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日本人デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相試験:用量設定試験※[NS065/NCNP01-P1/2]3)
※用量設定試験のため一部承認外の成績が含まれています。
3)日本新薬株式会社 社内資料(承認時評価資料):日本人DMD患者を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(COI:本試験は日本新薬株式会社の支援により実施された。)
※用量設定試験のため一部承認外の成績が含まれています。
3)日本新薬株式会社 社内資料(承認時評価資料):日本人DMD患者を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(COI:本試験は日本新薬株式会社の支援により実施された。)
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試験概要
目的 - DMD患者を対象に、ビルトラルセン40又は80 mg/kgを週1回、24週間静脈内投与した際の有効性をジストロフィンの発現及びエクソン53スキッピング効率を指標として評価する。
- ビルトラルセンの安全性、薬物動態を確認する。また、運動機能及び血清CK値に対する効果を検討する。
対象 エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失が確認されているDMD男性患者16例(年齢:5歳以上13歳未満、歩行可能:13例、歩行不能:3例)
[主な選択基準]
- 代諾者の同意取得時に5歳以上18歳未満
- 歩行の可否は問わない
- ジストロフィン遺伝子エクソン53に本剤との二重鎖形成を損なう可能性があるDNA多型が存在しない
- 左右の前脛骨筋又は上腕二頭筋から、筋組織を採取可能
- 標準12誘導心電図においてQTcが450 msec未満(Fridericiaの補正に基づく)
(なお、脚ブロックが認められる場合はQTcが480 msec未満)
試験デザイン 多施設共同、オープンラベル、並行群間比較の用量設定試験
なお、本試験では40 mg/kg群から投与を開始し、最初の3例分の少なくとも28日時点までの安全性データが得られた時点で、安全性評価委員の意見を参考に治験依頼者が80 mg/kg群開始の可否を決定した。試験デザイン
投与方法 ビルトラルセン40又は80 mg/kgを週1回、1回あたり1時間(許容範囲±10分)かけて24週間静脈内投与した。ビルトラルセンは生理食塩液と混和し総量100~300 mLとした。
有害事象等の発現により安全性に問題があると治験責任(分担)医師が判断した場合は、適宜減量又は休薬することとした。併用療法
全身性コルチコステロイド剤は、治療期開始90日前から後観察期終了時までは用法・用量を変更せずに使用した。ただし、体重の変動による増減、全身性コルチコステロイド剤による副作用の発現等、臨床上必要な場合には用法・用量の変更を可能とした。治験期間中に全身性コルチコステロイド剤による新たな治療は開始しないこととした。また、局所使用を目的とした外用剤、及び検査目的の場合は併用可とした。
主要評価項目 ジストロフィンの発現とエクソン53スキッピング効率 - ジストロフィンの発現(ウェスタンブロット法)
- ジストロフィンの発現(免疫蛍光染色)
- ジストロフィン/スペクトリン蛍光輝度比(撮像領域ごと及び筋線維ごと)
- ジストロフィン陽性筋線維数の割合
- エクソン53スキッピング効率(RT-PCR)
副次評価項目 - 運動機能評価
- 時間機能検査(6分間歩行距離、Timed Up & Go test、床からの立ち上がり時間、10 m歩行/走行時間)
- 定量的筋力検査(マイクロFET筋力計による筋力検査)
- 血清CK値
その他の評価項目 - 安全性
- 薬物動態
解析計画 -
解析対象集団
安全性解析対象集団:薬剤が割り付けられた症例のうち、投与開始以降一度も来院せず安全性に関して解析すべきデータがない症例、割り付けられた薬剤が未投与であることが明らかな症例、及びGCP違反例を除いた集団とした。
有効性解析対象集団:薬剤が割り付けられた症例のうち、対象外疾患の症例、有効性に関して解析すべきデータがない症例、割り付けられた薬剤が未投与であることが明らかな症例及びGCP違反例を除いた集団(FAS:full analysis set)とした。
薬物動態解析対象集団:割り付けられた薬剤が投与され、薬物動態パラメータ値を算出するのに十分な血漿及び蓄尿サンプルが得られた症例のうち、薬物動態パラメータに重要な影響を与え得る治験実施計画書からの逸脱がある症例を除いた集団とした。 -
有効性
主要評価項目について、被験者ごとのベースラインからの変化量を対応のないt検定を用いて、投与群ごとのベースラインからの変化量を対応のあるt検定を用いて評価した(ただし、ジストロフィン陽性筋線維数の割合については、被験者毎の評価は行わなかった)。また、投与群間の比較について、対応のないt検定及び投与群に加えて筋生検実施時期(12週時、24週時)を因子とした二元配置分散分析を用いて評価した。
