肺高血圧症とは
肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送り出す血管(肺動脈)の血圧(肺動脈圧)が高くなる病気です。肺血管の収縮や肺血管の壁が厚くなるなど、血管の内側が狭くなることで肺動脈圧が上昇していきます。肺動脈圧が高くなると、肺への血液の流れが悪くなり、肺から血液に取り込まれる酸素の量が減ります。そのため、軽い動作でも息切れや呼吸困難といった症状が現れます。また、肺への血液の流れが悪くなると、肺に血液を送り出す右心室に負担がかかり続けるため、次第に右心室の働きが悪くなってしまいます。これを右心不全といい、肺高血圧症が進行した状態です。
肺高血圧症の分類
肺高血圧症は発症の原因などにより、大きく5群に分類されます。肺動脈の異常に伴い肺動脈圧が上昇する肺高血圧症を肺動脈性肺高血圧症(第1群)と言います。この第1群の肺動脈性肺高血圧症はさらに、原因が特定されていないもの(特発性)、遺伝子変異によるもの(遺伝性)、膠原病(結合組織病)や先天性心疾患などの他の疾患に関連して発症するものなどに分類されます。