2021年11月24日付でビルテプソ®点滴静注250mgが「保険医が投与することができる注射薬の対象薬剤」に追加されました。
専門医が通院困難と判断した場合には、専門医との連携のもとで在宅投与が可能となりました。
在宅での投与の際は以下の項目をご確認の上、実施いただくようお願いいたします。
ビルテプソ®点滴静注250mgの
在宅投与を開始する際の確認事項
<ビルテプソ®在宅投与に際しての留意点>
- 原則として、本剤に関する十分な知識及びデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師(専門医)のもとで投与すること
- 専門医の所属する医療施設(専門医療機関)での投与が困難な場合は、専門医との連携体制を構築し、投与の必要性や安全確保について、当該専門医と十分に協議・確認した上で、訪問診療医のもとで投与すること
- ただし、原則として最初の4週間(4回まで)については、専門医療機関で投与を行い、重篤な有害事象がないことを確認すること
- また、原則として3ヶ月に一度は、専門医療機関の専門医が全身精査により、安全性及び有効性の確認と投与継続の可否を判断すること
在宅投与は、DMDの専門医及び訪問診療医が以下の「患者の条件」、「在宅投与時の要件」等、最終的に在宅投与を実施できる基準を満たしているかを総合的に評価したのちに行ってください。
患者の条件
在宅で投与される場合は、専門医が身体状況、生活環境等により通院困難と判断する患者に限定する。また、専門医は患者が以下の条件を満たすことを確認する。
- ① DMD以外の基礎疾患が医学的に安定している。
- ② 専門医療機関にて原則として最初の4週間(4回目まで)投与が行われ、重篤な有害事象が認められていない。
- ③ 規則正しく在宅投与が行える。
- ④ 在宅投与について患者、専門医、訪問診療医の3者が同意している。
- ⑤ 原則として3ヶ月に一度は、専門医療機関の専門医を受診できる。
在宅投与時の要件
- 患者宅の環境が適切である(清潔かつ電気、水道、電話、冷蔵庫、また薬剤の投与に十分なスペースが確認されているなど)。
- 患者の緊急時に速やかに医師や訪問看護師と連絡が取れる体制が事前に準備されている(緊急連絡先リストの作成など)。
- 在宅投与は医師のもとで行い、医師又は訪問看護師は投与終了まで患者宅に滞在する。
専門医との連携について
専門医以外の訪問診療医のもとで投与される場合は、下記のとおり、専門医との連携体制を構築したうえで実施いただきますようお願いします。
- 専門医は、訪問診療医に対して患者の治療内容等必要な情報を提供する。
- 訪問診療医は、本剤投与継続の是非など治療方針について専門医に相談する。
- 訪問診療医は、専門医から血液検査等の実施回数など安全確保に関してアドバイスを受ける。
- 訪問診療医は、重篤な有害事象が発生した際には、直ちに投与を中止し、専門医に連絡する。専門医は入院などの処置を引き受けることが可能である※。また、その後、在宅投与の再開が認められるまでは専門医療機関で投与する。
- 訪問診療医は、不明な点があれば専門医に相談する。
※緊急時に連携先の専門医施設での患者受け入れが困難な場合は、別途引き受け可能な施設を確保しておくこと。
在宅投与を行う訪問診療医の要件
訪問診療医のもとで在宅投与を行うためには、以下の基準を満たしている必要があります。
- これまでに在宅診療の経験がある。
- 在宅投与を行うにあたり、専門医との医療連携体制を持ち合わせている。
- 24時間対応可能な訪問看護ステーションとの連携体制を構築している。