副次評価項目について、投与前から投与終了後までの記述統計量の推移を評価した。
副次評価項目のうち、時間機能検査については、時間の結果を速度に変換して評価した。 -
欠測値及び外れ値の取扱い
欠測による値の補填は行わなかった。ただし、時間機能検査について、投与開始以降に疾患進行のために被験者が有効性評価を行うことができなかった場合、当該評価における最初の時点の値を0として取り扱い、その後の時点における欠測は補填しないこととした。
ウェスタンブロット法による測定値が定量下限値未満であった場合については、外挿値を用いた参考値を用いて集計を行った。 -
安全性
投与群別、MedDRA/Jの基本語(PT)別に要約表を作成した。
臨床検査、バイタルサイン、標準12誘導心電図、心エコー検査、肺機能検査について、投与群別に時点毎の記述統計量を算出した。 -
有意水準及び信頼係数
有意水準は両側5%とし、信頼係数は両側95%とした。
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薬物動態
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薬物動態パラメータの算出
初回投与時及び最終投与時のビルトラルセンの血漿中濃度に対して、各種薬物動態パラメータを求めた。
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解析方法
投与量に対する検討として、初回投与時におけるCmax及びAUC0–lastと投与量を国内第Ⅰ相試験(NCNP/DMT01試験)時に得られた結果と合わせてPower model により解析(対数変換した各値の直線回帰分析)し、回帰直線の傾きの95%信頼区間が1を含む場合、線形であると判断した。また、各投与量の初回投与時におけるt1/2、CLtot及びVdssについては対数変換した値をTukey多重比較検定(パラメトリック、有意水準:5%)により有意差検定を行った。
反復投与が薬物動態に及ぼす影響の検討として、血漿中薬物動態パラメータ及び尿中排泄率について、初回投与時と最終投与時の間で、対応のあるt検定を実施した。Cmax、AUC0-last、t1/2、CLtot、Vdssについては、対数変換後、tmaxについては、対数変換せずに解析した。尿中排泄率については、対数変換せずに解析した。
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[用法及び用量]通常、ビルトラルセンとして80 mg/kgを週1回、1時間かけて静脈内投与する。
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患者背景
ベースライン時の人口統計学的特性及び疾患特性
40 mg/kg
(n=8)80 mg/kg
(n=8)全例
(n=16)年齢(歳)a 平均値±標準偏差
中央値[範囲]8.4±1.9
9[5〜11]8.4±2.3
8[5〜12]8.4±2.0
9[5〜12]身長(cm) 平均値±標準偏差
中央値[範囲]119.7±14.5
120.0[98.0〜140.7]120.8±10.9
119.6[100.3〜134.0]120.3±12.4
119.6[98.0〜140.7]体重(kg) 平均値±標準偏差
中央値[範囲]26.8±10.1
23.0[16.0〜41.7]29.8±11.3
25.7[16.0〜52.1]28.3±10.5
25[16.0〜52.1]BMI(kg/m2) 平均値±標準偏差
中央値[範囲]18.0±2.8
17.1[15.6〜23.6]19.9±5.0
18.8[15.3〜30.2]19.0±4.0
17.5[15.3〜30.2]罹病期間(月) 平均値±標準偏差
中央値[範囲]68.9±25.0
60[38〜107]74.3±33.4
81[23〜110]71.6±28.7
63.5[23〜110]エクソンの欠失部位
n(%)43〜52 0 0 0 45〜52 3(37.5) 3(37.5) 6(37.5) 47〜52 0 0 0 48〜52 2(25.0) 1(12.5) 3(18.8) 49〜52 2(25.0) 0 2(12.5) 50〜52 1(12.5) 1(12.5) 2(12.5) 52 0 3(37.5) 3(18.8) 歩行機能の状態b
n(%)可能
不能6(75.0)
2(25.0)7(87.5)
1(12.5)13(81.3)
3(18.8)自立歩行の可否c
n(%)可能
不能6(75.0)
2(25.0)7(87.5)
1(12.5)13(81.3)
3(18.8)全身性コルチコ
ステロイド剤の使用状況
n(%)使用中
使用歴ありd
未使用7(87.5)
0
1(12.5)7(87.5)
0
1(12.5)14(87.5)
0
2(12.5)- a:初回投与開始日の年齢
- b:歩行可能は6分間歩行距離75 m以上と定義した。
- c:自立歩行可能は独歩で5 m以上と定義した。
- d:使用中の患者を除く。
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主要評価項目
