てんかん患者における全般性強直間代発作とSUDEPの関係性
全般性強直間代発作(GTCS)はDravet症候群でよくみられる発作型の1つで、成人期の患者では最も一般的な発作型です1)。
また、てんかん患者における全般性強直間代発作とてんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP)の関連性が報告され、全般性強直間代発作の発生を抑えることで、てんかん患者のSUDEP発生リスクを減少できる可能性が示唆されました2)。


*Reference(リスク因子への曝露がない者)のオッズ比:1に対する値
- 1)
- Connolly MB. Can J Neurol Sci. 2016; 43 Suppl 3: S3-8.
- 2)
- Sveinsson O, et al. Neurology. 2020; 94(4): e419-429.
Dravet症候群における薬物選択
日本神経学会の「てんかん診療ガイドライン」では、Dravet症候群の治療で使用される第一選択薬、追加薬、避けるべき薬について下記表のようにまとめられています。
また、ゾニサミド、臭化カリウム、レベチラセタムが用いられることもあります。
これらの薬剤をDravet症候群の患者ごとに、忍容性と発作の状況を確認しながら選択します。
おける発作型による薬剤選択(抜粋)
- 発作型
- Dravet症候群
- 第一選択薬
- 専門施設に相談・紹介
- トピラマート
- バルプロ酸
- 追加薬
-
- クロバザム
- スチリペントール
- 考慮しうる薬
- 避けるべき薬
-
- オクスカルバゼピン(本邦未発売)
- ガバペンチン
- カルバマゼピン
- ビガバトリン(本邦承認外)
- フェニトイン
- ラモトリギン
日本神経学会監修「てんかん診療ガイドライン」作成委員会編 てんかん診療ガイドライン2018 4章 小児・思春期のてんかんと治療 P50 医学書院. より抜粋
Wilmshurst JM, et al. Epilepsia. 2015; 56(4): 1185-1197.
また、Dravet症候群財団による「Dravet症候群の診断と管理に関する国際コンセンサス*」では、発作管理の維持療法について、治療アルゴリズム(下図)が示されています。
*専門家パネルメンバー(Dravet症候群の専門医20名、介護者11名)を対象にデルファイ法を用いたアンケートが行われ、コンセンサスは半数以上のメンバーが回答した事項についてのみ決定しました。
維持療法の治療アルゴリズム

†てんかん重積状態にはフェニトインが有効な場合もある。
‡「その他」には、迷走神経刺激療法、レベチラセタム、ゾニサミド、臭化カリウム、クロナゼパム、エトスクシミド(欠神発作)などが含まれる。
Wirrell EC, et al. Epilepsia. 2022; 63(7): 1761-1777.
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