(暗赤色・黒色)、心臓・腎臓・肺・子宮・膀胱・膣・胸腺暗赤色化、消化管・心臓・膀胱・胸腺・肺出血、肺細菌感染
生存例: 3/1.32:流涎、活動性低下、脱水、衰弱、咳嗽、歯肉蒼白、糞便異常(軟便・液状・淡色・暗色・黄色粘液物質)、拒食、体重・摂餌量低値
3/1.32
  1. *1 AraC/DNR
  2. *2 生理食塩液
  3. *3 溶媒(銅含有リポソーム溶液)

2. 反復投与毒性試験(ラット、イヌ)25)

  1. 25)社内資料:反復投与毒性試験
動物種
(性別、動物数/群)
投与経路 投与期間 用量*1
(mg/kg)
主な所見 無毒性量
(mg/kg/日)
SDラット
(雌雄、各10例)
静脈内 2サイクル*2 0/0*3
5/2.2
10/4.4
15/6.6*4
死亡例: 15/6.6:15/15例(雄)、15/15例(雌)
10/4.4:7/10例(雄)、7/10例(雌)
グルーミング減少、被毛粗剛、眼瞼下垂、活動性低下、円背位、蒼白、脱水、正向反射低下・消失、努力呼吸、糞便異常、副腎・腎臓・膵臓・小腸・胃・リンパ節・心臓・肺暗色化/退色、骨髄・脾臓・胸腺・リンパ節細胞減少、小腸陰窩上皮・大腸腺上皮壊死
生存例: ≧5/2.2:白血球数・リンパ球数・好酸球数・赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット・血小板数低値、胸腺・脾臓重量低値、骨髄の造血細胞減少*8、脾臓リンパ球減少・萎縮*8、胸腺リンパ球減少・萎縮、血中銅濃度高値(雌雄)、体重・体重増加量・摂餌量低値、前立腺重量低値(雄)
≧10/4.4:摂餌量低値(雌)
<5/2.2
Beagleイヌ
(雌雄、各3例)
静脈内 2サイクル*2
+回復4週間
0/0*3
0/0*5 1/0.44
2/0.88*6
3/1.32
比較対照*7
2/0.88
死亡例: 2/0.88:1/3例(雄)、1/3例(雌)
3/1.32:5/5例(雄)、5/5例(雌)
ケージトレー上の赤色・黄色・無色液体・緑色粘液状物質、糞便異常、嘔吐、活動性低下、横臥位、脱水、削痩、摂餌量低値、脾臓小型化、下顎・縦隔・腸間膜・気管気管支リンパ節・腸管粘膜の暗色化、骨髄の造血細胞減少、結腸腺性粘膜壊死、脾臓リンパ球壊死・萎縮、胸腺リンパ球減少、小腸腸管関連リンパ組織萎縮、小腸粘膜陰窩上皮壊死、血中銅濃度高値*9
生存例: 2/0.88:活動性低下、脱水、糞便色異常、体重・摂餌量低値(雌雄)、脾臓リンパ球萎縮・壊死(雄)
1/0.44:白血球数・血小板数低値、RDW・HDW高値、胸腺・脾臓重量変動(雌雄)、リンパ球数低値、M/E比低値、副腎・肝臓・肺相対重量高値(雄)
比較対照: 嘔吐、摂餌量低値、白血球数・血小板数・リンパ球数低値、RDW高値、M/E比低値、胸腺重量低値、脾臓重量変動(雌雄)、活動性低下、衰弱、円背位、正向反射遅延・消失、脱水、副腎・肝臓・肺相対重量高値、胸腺リンパ球減少(雄) 回復性:あり
<1/0.44
  1. *1 AraC/DNR
  2. *2 1サイクルを21日間とし、各サイクルの第1週目に1日おきに3回投与
  3. *3 生理食塩液
  4. *4 全例において、一般状態の悪化が認められたため、雌雄各5例について、第3日目又は第5日目から投与量を10/4.4に減量
  5. *5 溶媒(銅含有リポソーム溶液)
  6. *6 本剤1サイクル投与後に1例が死亡したため、生存した2例については2サイクル目の投与を実施せず、回復性評価に割付け
  7. *7 AraC及びDNRの非リポソーム型混合物
  8. *8 5/2.2投与群の雌を除く
  9. *9 3/1.32投与群

3. 遺伝毒性試験26)

  1. 26)社内資料:遺伝毒性試験

本剤の遺伝毒性試験は実施していない。
なお、本剤の有効成分であるAraC及びDNRの遺伝毒性について下記の通り報告されている。
AraCはヒト白血球細胞を用いた染色体異常試験、マウスを用いたin vivo試験及びマウスを用いた小核試験で染色体異常が認められている。また、ハムスターの胚細胞又はラット由来のH43細胞を用いたin vitro形質転換試験において、遺伝子突然変異誘発性が認められている。
DNRは細菌を用いた復帰突然変異試験において遺伝子突然変異誘発性が認められており、in vivo小核試験において染色体異常誘発性が認められている。

4. がん原性試験27)

  1. 27)社内資料:がん原性試験

本剤について、がん原性試験は実施していない。
本剤の有効成分であるAraCでは報告されていないが、DNRではヒトや動物での発がん性が認められる。

5. 生殖発生毒性試験28)

  1. 28)社内資料:生殖発生毒性試験

本剤の生殖発生毒性試験は実施していない。
なお、本剤の有効成分であるAraC及びDNRの生殖発生毒性について下記の通り報告されている。AraCではマウス及びラットで胎児死亡率の増加、胎児発育遅延及び催奇形性が認められているほか、マウスに腹腔内投与した実験で、精子頭部の異常及び染色体異常が用量依存的に認められた。
DNRではラットで胚死亡率増加及び催奇形性が認められている。また、イヌに静脈内投与した実験で精巣の萎縮及び精母細胞の無形成が生じたほか、受精後6~72時間、24~72時間又は48~72時間のいずれかの胚に処置した実験で、濃度依存的に心臓管のルーピング不全、心膜の浮腫及び徐脈が誘発され、最終的に死亡に至った。

6. 局所刺激性試験29)

  1. 29)社内資料:局所刺激性試験

本剤の局所刺激性試験は実施していない。
ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験において投与部位に局所反応及び病理組織学的所見は認められなかった。

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