ジストロフィンの発現とエクソン53スキッピング効率
(1)ジストロフィンの発現(ウェスタンブロット法)
測定方法
正常検体のジストロフィンの発現量を基準として、被験者のジストロフィンの相対発現量(%)を測定した。
被験者ごとの解析
- ジストロフィンの発現量は40 mg/kg群では8例中5例、80 mg/kg群では8例中6例でベースラインと比較して有意な増加が認められた(p<0.05、対応のないt検定、名目上のp値)。
被験者ごとのジストロフィンの発現量
筋生検実施時期 被験者 ベースラインからの
変化量p値 40 mg/kg
(n=8)12週時 イ 0.759 0.0177* ロ 0.136 0.2201 ハ 0.368 0.0005* ニ -6.083 0.0220* 24週時 ホ 3.231 0.0163* ヘ 0.225 0.0258* ト 0.014 0.8607 チ 2.364 0.0017* 80 mg/kg
(n=8)12週時 リ -0.201 0.2656 ヌ 2.195 0.1774 ル 0.634 0.0022* ヲ 0.385 0.0003* 24週時 ワ 7.851 0.0026* カ 6.421 0.0300* ヨ 0.687 0.0011* タ 4.297 0.0029* - 単位:% 被検者ごとに1検体を3回測定し、算出したデータを用いて解析を行った。
- *:p<0.05(対応のないt検定、名目上のp値)
投与群ごとの解析
- ジストロフィンの発現量は、80 mg/kg群においてベースラインと比較して統計学的に有意に増加した(p=0.0364、対応のあるt検定、名目上のp値)。
- 40 mg/kgと80 mg/kgの群間比較を行った結果、群間で統計学的に有意な差は認められなかった。
投与群ごとのジストロフィンの発現量
ベースラインからの変化量 p値 全例(n=16) 1.456±3.132 0.0827 40 mg/kg(n=8) 0.126±2.769 0.9009 80 mg/kg(n=8) 2.785±3.051 0.0364* 群間比較(40 mg/kg−80 mg/kg) -2.658(-5.785〜0.469) 0.0896 - 単位:%、各投与群:平均値±標準偏差、群間比較:変化量(95%CI)
- *:p<0.05(各投与群:対応のあるt検定、群間比較:対応のないt検定)(名目上のp値)
(2)ジストロフィンの発現(免疫蛍光染色)
ジストロフィン陽性筋線維数の割合の算出方法
D/S比:ジストロフィン/スペクトリン蛍光輝度比、P1NC:正常対照のD/S比(筋線維ごと)の1パーセンタイル値
被験者ごとの解析
- ジストロフィン陽性筋線維数の割合は、以下のとおりであった。
被験者ごとのジストロフィン陽性筋線維数の割合
筋生検実施時期 被験者 ベースラインからの変化量 40 mg/kg
(n=8)12週時 イ 0.2 ロ 1.1 ハ -0.0 ニ -0.6 24週時 ホ 0.6 ヘ -0.4 ト -0.2 チ -0.0 80 mg/kg
(n=8)12週時 リ 0.6 ヌ 0.3 ル -0.0 ヲ 0.5 24週時 ワ 6.5 カ -0.0 ヨ 2.1 タ 0.3 - 単位:%、被験者ごとに1検体を測定した。
投与群ごとの解析
- ジストロフィン陽性筋線維数の割合は、全例、40 mg/kg群及び80 mg/kg群のいずれにおいても投与前後で統計学的に有意な変化は認められなかった。
投与群ごとのジストロフィン陽性筋線維数の割合
ベースライン
からの変化量p値 全例
(n=16)0.7±1.7 0.1221 40 mg/kg
(n=8)0.1±0.6 0.6668 80 mg/kg
(n=8)1.3±2.2 0.1445 群間比較
(40 mg/kg−
80 mg/kg)-1.2
(-3.1~0.8)0.2051 - 単位:%、各投与群:平均値±標準偏差、群間比較:変化量(95%CI)
- 各投与群:対応のあるt検定、群間比較:対応のないt検定(すべて名目上のp値)
(3)エクソン53スキッピング効率(RT-PCR)
エクソン53スキッピング効率の算出方法
A:エクソン53を含まないPCR産物の定量値(モル濃度)
B:エクソン53を含むPCR産物の定量値(モル濃度)被験者ごとの解析
- エクソン53スキッピング効率は、ベースラインと比較して16例全ての被験者で有意に増加していた(p<0.05、対応のないt検定、名目上のp値)。
被験者ごとのエクソン53スキッピング効率
筋生検実施時期 被験者 ベースラインからの
変化量p値 40 mg/kg
(n=8)12週時 イ 7.69 0.0041* ロ 25.42 0.0098* ハ 14.50 0.0213* ニ 14.63 0.0153* 24週時 ホ 23.66 <0.0001* ヘ 26.76 0.0002* ト 43.41 <0.0001* チ 18.04 0.0001* 80 mg/kg
(n=8)12週時 リ 30.81 0.0007* ヌ 47.05 0.0003* ル 27.56 0.0021* ヲ 34.94 <0.0001* 24週時 ワ 61.36 <0.0001* カ 49.05 0.0005* ヨ 48.96 <0.0001* タ 39.41 0.0005* - 単位:%、被検者ごとに1検体を3回測定し、算出したデータを用いて解析を行った。
- *:p<0.05(対応のないt検定、名目上のp値)
投与群ごとの解析
- エクソン53スキッピング効率は、全例、40 mg/kg群及び80 mg/kg群でベースラインと比較して投与後で有意に増加していた(p<0.0001、p=0.0008、p<0.0001、対応のあるt検定、名目上のp値)。
- 40 mg/kg群と比較して80 mg/kg群で有意に増加していた(p=0.0022、対応のないt検定、名目上のp値)。
投与群ごとのエクソン53スキッピング効率
ベースラインからの変化量 p値 全例
(n=16)32.08±15.09 <0.0001* 40 mg/kg
(n=8)21.77±10.86 0.0008* 80 mg/kg
(n=8)42.40±11.26 <0.0001* 群間比較(40 mg/kg−80 mg/kg) -20.63(-32.50〜-8.76) 0.0022* - 単位:%、各投与群:平均値±標準偏差、群間比較:変化量(95%CI)
- *:p<0.05(各投与群:対応のあるt検定、群間比較:対応のないt検定)(名目上のp値)
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副次評価項目
(1)運動機能評価
1)時間機能検査
時間機能検査は歩行可能な被験者のみで実施し、Timed Up & Go testと床からの立ち上がり時間では立ち上がることができなかった被験者を除外した。
6分間歩行距離
6分間歩行距離の変化量の平均値±標準偏差は、12週時点で-12.8±23.3 m、24週時点で-26.9±37.8 mであった。投与群ごとでは、12週時点の40 mg/kg群で-13.3 m、80 mg/kg群で-12.4 m、24週時点では-29.2 m及び-25.0 mであった。
6分間歩行距離
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=13)ベースライン 330.5±93.4 331[163〜450] — — 12週時 317.6±100.3 331[119〜432] -12.8±23.3 -13[-45〜16] 24週時 303.5±99.6 333[94〜448] -26.9±37.8 -37[-80〜33] 40 mg/kg
(n=6)ベースライン 346.5±102.7 376.5[163〜450] — — 12週時 333.2±113.8 358.5[122〜432] -13.3±24.9 -15.5[-41〜16] 24週時 317.3±118.1 341[94〜448] -29.2±37.3 -36.5[-69〜30] 80 mg/kg
(n=7)ベースライン 316.7±90.5 325[164〜430] — — 12週時 304.3±94.3 331[119〜402] -12.4±23.8 -1[-45〜10] 24週時 291.7±88.7 327[171〜385] -25.0±41.1 -37[-80〜33] - 単位:m
Timed Up & Go test
検査方法
被験者が椅子に座った状態から立ち上がり、3 m先のコーンまで可能な限り早く歩き、また元の椅子に座るまでの所要時間を評価した。
Timed Up & Go test(速度)の変化量の平均値±標準偏差は、12週時点で-0.0113±0.0082/秒、24週時点で-0.0136±0.0080/秒であった。投与群ごとでは、12週時点の40 mg/kg群で-0.0076/秒、80 mg/kg群で-0.0143/秒、24週時点の40 mg/kg群で-0.0154/秒、80 mg/kg群で-0.0120/秒であった。
Timed Up & Go test(速度)
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=11)ベースライン 0.1240±0.0282 0.1115
[0.0778〜0.1675]— — 12週時 0.1128±0.0310 0.1062
[0.0635〜0.1639]-0.0113±0.0082 -0.0143
[-0.0218〜0.0026]24週時 0.1105± 0.0305 0.0966
[0.0698〜0.1650]-0.0136±0.0080 -0.0130
[-0.0308〜-0.0025]40 mg/kg
(n=5)ベースライン 0.1360±0.0286 0.1304
[0.1066〜0.1675]— — 12週時 0.1283±0.0341 0.1330
[0.0902〜0.1639]-0.0076±0.0080 -0.0057
[-0.0164〜0.0026]24週時 0.1206±0.0356 0.1253
[0.0758〜0.1650]-0.0154±0.0119 -0.0161
[-0.0308〜-0.0025]80 mg/kg
(n=6)ベースライン 0.1141±0.0261 0.1075
[0.0778〜0.1517]— — 12週時 0.0998±0.0233 0.1015
[0.0635〜0.1312]-0.0143±0.0076 -0.0166
[-0.0218〜-0.0030]24週時 0.1021±0.0258 0.0946
[0.0698〜0.1387]-0.0120±0.0030 -0.0128
[-0.0161〜-0.0080]- 単位(速度):/秒(Timed Up & Go test(秒)の逆数とした。)
床からの立ち上がり時間
床からの立ち上がり時間(速度)の変化量の平均値±標準偏差は、12週時点で-0.0166±0.0439/秒、24週時点で-0.0362±0.0521/秒であった。投与群ごとでは、12週時点の40 mg/kg群で-0.0173/秒、80 mg/kg群で-0.0161/秒、24週時点の40 mg/kg群で-0.0496/秒、80 mg/kg群で-0.0251/秒であった。
床からの立ち上がり時間(速度)
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=11)ベースライン 0.1841±0.0954 0.1669
[0.0842〜0.3731]— — 12週時 0.1674±0.1004 0.1312
[0.0551〜0.4149]-0.0166±0.0439 -0.0011
[-0.0950〜0.0418]24週時 0.1478±0.0950 0.1534
[0.0000〜0.3817]-0.0362±0.0521 -0.0150
[-0.1480〜0.0210]40 mg/kg
(n=5)ベースライン 0.2219±0.0981 0.2066
[0.0992〜0.3731]— — 12週時 0.2046±0.1351 0.1887
[0.0551〜0.4149]-0.0173±0.0552 -0.0158
[-0.0950〜0.0418]24週時 0.1724±0.1362 0.1555
[0.0000〜0.3817]-0.0496±0.0408 -0.0511
[-0.0992〜0.0085]80 mg/kg
(n=6)ベースライン 0.1525±0.0888 0.1193
[0.0842〜0.3247]— — 12週時 0.1364±0.0547 0.1164
[0.0862〜0.2331]-0.0161±0.0378 -0.0006
[-0.0916〜0.0090]24週時 0.1274±0.0461 0.1184
[0.0775〜0.1880]-0.0251±0.0615 -0.0061
[-0.1480〜0.0210]- 単位(速度):/秒(床からの立ち上がり時間(秒)の逆数とした。)
10 m歩行/走行時間
10 m歩行/走行時間(速度)の変化量の平均値±標準偏差は、12週時点で-0.017±0.134 m/秒、24週時点で-0.131±0.136 m/秒であった。投与群ごとでは、12週時点の40 mg/kg群で-0.033 m/秒、80 mg/kg群で-0.004 m/秒、24週時点の40 mg/kg群で-0.192 m/秒、80 mg/kg群で-0.080 m/秒であった。
10 m歩行/走行時間(速度)
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=13)ベースライン 1.555±0.529 1.451
[0.818〜2.564]— — 12週時 1.538±0.603 1.397
[0.649〜2.710]-0.017±0.134 -0.014
[-0.227〜0.206]24週時 1.423±0.530 1.340
[0.545〜2.392]-0.131±0.136 -0.111
[-0.327〜0.117]40 mg/kg
(n=6)ベースライン 1.659±0.541 1.675
[0.818〜2.439]— — 12週時 1.626±0.645 1.660
[0.649〜2.646]-0.033±0.143 -0.021
[-0.190〜0.206]24週時 1.467±0.625 1.411
[0.545〜2.392]-0.192±0.101 -0.223
[-0.294〜-0.047]80 mg/kg
(n=7)ベースライン 1.466±0.544 1.391
[0.928〜2.564]— — 12週時 1.461±0.604 1.372
[0.912〜2.710]-0.004±0.137 -0.014
[-0.227〜0.167]24週時 1.386±0.482 1.340
[0.753〜2.237]-0.080±0.148 -0.106
[-0.327〜0.117]- 単位(速度):m/秒
2)定量的筋力検査(マイクロFET筋力計による筋力検査)
各評価項目における結果は以下の表のとおりであった。なお、測定は左右で行い、高い方の値を集計に用いた。
膝関節屈曲
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=16)ベースライン 39.37±13.48 38.15[12.4〜57.3] — — 12週時 41.68±16.54 32.65[19.5〜69.4] 2.31±9.66 1.75[-13.4〜23.1] 24週時 48.14±21.16 41.1[20.4〜93.4] 8.78±16.13 5.2[-18.6〜42.7] 40 mg/kg
(n=8)ベースライン 39.96±15.28 41.25[12.4〜57.3] — — 12週時 37.31±14.69 31.5[19.5〜56.9] -2.65±6.70 -3.45[-13.4〜7.1] 24週時 40.23±14.38 38.9[20.4〜62.7] 0.26±9.60 2.9[-18.6〜10.7] 80 mg/kg
(n=8)ベースライン 38.78±12.44 36.45[23.5〜54.7] — — 12週時 46.05±18.07 44.45[26.6〜69.4] 7.28±9.93 6.0[-5.8〜23.1] 24週時 56.06±24.69 50.2[24.9〜93.4] 17.29±17.31 12.45[1.3〜42.7] - 単位:N(ニュートン)
膝関節伸展
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=16)ベースライン 36.27±18.26 37.3[12.0〜73.4] — — 12週時 33.96±16.10 33.75[11.5〜65.4] -2.31±9.23 -2.2[-23.6〜12.9] 24週時 35.03±19.34 28.65[11.5〜84.9] -1.24±10.41 0.9[-13.8〜24.9] 40 mg/kg
(n=8)ベースライン 38.55±18.93 38.65[16.0〜73.4] — — 12週時 32.31±15.59 31.3[11.5〜56.0] -6.24±8.85 -3.35[-23.6〜3.5] 24週時 30.26±15.06 25.95[11.5〜59.6] -8.29±6.80 -10.7[-13.8〜4.0] 80 mg/kg
(n=8)ベースライン 33.99±18.55 30.65[12.0〜60.0] — — 12週時 35.60±17.51 34.45[13.3〜65.4] 1.61±8.31 3.35[-12.9〜12.9] 24週時 39.79±22.86 35.35[13.3〜84.9] 5.80±8.51 3.6[-3.1〜24.9] - 単位:N(ニュートン)
股関節屈曲
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=16)ベースライン 46.25±15.37 46.2[13.7〜82.7] — — 12週時 49.59±23.52 45.3[12.0〜95.2] 3.34±15.37 0.25[-20.0〜32.9] 24週時 49.16±18.20 48.45[12.0〜82.4] 2.91±11.62 0.7[-11.1〜29.0] 40 mg/kg
(n=8)ベースライン 47.55±20.37 44.0[13.7〜82.7] — — 12週時 44.00±26.44 35.95[12.0〜95.2] -3.55±9.26 -5.55[-15.6〜12.5] 24週時 43.85±19.14 40.9[12.0〜71.6] -3.70±5.46 -3.3[-11.1〜3.6] 80 mg/kg
(n=8)ベースライン 44.95±9.35 46.65[29.3〜54.7] — — 12週時 55.18±20.36 50.45[29.8〜85.8] 10.23±17.66 9.1[-20.0〜32.9] 24週時 54.46±16.71 52.0[27.1〜82.4] 9.51±12.63 8.7[-7.5〜29.0] - 単位:N(ニュートン)
股関節伸展
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=16)ベースライン 57.48±22.38 59.1[24.4〜93.8] — — 12週時 58.28±25.21 57.6[16.2〜109.0] 0.80±18.29 3.6[-37.8〜29.0] 24週時 55.46±21.96 49.0[20.0〜90.3] -2.02±18.02 -2.75[-36.5〜31.6] 40 mg/kg
(n=8)ベースライン 62.30±22.35 62.45[24.4〜89.9] — — 12週時 51.78±20.59 52.7[16.2〜86.3] -10.53±15.51 -5.9[-37.8〜8.0] 24週時 49.38±20.25 43.3[20.0〜84.9] -12.93±15.45 -12.1[-36.5〜7.6] 80 mg/kg
(n=8)ベースライン 52.66±22.82 49.8[26.6〜93.8] — — 12週時 64.79±29.00 57.7[31.1〜109.0] 12.13±13.55 14.95[-16.9〜29.0] 24週時 61.55±23.21 60.65[24.9〜90.3] 8.89±13.60 8.65[-8.9〜31.6] - 単位:N(ニュートン)
足関節背屈
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=16)ベースライン 30.46±12.01 29.8[12.4〜51.1] — — 12週時 30.06±11.48 31.3[14.2〜50.7] -0.40±9.40 1.1[-28.0〜12.4] 24週時 28.31±11.40 27.1[9.7〜48.9] -2.16±10.55 -0.5[-28.0〜11.6] 40 mg/kg
(n=8)ベースライン 33.10±13.98 34.0[12.4〜51.1] — — 12週時 30.71±12.06 27.1[16.9〜50.7] -2.39±11.44 1.1[-28.0〜5.8] 24週時 26.69±11.09 26.2[9.7〜40.4] -6.41±12.91 -4.45[-28.0〜9.7] 80 mg/kg
(n=8)ベースライン 27.83±9.89 28.0[12.4〜39.1] — — 12週時 29.41±11.67 32.4[14.2〜48.9] 1.59±7.02 0.85[-6.7〜12.4] 24週時 29.93±12.22 27.55[13.3〜48.9] 2.10±5.53 0.45[-5.8〜11.6] - 単位:N(ニュートン)
足関節底屈
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=16)ベースライン 86.23±24.07 82.35[54.2〜133.0] — — 12週時 88.27±30.09 86.7[41.3〜139.2] 2.04±19.90 -1.55[-34.7〜40.9] 24週時 83.30±27.51 88.95[39.1〜141.9] -2.93±17.94 -1.35[-31.2〜29.0] 40 mg/kg
(n=8)ベースライン 87.19±23.83 87.5[54.2〜117.9] — — 12週時 77.59±29.04 73.35[41.3〜117.9] -9.60±13.38 -10.0[-34.7〜9.4] 24週時 79.81±23.67 83.35[39.1〜112.1] -7.38±16.29 -7.25[-31.2〜20.9] 80 mg/kg
(n=8)ベースライン 85.26±25.91 78.0[56.5〜133.0] — — 12週時 98.95±28.92 96.3[56.0〜139.2] 13.69±18.97 13.15[-12.9〜40.9] 24週時 86.79±32.15 94.75[45.3〜141.9] 1.53±19.47 4.45[-29.8〜29.0] - 単位:N(ニュートン)
(2)血清CK値
各時点の血清CK値は以下の表のとおりであった。初回投与時では前日からの入院に伴い安静が必要とされたため、血清CK値が低値を示したと考えられた。
血清CK値
時点 測定値 ベースラインからの変化量 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 平均値±標準偏差 中央値[範囲] 全例
(n=16)投与前a 9409.4±3032.3 8905[4635〜14850] — — 初回投与時 7066.3±2371.6 6395[3970〜11570] — — 5週時 9907.5±3687.2 10877.5[4305〜14790] 2841.3±3322.4 2527.5[-2100〜9170] 9週時 8677.5±4901.8 6790[2660〜20340] 1611.3±4383.9 927.5[-4825〜11540] 13週時 8480.3±3253.3 7572.5[3955〜13690] 1414.1±3162.7 1042.5[-4485〜7530] 17週時 8407.1±5423.4 6525[2805〜24684] 1340.9±5131.3 507.5[-7140〜17129] 21週時 7907.2±3754.9 6990[3375〜14570] 840.9±3794.9 867.5[-6120〜7015] 25週時 7315.9±3924.5 6917.5[2212〜14450] 249.6±3325.0 950[-6180〜6895] 40 mg/kg
(n=8)投与前a 8829.4±2753.2 8582.5[5130〜13540] — — 初回投与時 6578.1±2348.1 5732.5[3970〜10400] — — 5週時 10689.4±4296.2 12427.5[4730〜14790] 4111.3±3322.8 4650[-950〜9170] 9週時 9979.4±5942.9 7277.5[4445〜20340] 3401.3±4618.1 1287.5[-1715〜11540] 13週時 9145.0±3673.3 9652.5[4590〜13690] 2566.9±2541.1 1530[355〜7530] 17週時 7906.3±3935.9 7032.5[2805〜13660] 1328.1±2012.8 1180[-1915〜3560] 21週時 8044.4±4062.4 7530[3375〜14500] 1466.3±3138.5 867.5[-1985〜6735] 25週時 7494.9±4374.7 7640[2212〜13580] 916.8±2573.4 1230[-2418〜3855] 80 mg/kg
(n=8)投与前a 9989.4±3369.7 9717.5[4635〜14850] — — 初回投与時 7554.4±2448.4 6985[4635〜11570] — — 5週時 9125.6±3046.1 9660[4305〜13080] 1571.3±2987.7 970[-2100〜6665] 9週時 7375.6±3506.6 6665[2660〜13450] -178.8±3540.1 -297.5[-4825〜5895] 13週時 7815.6±2859.5 7205[3955〜11970] 261.3±3455.3 52.5[-4485〜5555] 17週時 8908.0±6853.0 6080[4430〜24684] 1353.6±7236.7 415[-7140〜17129] 21週時 7770.0±3696.8 6530[3685〜14570] 215.6±4485.0 607.5[-6120〜7015] 25週時 7136.9±3713.9 6745[3205〜14450] -417.5±4006.4 -300[-6180〜6895] - 単位:U/L、a:投与前7〜21日以内
-
安全性
- 副作用発現率は40 mg/kg群で37.5%(3/8例)、80 mg/kg群で75.0%(6/8例)であった。
- 主な副作用は、発熱、N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)増加、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)増加、駆出率減少、インターロイキン濃度増加、蕁麻疹で、各12.5%(各2/16例)であった。
- 重篤な有害事象は80 mg/kg群で上気道感染が1例(12.5%)に認められたが、治験薬との因果関係は否定された。
- 有害事象は全てGrade2以下であり、死亡に至った有害事象及び中止に至った有害事象は認められなかった。
有害事象のまとめ
全例
(n=16)40 mg/kg
(n=8)80 mg/kg
(n=8)有害事象 全発現例数 14(87.5) 7(87.5) 7(87.5) 副作用 9(56.3) 3(37.5) 6(75.0) 死亡に至った有害事象 全発現例数 0 0 0 副作用 0 0 0 重篤な有害事象 全発現例数 1(6.3) 0 1(12.5)a 副作用 0 0 0 中止に至った有害事象 全発現例数 0 0 0 副作用 0 0 0 休薬に至った有害事象 全発現例数 2(12.5) 2(25.0)b 0 副作用 1(6.3) 1(12.5) 0 - データ表記方法:例数(%)
副作用の判断基準:因果関係を、「関連なし」、「関連あるかもしれない」、「おそらく関連あり」、「関連あり」の4段階で評価し、「関連なし」以外に判定された有害事象を副作用として集計した。 - a:上気道感染
- b:副作用として湿疹1例、有害事象としてインフルエンザ1例
副作用のまとめ
全例
(n=16)40 mg/kg
(n=8)80 mg/kg
(n=8)発現例数(%) 9(56.3) 3(37.5) 6(75.0) 発現件数 27 4 23 発熱 2(12.5) 0 2(25.0) NAG増加 2(12.5) 0 2(25.0) BNP増加 2(12.5) 1(12.5) 1(12.5) 駆出率減少 2(12.5) 0 2(25.0) インターロイキン濃度増加 2(12.5) 1(12.5) 1(12.5) 蕁麻疹 2(12.5) 0 2(25.0) 腹痛 1(6.3) 0 1(12.5) 下痢 1(6.3) 0 1(12.5) 注射部位紅斑 1(6.3) 0 1(12.5) 尿中β2ミクログロブリン増加 1(6.3) 0 1(12.5) 湿疹 1(6.3) 1(12.5) 0 毛髪変色 1(6.3) 0 1(12.5) 発疹 1(6.3) 0 1(12.5) - データ表記方法:例数(%)
- MedDRA/J ver 20.1
主な有害事象(全例で発現率10%以上の事象を抜粋)
全例
(n=16)40 mg/kg
(n=8)80 mg/kg
(n=8)主な有害事象 14(87.5) 7(87.5) 7(87.5) 発現件数 88 41 47 上咽頭炎 4(25.0) 1(12.5) 3(37.5) 上気道感染 4(25.0) 1(12.5) 3(37.5) 挫傷 3(18.8) 3(37.5) 0 NAG増加 3(18.8) 1(12.5) 2(25.0) 発熱 2(12.5) 0 2(25.0) インフルエンザ 2(12.5) 2(25.0) 0 駆出率減少 2(12.5) 0 2(25.0) BNP増加 2(12.5) 1(12.5) 1(12.5) インターロイキン濃度増加 2(12.5) 1(12.5) 1(12.5) 四肢痛 2(12.5) 1(12.5) 1(12.5) 湿疹 2(12.5) 1(12.5) 1(12.5) 発疹 2(12.5) 1(12.5) 1(12.5) 蕁麻疹 2(12.5) 0 2(25.0) - データ表記方法:例数(%)
- MedDRA/J ver 20.1
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